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2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略

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経済産業省は2021年6月18日、「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」の策定を公表しました。

2050年カーボンニュートラルの実現は、並大抵の努力では実現できず、エネルギー・産業部門の構造転換、大胆な投資によるイノベーションの創出といった取組を、大きく加速することが必要としています。

そのため、グリーン成長戦略に基づき、予算、税、金融、規制改革・標準化、国際連携など、政策を総動員による大胆な投資をし、イノベーションを起こすといった企業の前向きな挑戦を後押しし、産業構造や経済社会の変革の実現を目指しています。

国として、可能な限り具体的な見通しを示し、成長が期待される産業(14分野)において、高高い目標を掲げて、民間企業が挑戦しやすい環境を作る必要性を示しています。

電力部門の脱炭素化は大前提であり、現在の技術水準を前提とすれば、全ての電力需要を100%単一種類の電源で賄うことは一般的に困難である中、あらゆる選択肢を追求していくとしています。

再エネ ・・・最大限導入。コスト低減、地域と共生可能な適地の確保、蓄電池活用。
➔ 洋上風力・太陽光・蓄電池・地熱産業を成長分野に。

水素発電 ・・・ 選択肢として最大限追求。供給量・需要量の拡大、インフラ整備、コスト低減。
➔ 水素産業・燃料アンモニア産業を創出。

火力+CO2回収 ・・・ 選択肢として最大限追求。 技術確立、適地開発、コスト低減。
➔ 火力は必要最小限、使わざるを得ない(特にアジア)。
➔ カーボンリサイクル産業の創出。

原子力 ・・・ 安全性向上、再稼働、次世代炉。
➜ 可能な限り依存度を低減しつつ、安全最優先での再稼働。
➔ 安全性等に優れた炉の追求。

電力部門以外(産業・運輸・業務・家庭部門)は、「電化」が中心。熱需要には、「水素化」、「CO2回収」で対応。
➜ 電力需要は増加 ➔ 省エネ関連産業を成長分野に。

産業 ・・・ 水素還元製鉄など製造プロセスの変革
運輸 ・・・ 電動化、バイオ燃料、水素燃料
業務・家庭 ・・・ 電化、水素化、蓄電池活用
➜ 水素産業、自動車・蓄電池産業、運輸関連産業、住宅・建築物関連産業を成長分野に

蓄電 ・・・ カーボンニュートラルは電化社会。
➔ グリーン成長戦略を支えるのは、強靱なデジタルインフラ=「車の両輪」。
➔ デジタルインフラの強化 ➔ 半導体・情報通信産業を成長分野に。
電力 ・・・ スマートグリッド(系統運用)、太陽光・風力の変動調整、インフラの保守・点検等
輸送 ・・・ 自動運行(車、ドローン、航空機、鉄道)
工場 ・・・ 製造自動化(FA、ロボット等)
業務・家庭 ・・・ スマートハウス(再エネ+蓄電)、サービスロボット等
➔ 全ての分野において、技術開発から、社会実装 + 量産投資によるコスト低減へ。
➔ この戦略により、2050年に約290兆円、約1,800万人の経済効果・雇用効果が見込まれる。

2050年カーボンニュートラルの実現に向けては、

電力需要は、産業・運輸・業務・家庭部門の電化によって一定程度増加する中、非電力部門では、革新的な製造プロセスや、炭素除去技術などのイノベーションが不可欠となっています。

電力部門は再エネの最大限の導入及び原子力の活用、さらには水素・アンモニア、CCUSなどにより脱炭素化を進め、脱炭素化された電力により、電力部門以外の脱炭素化を進めていくとしています。

2030年度における我が国の温室効果ガスの排出を、2013年度比で46%削減を目指し、さらに50%の高みに向けて挑戦を続けるとしています。

2050年カーボンニュートラルの実現のイメージは以下のとおりです。

スクリーンショット 2021-06-26 13.30.39.png

出所:2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略 2021.6

また、グリーン成長戦略の枠組みは以下のとおりです。

スクリーンショット 2021-06-26 13.31.23.png

出所:2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略 2021.6

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