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【2008年】情報通信政策2.0を振り返る(2)

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【2008年】情報通信政策2.0を振り返る(1)からの続きです。

通信と放送が進み、日本の情報通信と放送の法制度の議論も本格化しつつあります。5月19日に、「情報通信法制導入の市場へのインパクトとは?」で紹介させていただきましたが、法制度を見直すことによって市場は活性化し、市場が伸びることが予想されています。。 

5月26日に、「経済成長戦略(福田成長戦略)のポイントは?」で書かせていただきましたが、経済財政諮問会議は5月23日、「経済成長戦略(福田成長戦略)」の素案を発表しています。今後10年間、経済成長率において実質2%以上を目標としたものでしたが、福田氏の辞職と昨今の景気低迷により、頓挫してしまったような気がします。

5月31日に、「サイバー特区(仮称)で試される仮想社会」、6月3日に、「仮想世界に実名社会は実現するだろうか?」を書かせていただきましたが、コンテンツ流通等における新規事業創出を促す「サイバー特区(仮称)」を創設し、サイバー上に実名参加によるクローズドのコミュニティ(仮想社会)を構築し、その中に限定したインセンティブ付与や新規サービスの試験等が可能な仕組みの構築を検討する取り組みが始まっています。 

7月25日に、「コンテンツ・ビジネス・サミット(仮称)」を紹介させていただいたように、経済産業省は7月23日、コンテンツ産業のアジア展開の促進に向けて「アジア・コンテンツ・イニシアティブの策定」を公表しています。コンテンツ市場もグローバルに考えていく時代にきていると言えるでしょう。

8月29日に、「日本のICT国際競争力指標 市場シェア」を紹介させていただきましたが、特に日本のソフトウエア産業の国際市場における苦戦が目立っています。 

8月30日には、「政府が推進するイノベーション」を書きましたが、経産省の「平成21年度経済産業省の概算要求等について」についてはイノベーションという言葉が目立っています。

9月11日、「日本の「新経済成長戦略」」では、経済産業省は9月9日、「新経済成長戦略」の改訂を公表した内容を紹介させていただきました。昨今の景気低迷により、成長戦略とは異なる戦略が求められることになるのではないでしょうか。 

9月20日に、「FTTHが初めてDSLを上回る」を書かせていただきましたが、光ファイバーがついにDSLを上回りました。

10月7日に、「ライフログを活用した事業等の展開に関する基本的ルールの検討について」を書かせていただきました。ドコモの「iコンシェル」に代表されるように、行動履歴をアーカイブし、ユーザにリコメンドする取り組みが普及していくと考えられますが、プライバシーを保護するルール作りの整備が急がれるところです。 

2008年はコンテンツ分野における動きも活発化しています。「メモ:「コンテンツ学会」設立記念シンポジウム模様」で紹介したように10月11日に「コンテンツ学会設立総会・シンポジウム」が開催されました。各省庁のコンテンツ関連を担当されるキーマンの方、そして大学の有識者、民間企業、そしてクレエイターや企業経営者、そして学生など、様々な立場の方々が集まりました。私も参加しましたが、結構盛り上がっていたと思います。

これまで日本の情報通信政策は2010年を見据えたu-Japan政策がベースとなっていました。11月15日に、「2015年頃の日本のICTはどうなっているのだろうか?」で書かせていただいたように、2011年から2015年の日本の情報通信政策の動向が注目されるところです。 

11月17日に、「IPアドレスが枯渇するとはどういうことか?」を書かせていただきました。ブロガーミーティングにおいて、JPNIC(社団法人ネットワークインフォメーションセンター)にお伺いし、この「IPv4アドレス在庫枯渇問題」の説明をお聞きしました。このままの普及段階でいくと、2010年から2011年にかけて、本当に在庫がなくなってしまうようです。今年の9月に、「IPv4アドレス枯渇対応タスクフォース」が立ち上がったように官民一体となった対策が求められるところです。

11月28日に、「オバマ次期大統領のICT政策は?」、12月10日に、「オバマ次期大統領のブロードバンド構想」で書かせていただいたように、オバマ氏はITの政策については、積極派であり、日本もその影響を受けるかもしれません。 

景気が低迷する中において、業務改善等、生産性を向上していくためには、ITの活用が必要となるでしょう。政府の情報通信政策も景気を後押しをする取り組みが期待されるところです。

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