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データセンターは企業内からクラウド事業者向けにシフト

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調査会社のIDC Japanは2014年4月22日、「国内データセンター新設投資予測」を発表しました。

2013年の国内データセンター新設投資規模は、ほぼ前年並みの1,985億円となっており、 2018年まで金融機関、官公庁、製造業などの企業内のデータセンター延床総面積は年率1.1%で減少しますが、クラウド事業者などのITベンダーの事業者データセンターは年率3.5%で増加すると予測しており、社内運用から事業者データセンターサービス利用へ移行する動きが続いています。

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出所:国内データセンター新設投資予測 2014.2.22

国内のパブリッククラウド市場の成長性と収益性」のブログでご紹介をさせていただきましたが、国内のパブリッククラウド市場は今後も成長が見込まれており、データセンタービジネスのターゲットも一般企業から、クラウド事業者などにシフトする動きが顕著になりつつあります。長期的にみると、この比率が逆転する可能性も否定できないでしょう。

国内でも大手外資系企業を中心に、2014年はマイクロソフトやSAPなどの国内のデータセンターからクラウドサービスを提供開始し、SoftLayerも年内に日本国内のデータセンターからクラウドサービスを提供することを明らかにしているなど、クラウド事業者の国内データセンターの利用増が見込まれています。

IDC Japanでは、データセンター事業者の事業者間の競争が激化し、データセンターの効率的な運用が競争力を高めると指摘しているように、規模の経済や運用効率、さらには既存の施設の活用などの効率的な投資などが、競争の優位性を左右するようになると考えられます。

こういった背景から、クラウドビジネスの成長に伴い、SI事業者の提案先は、一般ユーザから、クラウド事業者へシフトしていくとともに、データセンターの効率性を高めるための既存設備の活用のみならず、たとえば、Open Compute Projectのように、データセンター仕様のオープン仕様の機器を調達し、クラウドサービスの価格へ還元していく動きも進んでいくのではと考えられます。

データセンターへの投資の動きは、今後のクラウドビジネスの行方を占う上でも重要な指標の一つとしての位置づけが益々強くなっていくのではと考えています。

 

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