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復興構想会議で示された「再生可能エネルギー」の活用と「スマートコミュニティ」の方向性について

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政府は6月4日、「第8回東日本大震災復興構想会議」を開催し、「検討部会における検討の状況について(部会長提出資料)」の資料を公開しています。資料に関する目次は以下のとおりです。

1.地域経済社会の再生
(1)医療・介護・福祉
(2)雇 用
(3)地域産業・企業の再生・創造
① 製造業
② 農林業
③ 水産業
④ 観  光
2.エネルギー・環境
3.減災・地域づくり
(1)減災の考え方
(2)土地の権利関係の調整主体(まちづくり会社等)

どれもが非常に重要なテーマですが、今回は「2.エネルギー・環境」について、少しフォーカスをして整理してみたいと思います。

現行のエネルギー基本計画の改訂の必要性について

経済産業省は2010年6月18日、「新たなエネルギー基本計画の策定」を公表し、原子力発電の推進をエネルギー計画の大きな柱としています。原子力発電所の推進においての目指すべき姿として以下のとおり記述されています。

2020 年までに、9基の原子力発電所の新増設を行うとともに、設備利用率約 85%を目指す(現状:54 基稼働、設備利用率:(2008 年度)約 60%、(1998年度)約 84%)。さらに、2030 年までに少なくとも 14 基以上の原子力発電所の新増設を行うとともに、設備利用率約 90%を目指していく。これらの実現により、水力等に加え、原子力を含むゼロ・エミッション電源比率を、2020 年までに 50%以上、2030 年までに約 70%とすることを目指す。

今回の原発事故により、大幅なエネルギー政策の見直しは必要となりますが、電力の安定供給にあたっては、構想会議の資料にも指摘されているとおり、再生可能エネルギーの導入促進など、合的・多角的な検討が重要であると考えられます。

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再生可能エネルギーの重要性

太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーの重要性は増していますが、各電源の発電コストを試算すると、特に太陽光やバイオマスの発電コストは相対的に高くなっており、原子力発電が最も安くなっています。太陽光発電は技術革新や大量生産などによりコストの低下が期待されますが、原子力発電に変わる電力源となるためには相当な年数がかかると考えられます。再生可能エネルギーの導入を急ぐ必要はあるものの、コストのバランスに配慮しながら、2020年、2030年のエネルギーの配分をどのようにしていくのか、中長期的に検討していかなければならない重要なテーマであると考えられます。

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各種再生可能エネルギー(発電利用)の特性

太陽光発電、風力発電、バイオマス発電、水力発電、地熱発電について、それぞれ特徴が記載されています。また、課題や東北地方におけるポテンシャルも明記されています。ポイントになるのは、田井洋子発電の発電原価をいかに下げ、安定供給できるかがポイントとなるでしょう。本資料では、太陽光発電は、東北地方おいて適性があるとしています。

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全量買取制度の成立の必要性

経済産業省(資源エネルギー庁)は2011年3月11日、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案について」を公表し、4月5日に国会に提出しました。エネルギー安定供給の確保、地球温暖化問題への対応、環境関連産業の育成等の観点から重要な再生可能エネルギーの利用拡大を図るため、再生可能エネルギーの固定価格買取制度を導入するとしています。

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法律案の概要は、

  • 再生可能エネルギー源を用いて発電された電気について、国が定める一定の期間・価格で電気事業者が買い取ることを義務付け
  • 買取に要した費用に充てるため各電気事業者がそれぞれの需要家に対して使用電力量に比例した賦課金(サーチャージ)の支払を請求することを認めるとともに、地域間でサーチャージの負担に不均衡が生じないよう必要な措置を講じる

再生可能エネルギー(発電利用)の導入拡大には、全量買取制度成立・実施が不可欠という認識が共有されています。また、買取制度や買取価格や費用負担については、以下のとおりとなっています。

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再生可能エネルギーの導入加速化の必要性

今後、原子力発電が各地で停止される可能性も想定され、日本全体での電力の安定供給が大きな問題となってきます。そのため、再生可能エネルギーの導入を急いでいく必要があります。再生可能エネルギーの場合は、出力の不安定性やコスト、そして立地制約などの課題に対応していく必要性があります。電力の安定供給にあたって鍵となるのは、「蓄電池」です。日本は蓄電池の技術において、世界をリードしていますが、コストの問題が大きなハードルとなっており、再生可能エネルギーと蓄電池の組み合わせて設置する場合は、コストの問題を解決していく必要があるでしょう。

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再生可能エネルギー等の導入のタイムフレーム

長期的には需要管理をトータルに図るスマートコミュニティの開発と導入が必要であるとの認識が示されています。また、「復興構想7原則」で示されているように「自然エネルギー活用型地域の建設」、つまり、スマートシティやスマートコミュニティの構築が重要となってくると考えられます。

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再生可能エネルギー等を活用した自立型・分散型システム(スマートコミュニティ)

そして、注目されるのが、「スマートコミュニティ」の全体像です。「スマートコミュニティ」の実現にあたって、以下の3つが明記されています。

  • 再生可能エネルギー等電気利用熱利用した分散型エネルギーシステムを大規模に導入。
  • IT、蓄電池やコジェネ(熱電併給(ガス、石油、バイオマス等))を活用し、地域内で需給をバランス。地域のビルや強く系統からの自立性が高い需給構造を実現。 家庭の単位でも、再生可能エネルギー、蓄電池等を活用し、災害に強く系統からの自律性が高い需給構造を実現。
  • これらの鍵となるエネルギーマネジメント蓄電技術の確立を目指し、実証実験を実施中。

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スマートコミュニティの実現にあたっては、ICTの利用も必要不可欠となります。地域全体のエネルギー需給をコントロールするセンター(エネルギー・マネジメントシステム)では、余剰電力を蓄積する蓄電池の活用、そして需給バランスを調整するICTも必要となります。そして、スマートハウスなど、大量のデータを扱うことが想定され、これからの大容量のデータを処理する大規模なクラウド基盤が必要となると考えられます。

まとめ

震災後の復旧・復興には様々な解決していかなければならない課題が山積しています。中長期的には街を再生させるための再生可能エネルギーの活用し、電力の地産地消を実現するスマートシティやスマートコミュニティの構築が重要となってくると考えられます。復興構想会議で示されたスマートコミュニティの構想がどこまで具体的なプランが示され、実行にうつされるのか、今後の動向が注目されます。

 

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