非地上系ネットワーク(NTN)は、2030年には世界で18兆円の市場規模に
非地上系ネットワーク(NTN:Non-Terrestrial Network)への注目度が高まっています。
非地上系ネットワーク(NTN)は、地球外の環境で通信を行うためのネットワークシステムで、一般的には、衛星、高度約20kmの成層圏を飛ぶ高高度無人飛行機(HAPS:High Altitude Platform Station)、将来的には月や他の惑星に設置される基地などが含まれます。
非地上系ネットワーク(NTN)は、地上の通信インフラが不十分または存在しない場所での通信、災害時の緊急通信、遠隔地でのデータ収集といった用途に有用とされています。
また、将来的には6Gなどの次世代通信技術との統合により、高い帯域幅と低遅延を提供し、地上ネットワークとシームレスに連携することで、より広範で効率的な通信網を提供することで、さまざまな用途での活用が期待されています。
ABI Researchは2023年9月14日、「非地上系ネットワーク(NTN)市場に関する調査結果」を公表しました。
ABI Researchの調査によると、2030年までに全世界で1億7500万以上の非地上系ネットワーク(NTN)のモバイル接続が実現すると予測しています。
市場の急成長の背景には、低遅延・高スループットのネットワークアプリケーションと地上ネットワークのカバー範囲を拡大するための衛星コンステレーション(衛星群)の展開によって推進されていくとしています。
ABI Researchでは、非地上系ネットワーク(NTN)の市場成長により、2030年までに年間で1246億ドルの衛星サービス収益を生むと予測しています。日本円で換算すると、約18兆円前後と巨大な市場を創出する可能性が期待されています。
また、地上系ネットワークではカバーしきれないエリアをカバーし、デジタル格差を埋めるために、地上系ネットワークと非地上系ネットワーク(NTN)との融合が進むと予測しています。
ソフトウェアで制御する衛星や多軌道ソリューションを活用する事業者が増加し、非地上系ネットワーク(NTN)が中長期的なコネクティビティの増加需要に対応していくと見込んでいます。