ダメ会議を変える!会議の基本動作 ⑧「振り返りをする」
会議の基礎について体系的に解説する、「会議の8つの基本動作」シリーズ
1回目は「8つの基本動作の全体像」を解説し、以降、基本動作を1つずつ解説している。今回は最後の基本動作である。
- 決まったこと、やるべきことを確認する(済)
- 会議の終了条件を確認する(済)
- 時間配分を確認する(済)
- 議論を可視化する(済)
- 4つのPを押さえて会議を準備する(済)
- 全員から主張を引き出す(済)
- 対話を促し合意形成する(済)
- 振り返りをする(今ここ)
基本動作⑧「振り返り」をする
本質を押さえ、方法論の大事さが理解できても、机上で学んだだけではなかな上手く出来るようにはならない。本質が押さえられていれば、めげずにやり続けることも出来るのだが、手っ取り早く定着のスピードを上げる方法がある。
それは「振り返り」だ。我々はCheck Pointと呼んでいる。会議が終わった後に「今の会議がどうだったか?」を5分程度で振り返ればいい。目的は、
- 良かった点を言語化し次回また再現できるようにすること
- 悪かった点を自覚し改善する方法を模索すること
- 参加者の率直な感想を確認し場としての良し悪しを知ること
である。こう書くと至極あたりまえの事のように見えるが、会議の振り返りをやっている組織はこれまで見たことがない。きっと、あなたの組織でもやっていないだろう。ここでちょっと考えてみよう。会議のたびに振り返りをやらないと何がマズイのだろうか?
・・・振り返りをしないということは、「自分の仕事がGoodだったのかBADだったのかも確認せずに」次の会議に望むことになる。
そんな状態で会議の品質が上がるわけがない。製造業の方が聞いたら驚いてひっくり返る状況だと思う。 「とりあえず、作ってみるかー。よし。今日の作業終了。目標の数量が作れたかも、品質がどうだったかもわからんけど、まぁいいか。次の仕事しよ」という感じなのだから。会議のたびに、良いところを自覚して、改善点を見つめなおして、次につなげていったら、加速度的に会議は良くなる。自分が不得意なところがわかれば、意図的にフォローしてもらうこともできる。
やることは難しくない。会議で感じたこと、良かった点、改善点、などを自由に話せばいい。
「準備がバッチリだったからスムーズに議論できたね」
「あの時、議論が発散したけど、一旦止めるべきだったかもね」
「xxさんが議論の前提をきちんと話してくれたがよかった」
「あの情報は事前に用意しておくべきだったかな」
「思ったより時間がかかったのは何でなんだろう?」
といった会話をすればいい。Check Pointの内容も、「基本動作⑥議論を可視化する」を忘れずに、書き出して見える化する。
Check Point
【感想】
-決まって良かった。スッキリした。
-20分早く終われたかもしれない。
-中盤で、議論が堂々巡りになっている気がした【良かった点】
◯終了条件が最初から明確だった
◯話していない人に、話を振っていた【改善点】
×時間を伸ばしても良いか確認した方が良かった
×論点をちゃんとスクライブして示すべきだった
という具合だ。これだけで、今後も継続してやるべきことが明確になり、改善すべき点が自明になる。
振り返りのコツは「自然体」
こう書くと、かっこいいことを言いたい!鋭いことを言わなくては!と考えてしまいがちだが全然そんな必要はない。
ごくカジュアルに、感じたことをそのまま話せばいいのだ。「なんかすっきりしないな」とか「よくわからんけど、半分くらいの時間で出来た気がする」とかでいい。 アドバイスしようとすると途端にハードルも上がるし、特に上司には言いづらくなってしまう。けれど、「感じたこと」なら、正解不正解はない。なぜなら当人がそう感じたのは事実であり、誰にも否定出来ないことだからだ。だからまず振り返りで「感じたこと」を率直に話すところからやってもらいたい。
会議の終わりにたった数分振り返りの時間を取るだけで、きっと毎回気付きがあり、品質が上がっていくのを実感できるのではないかと思う。
振り返りの担当者を「最初に決めてしまう」のもお勧め
会議の最初に、「振り返りをする担当者」を決めてしまうと、振り返りやすくなる。
担当になった人は「会議を観察してよかった点、悪かった点」を会議の最後にコメントする。そして、そのまま振り返りの場を仕切ってもらうのだ。役割が明確になっていればそういう目で会議を見る様になるし、役割がとして認知されていれば「振り返りしましょう」と切り出しやすくなる。