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「世界で一番やさしい会議の教科書」の第2弾ようやく完成しました

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「世界で一番やさしい会議の教科書」を書いてから、約2年。

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会議に困っている人はめちゃめちゃ多い

「世界で一番やさしい会議の教科書」を読んで下さった方たちから沢山のメールを頂きました。

会社や組織で悩んでいる方達からは
「会議に対する考え方が変わった」
「隠れファシリテーターという考え方が新鮮だった」
「会社の人に勧めまくっている」
「何も言わずにいつもの会議で試してみたら、参加者から『今日の会議はなんだかスムーズだった』とコメントが!」
「まじで変わった」
なんてメールを。

プロのファシリテーター達からは、
「キッカケの本として、ファシリテーションの基礎を学ぶ上で本当にいい本」
「俺の言いたいことは、この本に全部書かれている」
という声を。

特に「会議を諦めていたが、なんとかしたい!という情熱が戻ってきた「会議ファシリテーションを知らない人達は不幸だと思うんです」なんてコメントは本当に嬉しい。それにしてもとにかく会議に困っている人はめちゃ多い。というのがこの2年で実感したこと。
「ウチの会社を題材にこの本を書いたのかと思うくらい、グタグタ会議が酷似していた」という話が、あちこちから聞こえてくる。企業だけではなく、医療の現場、農業の現場、PTAなどの教育の現場からもそうした声が聞こえてくる。会議や打ち合わせって、本当にコミュニケーションの基本単位なんだなー。


小説仕立てだと、深いところまで表現しきれなかった

一方で前著は、広く会議ファシリテーションについて理解してもらいたかったため、また「組織でのファシリテーションの始め方」に注力したかったため、小説仕立てにした。情景をありありとイメージできるように工夫したのだ。

そのため、会議に問題意識を強く持っていて、すでにハイレベルに会議を仕切っている方達には少々物足りなかったようだ。前著はファシリテーションの考え方を広めて、問題意識を共有するにはバッチリだったが、本当の意味での「教科書」にはなっていなかった。

プロの方法論を体系的にまとめて知りたい」という声を受けて、今回の一冊を書くに至った。苦節2年。ようやく出来ました!!

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本書は4段構成

①まず、「会議ファシリテーションの8つの基本動作」について触れている。

触りの部分はこのブログでも紹介しているのでリンクを貼っておく。

  会議ファシリテーションの全体像~8つの基本動作~

  1. 決まったこと、やるべきことを確認する
  2. 会議の終了条件を確認する
  3. 時間配分を確認する
  4. 議論を可視化する
  5. 4つのPを押さえて会議を準備する
  6. 全員から主張を引き出す
  7. 対話を促し合意形成する
  8. 振り返りをする

ブログだけでも概念は掴めるはずだ。本書では「8つの基本動作」の方法論だけでなく、会議を仕切るリーダーがどう切り出せば良いか、会議のイチ参加者だったらどうすれば実践できるかも併せて記述している。
当然、前著でも触れた部分はあるが、ここまで体系立てた解説は出来ていなかった。前著の復習にも良いだろうし、体系立った全容の理解に役立つはずた。



②次に、「よくある18の困りごとと対策」にページを割いている。

どれも一度は経験がある困りごとではないだろうか・・・。結局基本動作だけでは不十分で、どんなシーンにどの基本動作を、どう応用するのかわからないと使いこなせない。

【よくある18の困り事】

1.誰も発言しない
2.議論が盛り上がらない
3.一部の人しか会議に参加しない
4.独演会が止まらない
5.発散や脱線が多すぎる
6.議論がかみ合わない
7.会話がまどろっこしく、スムーズに進まない
8.議論が間延びする
9.論点が多すぎて、議論が難しい
10.意思決定に時間がかかる(トップ合意編)
11.意思決定に時間がかかる(現場合意編)
12.決まったことが後から蒸し返される
13.時間通りに始まらない
14.大人数の定例会が難しい
15.プロジェクトの進捗報告会が難しい
16.電話会議が難しい
17.テレビ会議が難しい
18.オンライン会議が難しい

無数の現場でこれらに向き合って来て、あの手この手を試してきた。その中から実際に効果のあった方法を整理した。一つの困りごとに対して3~5個の対策を併記している。状況によって効くものは異なるだろうが、選択肢は増やせるはずだ。



③さらに、「議論を促進する3 つの図解と構造化」にも言及している。

プロのファシリテーターが最も使っている構造化スキルは、正直3つしかない。SWOT分析もロジックツリーも不要。というか、一般的な会議ではほとんど使えない。もっとシンプルな方法で十分だ。

①箇条書き
②数直線
③スライダーバー

の3つなのだが、使うシーンを含めて解説を加えた。この3つだけ覚えておけば、十分戦えるはずだ。



④最後に、「会議ファシリテーションを広めて定着させるコツ」も整理してある。

そもそも何かを定着させるには「定着の4段サイクル」を回さないといけない。これを踏まえた上で、6つの展開・導入パターン整理したので、状況に合わせたやり方が選択してもらいたい。

実はこのブログでも「4段サイクル」について触れているので、そちらも参照いただけるとうれしい。
ブログ:ワークスタイル変革のために「定着の4段サイクル」を回せ

この原理が理解できているだけでも、ぐっと定着させやすくなる。

「研修」や「会議のルール作り」をいくらやっても効果がないことがわかるはずだ。肝になるのは「必要性の実感」だ。



今後このブログでも、本の中身を紹介します

普段、我々ケンブリッジのコンサルタント達が実践している方法論を、徹底的に書き下ろしたつもりだ。
当然全て現場から生まれた手法なので、机上の空論や理論先行の方法論は一つもない。だからこそ、現場で会議をリードする方には有益な一冊になったと思っている。

正直「コンサルタントのメシのタネ」に限りなく近い。ここまで書いて大丈夫かと思うがノウハウをフルオープンにするのがケンブリッジのスタイル。

前著では、会議変革に対する動機付け、ファシリテーションのイメージ・始め方の理解を狙った。
本書では、より踏み込んだ体系的な方法論理解をしてもらえるように構成した。もちろん本書だけでも、全く問題なく読んでいただける。

以降このブログで少しずつ本の中身を紹介していきたい。

~~今後紹介しようと思っているテーマ~~
・会議の8つの基本動作(ブログで解説していなかった8つ目「振り返り」について)
・「困りごと7. 会話がまどろっこしく、スムーズに進まない」の対策
・「困りごと16. 電話会議が難しい」の対策
・「本来不要な人」が会議に参加している時にどうする?
など
~~~~

新刊。どうぞご贔屓に。

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