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GXを実現するための政策イニシアティブの具体化と今後10年を見据えたロードマップの全体像(案)

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経済産業省は2022年12月14日、「第11回 産業構造審議会 産業技術環境分科会 グリーントランスフォーメーション推進小委員会/総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 2050年カーボンニュートラルを見据えた次世代エネルギー需給構造検討小委員会 合同会合」を開催しました。

この中から、GXを実現するための政策イニシアティブの具体化と今後10年を見据えたロードマップの全体像(案)を中心にとりあげたいと思います。

最初に、るGX実現の意義についてです。

気候変動問題という人類共通の課題に対して、地球規模での対応が求められる中、カーボンニュートラル目標を表明する国・地域が急増し、GDP総計で世界全体の約90%に達するなど、世界的に脱炭素の機運が高まっています。

既にEUでは、10年間に官民協調で約140兆円程度の投資実現を目標とした支援策や、域内産業・域外からの輸入品に対するカーボンプライシングを決定。一部の加盟国は、加えて数兆円規模の対策を措置。

また、米国では、超党派でのインフラ投資法に加え、本年8月に10年間で約50兆円程度の国による対策を決定。さらに、韓国・中国等も、排出量取引制度の有償化を含めた動きを加速しています。

こういった状況の中、GX投資等によるGXに向けた取組の成否が、企業・国家の競争力に直結する時代に突入しています。

日本おいて、GXの実現は、産業革命以来の化石エネルギー中心の産業構造・社会構造をクリーンエネルギー中心へ転換するものであり、単なるエネルギー需給構造の転換にとどまりません。

「失われた30年」とも言われてきた経済を再び成長軌道に乗せ、将来の経済成長や雇用・所得の拡大につなげていくための最重要課題となっています。

こうしたことを踏まえ、「成長志向型カーボンプライシング構想」をはじめとする新たな政策イニシアティブを早期に具体化し、併せて「今後10年を見据えたロードマップ」を策定した上で、速やかに実行していくとしています。

今後10年を見据えたロードマップの全体像(案)は以下のとおりです。
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出典:経済産業省 第11回 産業構造審議会 他 2022.12.14

その中で、重要な位置づけとなっているのが、成長志向型カーボンプライシング構想です。

本構想の中では、GX経済移行債(仮称)を活用した規制・支援一体型投資促進策や新たな金融手法の活用、カーボンプライシングによるGX投資先行インセンティブなどの取組を推進していくとしています。

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出典:経済産業省 第11回 産業構造審議会 他 2022.12.14

GX投資の実現を通じた排出削減に伴う構造転換と成長の効果については、以下のとおりまとめています。

GX投資は高付加価値な産業へ波及、更なる投資への源泉になり、産業のソフト化を加速する、構造転換の更なる後押しと、脱炭素価値が顕在化します。

これにより、2050年に獲得し得る市場規模として、たとえば、水素・アンモニア産業 約35兆円の市場が期待されています。

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出典:経済産業省 第11回 産業構造審議会 他 2022.12.14

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