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プロジェクト成功のために、3つの要素を押さえろ #1

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プロジェクト成功のために押さえるべき要素が3つある

結論から先に書いてしまうが、プロジェクトを成功させる要素は3段構造になっていると考えている。

①進め方/②基礎スキル/③心構えの3つだ。

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多くのケースで「①進め方」ばかりに注目が集まるが、実は3つの要素が揃わないとプロジェクトはうまくいかない。
特に3つめ「心構え」はほとんど気にされることがないのだが、実態は相当に大きな影響力を持っている。
もちろん「心構え」だけでプロジェクトがうまくいくわけはないが、外すことのできない重大要素だと捉えてもらいたい。
何を言ってるのかよくわからないかもしれないが、順を追って解説していこう。

要素①プロジェクトの「進め方」

その名の通りプロジェクトをどう進めるか?という話

方法論やノウハウという言い方でもいい。ケンブリッジ社内には実に様々な方法論がある。
企画の立ち上げ方、コンセプトの決め方、調査の仕方、ヒアリングのコツ、課題の捉え方、原因分析のコツ、課題のまとめ方、施策のひねり出し方、施策を練り上げるコツ・・・など。

相当な量の方法論があり、それらを参考にPJの進め方を設計している。
これらがプロジェクトの「進め方」に類するものだ。
当たり前だが、これはこれで当然必要。

ケンブリッジの書籍だと「業務改革の教科書」「システムを作らせる技術」などで詳しく紹介している。

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要素②プロジェクトを推進するための「基礎スキル」

「コンセプトの決め方」を学んでも、それを実行できる基礎スキルがないと成果は上がらない。

例えば、議論をまとめられるファシリテーション力、的確に齟齬なく意思疎通できるコミュニケーション力、プレゼン力、思考力・・・など。
ITやシステム開発に対する知見なども基礎スキルの一つかもしれない。

多くのビジネスパーソンは「①進め方」を学びたがるが、「①進め方」を有効に機能させるためには「②基礎スキル」が絶対に不可欠なのだ。
①があっても②がないとグダグダになってしまう。
これは思ったよりずっと軽視されていることである。

違う言い方をすると「②基礎スキル」がしっかりすれば、それだけである程度プロジェクトで活躍できるようになるのだ。
多少経験不足でも「①進め方」の理解が多少足りなくても、基礎ができていれば活躍できる。
ケンブリッジで新卒の若手がすぐに第一線で活躍できるのは、入社直後に②を徹底的に鍛えているからである。
基礎スキルを甘く見てはいけない。

そして「基礎スキルなど、自分は十分身についている」と思っている人ほど、グダグダだったりするので面白い。
ケンブリッジの書籍だと「世界で一番やさしい会議の教科書」「世界で一番やさしい資料作りの教科書」などで紹介している。
You Tubeの「社内会議をファシってみた」の動画もよく見られている。

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③プロジェクトに関わる時の「心構え」

最後の要素は「心構え」だ。
プロジェクトにはプロジェクトに向く「心構え」が存在する。
え?心構え?ここへ来て精神論ですか?という声が聞こえてきそうだが、これは馬鹿にできない要素なのだ。
詳細は次回解説するが、今回は心構えがなぜ必要になるのか補足しておきたい。

~心構えがバラバラだと何が起こるか~
理解を深めるために、プロジェクトから一旦離れて「旅行」をテーマに考えてみよう。
家族や友人と旅行に行く。旅行を成功させるためには、プロジェクトと同じように3要素が必要となる。

「進め方」には、旅程や移動ルート、休憩の計画などが該当するだろう。
「基礎スキル」には、運転技術、地図を読む技術などが該当しそうだ。
「心構え」は、その名の通り、旅行に対する姿勢である。

例えば
・旅行の計画をがっちり死守して効率よく旅行するのか?
・出たとこ勝負でゆったりゆっくり行くのか?

友人や家族と旅行するのに、人によってこれがバラバラだったらどうなるだろうか。
計画死守派が脇目も振らず時間を気にして行動するのに対して、
ゆったり派はのんびりしていて寄り道ばかりするわけだ。
これは大変な旅になりそうだ・・・。

①進め方:旅程や計画や、②基礎スキル:運転技術などがしっかりしていても、
今回の旅行に対する③心構えが揃ってないと全部が台無しだ。

プロジェクトも同じで「心構え」がチームでばらついているとろくなことにならないのだ。
ところがこれは「②基礎スキル」以上に見落とされている。
というか気にもされていない。
ちょっとした心構えを押さえるだけでプロジェクト推進が格段に楽になるはずなのに。

では、プロジェクトに向く心構えとはなにか?次回で解説したい。

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