iPhone、Google Androidそして次世代高速通信無線は大きな波を起こす
12月に入ってから、NTTドコモやKDDIそしてソフトバンクモバイルから携帯電話の2007年の秋冬の新モデルが発売され、フルワイドVGA、ワンセグ、HSDPA、GPS等の対応はほぼ標準になり、スマートフォンやキッズケータイ等も含めると、今年の携帯電話端末は大きく変化した年になったと言えるでしょう。
そして、2008年以降は端末のオープン化が進み、共通プラットフォーム化そして次世代高速無線通信(WiMAX)によるネットワーク環境の変化、そしてモバイルにおいてもWeb2.0の定着と深化が進むことが予想されます。モバイル分野のマーケットは今後さらなる拡大が期待されるところです。
11月上旬に、グーグルは携帯電話向けのOSにあたるソフトウエア基盤「Android」を発表しました。Androidで共通プラットフォーム化することにより、各社が新しい端末を開発しやすくなるでしょう。グーグルは「PCの環境を携帯電話で実現できる環境」に向けて、モバイル戦略にも大きく舵をきってくると考えられます。
一方、iPhoneはAndroidが狙う共通プラットフォームの領域とは別の戦略で、iPhone独自の端末、デザインそしてOSとアップルの全体のブランドを生かしていこうという戦略が見えます。今後iPhoneとAndroidが相互にどんなバランスをとっていくのかが注目です。
そして、最近の注目すべき点はiPhoneの日本上陸です。AFPBB Newsによると、12月19
そして、私自身が注目していたのは次世代通信網の周波数争いの決着です。12月21日に総務省は、次世代高速通信網の周波数について、KDDI陣営とウィルコムに免許を交付しました。驚くことに、11項目で5段階評価をしているのですが、KDDI陣営が8点、ウィルコムが6点に対して、ソフトバンク陣営が2点、ドコモ陣営が1点と大きく差がつけられていました。
「次世代無線免許割り当てで進むワイヤレスブロードバンドのオープン化」でも書かせていただきましたが、次世代無線通信(WiMAX)が普及すれば、端末のオープン化が進むことによって魅力ある携帯端末が登場し、地域格差や高齢者見守り等の公共分野での活用も広がってくることが予想されます。
今年ももう少しで終わる11月と12月に“iPhoneの日本上陸”、“Google Androidの発表”、そして“次世代高速通信無線の決着”とモバイル分野において大きなニュースが飛び込みました。これらの登場により携帯電話事業者が主導権を握っていた垂直統合のビジネスモデルが、水平連携型のビジネスモデルに移行し、端末メーカやグーグルに代表されるプラットフォーム提供者事業者等が激しい競争の末、主導権を握るというビジネスモデルに変化していくことが予想されます。
iPhone、Google Androidそして次世代高速通信無線に代表されるように2008年以降のモバイル分野は大いに注目です。