#3 「考え方の循環サイクル」で押さえるべきコツはなに? ~世界で1番やさしい考え方の教科書~
前回の記事では、
『認知、思考、行動』のサイクルをぐるぐる回すことで、段階的に思考の質を上げていくことが求められる。
思考は単発ではなく、流れなのである。これを「考え方の循環サイクル」と呼んでいる。
という話をした。
詳細は本書に譲るが、ここでは各パートで押さえてほしいことを(概略だけになってしまうが)解説する。
認知では、認知の3要素を押さえる
物事をありのまま正しく受け止めるのが認知だ。
これは「言葉」「状況」「意図」に分けて認知することで精度が上がる。
①言葉の認知
言葉を正しく捉えてほしい。日本語を適当に聞いているシーンが多すぎる。
しゃべっている方もテキトウだし、聞いている方も聞き流しているけど、単語や文章を正確にとらえられるとずいぶん変わる。
②状況の認知
相手が見聞きしたことを疑似体験できるくらい、状態や情景をありありとイメージできるようにしたい。それが状況の認知だ。
誰が、どんな状況で、何をしたのか。脳内で再現VTRが流せるくらい、きちんと状況を捉えたい。
③意図の認知
コミュニケーションには必ず意図がある。
xxをしてほしい。xxが気になっている。xxがリスクだと思っている。など...。
だから最後に相手の意図がくみ取れているか確認する。
3つがそろって、初めて「認知」できた。となる。この3つをきちんととらえるためには、質問が鍵になる。
ガンガン質問して、自分で認知を深める動きが必要なのだ。
よく「傾聴」といったりする(これはこれで大事だ)けれど、黙って聞くだけでは認知は深まらない。
主体的に質問して、3つの認知を深めたい。
思考では、思考の4Stepを踏む
認知ができたら思考のパートに入る。
思考とは、一言でいえば答えるべき問いを設定し、自分なりの答えを出す作業のことだ。
これは4つのStepに分解できる。順にみていこう。
Step1問いを書き出す
何事にも準備が必要だ。だから、最初にやるべきなのは『考える』ことではなく『何について考えるのか』を整理すること。
ToDoリストならぬ、Thinkリストだ。
この段階で思考の質はある程度決まってしまう。質の良い問いが出せるかが一つの勝負になる。
Step2考えるべきことに順番を付ける
考えるべきことがリスト化できたら、次は、どの順番で考えるのかを整理する。
問いにも優先順位がある。これは案外見落とされがち。
一旦リストを作ったら、どの項目から考えるべきか、順番を付けてみてほしい。
Step3 問いに対する答えを出す
ここからが、考える作業そのものになる。
一つ一つの問いに対して、自分なりの答えを出すのがこのStepだ。
ここでのポイントは、仮案、仮説でいいから、いったん答えを出してみることだ。
「たぶんこうかな...」「わからないけど、きっとこうかな...」でいい。
正解を出そうと思うと思考が止まってしまう。
Step4「具体的には」と「なぜなら」で思考を深める
仮で出した答えをはそのままでは使えない。
仮説に対して『具体的には?』と『なぜなら?』の2つのキーワードを使って、考えを深めていく工程がこのStepだ。
・具体的には?という問いかけで思考の解像度をあげていく。
・なぜ?の問いかけで論理を通していく。
この問いかけが上手く人は、すべからく思考も深い。
行動では、思考の足踏みに気付くのが鍵
足踏みに気付く
認知と思考でができれば十分によい状況になるだろう。よく考えられるようになるはずだ。
次に出てくる悩みは、考えるのに時間が掛かること。よく考えられるようなったら、次は考える速度をあげたい。
速度を上げるためには、脳の瞬発力や回転速度が重要だと考えがちだが、実はそうではない。
「考えるのが遅い」のではなく、「考えてない時間が長い」から思考に時間が掛かるのだ。
言い方を変えると、走る速度が遅いんじゃなくて、休んでる時間が長いのである。
休んでる時間が短くなれば、自然と思考の速度は上がる。
行動によって足踏みを打破する
思考の足踏みに気付けたら、後は行動によってそれを打破すればいい。
・誰かと「話す」
・情報を「集める」
・あきらめて「休む」
この3つの行動が有効だ。
さて、ものすごく大雑把にサイクルの全体像を解説してみた。細かい話はここだけでは語りきれないのだが、全体の考え方は伝わったのではないだろうか。
この考え方がしっくりくるなら、おそらく本を読んでみて損はないだろう。
実はこれに「洞察」という概念も加わる。これについては次回紹介しよう。
【世界で一番やさしい考え方の教科書】
#1 「考え方」は誰も教えてくれない
#2 考え方の循環サイクル
#3 「考え方の循環サイクル」で押さえるべきコツはなに?
#4 「洞察」で循環サイクルの質を上げる