オルタナティブ・ブログ > 『ビジネス2.0』の視点 >

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

地域SNSと社内SNSの共通点

»

最近、Web2.0に関する特集は昨年の夏から秋をピークに一段落しています。今は、地域SNSや社内SNSの特集が雑誌等に組まれるケースが多く、SNSを地域社会の活性化や企業の社内情報の共有等に活用していこうという動きはこれから本格化していくのではないかと考えています。

そこで、地域SNSと社内SNSに関しては共通点も多く、自分なりに整理してみました。


地域SNSと社内SNSの普及率
Glocomの地域SNS研究会のデータによると、地域SNSのサイト数は2007年末で200サイト以上です。現在の自治体数(市町村)が1804(平成1941日現在)ですので、重複やほとんど使われていないサイト等も考慮するとおおよそ5%10%の普及率と推測されます。

企業においても、gooリサーチが実施した「社内におけるWeb 2.0サービスの利用状況と今後の展開について」(20061227日~1228日)によると、社内向けのWeb 2.0サービスについて、導入しているという回答が9.1%となっています。そのうちSNSの利用率は53.9%と半分になりますので、おおよそ社内SNSの利用率は昨年12月時点で5%前後の普及率と考えることができます。

この数値を見ると、まだ地域SNSも社内SNSもまだ10%に届くか届かないレベルですので、一般的に浸透するにはまだまだ試行錯誤が続きそうです。


地域住民と社員が牽引
地域においては、行政側が計画に基づき、トップダウン的に施策を展開するケースが一般的でした。地域SNSの場合は、住民参加型で住民が自発的に盛り上げていく形が多く、現に行政よりもNPOや団体そして民間企業等が主体的に運営している比率が圧倒的に高くなっています。

企業においても、会社側が社内の情報システムの一環として導入するのではなく、導入事例等を見ても社員が自発的に運営するほうが多く、登録者数も増えて活性化する傾向にあるようです。


オフライン活動の充実
地域においては、管理者が様々なイベントや企画等地域を盛り上げる仕掛けを用意しています。そのため、オフライン活動も単なる飲み会だけでなく様々なイベントを通じてオフとオンの交流をうまく連携させています。またある地域SNSの場合は、パソコン教室の対面コミュニケーションを補完するものとしてSNSを開始しているケースもあります。

企業においては、オフ会を開くことによって、社員間の親睦や部門間の連携を深めていくケースが多いようです。

SNSでのネットの交流とオフライン活動の活性化により、地域社会や社内の閉塞感を打破し、新しいコミュニティ社会や企業のコミュニケーションスタイルをつくっていけるものと考えています。地域社会においても市町村の合併、企業においてもM&A等で企業が統合されるケースがあるので、SNSのように融合していくためのコミュニケーションツールが今後さらに必要になってくるでしょう。


地域社会・社内の中の集合知
地域や社内の限られた空間の中では、スケジュールやイベント情報の共有等社内情報や地域情報のポータル的に利用されるケースも多く、一般のSNSと比べて一歩踏み込んだ情報共有・交換ができるツールになりつつあります。

今後、お互いに情報を編集しあう地域社会や社内の中での集合知としての位置づけが、さらに高まっていくでしょう。


mixiをはじめとする一般向けのSNSは、データを見る限りではピークを過ぎつつあるように見受けられます。一方で地域SNSや社内SNSの利用は、一歩踏み込んだ情報共有をできるコミュニケーションツールとしてこれから普及してく可能性を秘めています。地域住民が地域を盛り上げて元気にする機運、会社を現場から変えていく機運が高まっていけば、地域と企業の中で価値の高い知恵と情報が集まり、地域社会や企業の活性化につながるでしょう。

私自身も地域住民の立場、企業の中のサラリーマンの立場として、盛り上げていきたいと考えています。

Comment(2)