#2 考え方の循環サイクル ~世界で1番やさしい考え方の教科書~
「考える」とは循環サイクルを回すこと
前回の記事では、最後にこんな問いかけをしていた。
「よく考える」とは一体何をどうすることなのだろうか?
どうしたら「考えた」ことになるのだろうか?
みなさんはどんな答えを出しただろうか。
僕なりの結論は「思考の循環サイクルをスムーズ回す」こと。これがよく考えるということだ。
ほとんどの人が「思考」だけに注目するが、「思考」は思考だけで完結しない。禅問答のようだが事実だ。
思考の前後に「認知」と「行動」が挟まってぐるぐる回りながら思考が深まっていくのである。
これが循環型思考の考え方だ。
実は、僕がコンサルとして一皮剥けたな、と思ったのは、この思考モデルに気が付いた時だった。
そこから世界が変わった。思考という作業がとても楽になったのだ。
ケンブリッジの社員を見ていても、「循環型思考」ができるようになった人間から伸びている気がする。
・ワンピースでいうと覇気の体得
・ガンダムでいうとNewタイプへの覚醒
・ドラゴンボールでいうとスーパーサイヤ人への目覚め
すべてのベースになるというか、前提になるもの。それがないとレベルが違ってしまう。
そんな感じ。(期待値上げ過ぎか...)
ここからは、思考の循環サイクルの流れについて解説しよう。
思考する
当たり前だが、ここが「考える」作業の中核だ。
・考えるための道筋を付ける。
・理路整然と考える。
・考えを深める。
この3つを行うのが思考の箱だ。
よく聞くロジカルシンキングは、「理路整然と考える」という部分に該当する。
これができれば、自分の考え方を順を追って説明でき、なぜそう考えたのか語れるようになる。
でもそれだけじゃだめで、その手前で「考えるための道筋」が付けられないと道に迷ってしまう。
そのうえで理路整然と考えて、最後に「考えを深める」段階までいきたい。
認知する
一方で、思考するためには、思考の材料がいる。それが「認知」の箱。
事象や見聞きしたことを正確に捉えて、思考のインプットにする。
インプットが間違っていたら、まともな思考はできない。的確な認知が良い思考の前提になる。
行動する
「認知」と「思考」この2つを押さえるだけでもかなり良くなるが、思考という作業はすぐに行き詰まってしまう。
そのまま放置すると何時間もウンウン唸っているのに、全然思考が進まないという状態に陥いる。
僕自身もしょっちゅうこうなる。考えても考えても良い答えが出ない。気付くとあっという間に時間が過ぎていて焦る・・・みたいな状況だ。
だから思考が煮詰まったら即座に「行動」する必要がある。
誰かに相談したり、新たな情報を集めることで、また思考できる状態に戻す。
脳の再起動と言い換えてもいい。
考えるとは、3つの箱を高速で回すこと
何が言いたいかというと、思考は単発の活動ではなくて、流れなのである。
状況を認知して、思考して、思考が止まる。それを行動によって打破しにいく。
行動によって新たな情報が入ってくると、情報を正しく認知し、再び思考することになる。
こうやってテンポよく思考のサイクルを回していく必要がある。
そもそも、ビジネスでは『一発で正解を出す』のは難しい。
不確定なこと、未知なこと、わからないことが多すぎるからだ。
正解がある学校のテストとは全く違う。
だから、『認知、思考、行動』のサイクルをぐるぐる回すことで、段階的に思考の質を上げていくことが求められる。
仮説を段階的に確信に変えていく、と言ってもいい。
「考え方の循環サイクル」はそのためのモデルなのだ。
言わんとしていることが伝わるだろうか。
ロジカルシンキングだけ鍛えても、サイクル全体が回っていなければ実戦では使い物にならない。
全体をうまく回していくことが、実戦で使える思考力を保持するコツなのである。
サッカーでリフティングだけがやたらうまくても、それだけでは試合には勝てないのと同じだ。
次回は、それぞれの箱で何を気を付けるべきか解説したい。
【世界で一番やさしい考え方の教科書】
#1 「考え方」は誰も教えてくれない
#2 考え方の循環サイクル
#3 「考え方の循環サイクル」で押さえるべきコツはなに?
#4 「洞察」で循環サイクルの質を上げる