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グローバル企業経営の問題意識と価値創造経営の推進

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経済産業省は2023年1月27日、「第11回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会」を開催しました。

事務局からは、国内投資拡大・イノベーション加速・所得向上に向けたグローバル企業の経営について、議論・検討がなされており、この中から、価値創造経営の推進についてとりあげたいと思います。

グローバル企業の経営については、

・日本経済の「失われた30年」をこれ以上続けないためには、新しい企業つまりスタートアップの新興、中小企業の生産性向上だけでは不十分であり、既存の大企業の競争力強化が不可欠。

・日米欧中等のグローバル企業を中心に、競争力のある大企業の経営は、高い企業価値の下で持続可能な事業をスピーディな意思決定・世界規模のスケールで拡大している(価値創造経営)

・他方、日本では、グローバル競争に直面している企業も、PBR1を割る企業が東証一部上場企業の半数近くを占めるなど、企業価値を十分伸ばし切れず、競争力を十分高め切れていない。

といった問題意識があげられています。

中間整理では、2030年に、日本の代表的企業(TOPIX500を念頭)のPBR1以上の割合を約6割から約8割(欧州STOXX600並)を目標に掲げていました。

また、以下の5つの軸で企業改革を進め、投資家と対話することで企業価値向上に繋げるべきと、 価値協創ガイダンスとCGSガイドラインを改訂し、それぞれの軸に関連するガイドラインを整備しています。

5つの軸と関連するガイドラインは、

①バランスシート経営改革
②バックキャスト型長期経営
③マネジメントスタイル改革
④アグレッシブな成長を目指すためのマネジメント・ガバナンス改革
⑤人的資本経営

特に注目されるのが、②バックキャスト型長期経営 です。

ESG投資の動きやマルチステークホルダーの観点などを踏まえ、社会のサステナビリティと企業のサステナビリティを同期化させ、長期戦略・価値創造ストーリーを構築し、ステークホルダーと対話していく、等といったSX(サステナビリティトランスフォーメーション」の観点が重要となっています。

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出典:経済産業省第11回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 2023.1

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