« 2010年1月28日

2010年1月29日の投稿

2010年2月1日 »

みなさんのプレゼンで失敗した思い出を告白していらっしゃるので私も。3人連続IBMという流れを切ってすみません。

思い出すだけで辛くなる、最悪のプレゼン(永井孝尚のMM21)

外国語のプレゼンの準備は周到に、でも度胸も大事(マリコ駆ける!)

英語のプレゼンで負った脛の傷跡(THE SHOW MUST GO ON)

私の最初のプレゼンテーションは大学時代です。担当講師の受け持つ授業で、ゼミを代表してマーケティングについてプレゼンテーションをする機会をもらいました。ですのでお仕事というわけではないのですが、京都御所の隣のキャンパスにある明徳館という最大級の教室で聞き手は200名くらいだったでしょうか、相手は1年次後輩なのですが舞い上がりました。しかも階段教室ですので視線もビシビシと集まります。

結果は惨憺たるものでした。ゼミの文化として「誰が、いつ、何人指名されるかわからないので原則として全員が発表の準備と練習をしてくる」ということがありましたので、それなりに場慣れはしておりました。また、これまでにゼミで発表した内容を再編集した発表であったので、練習不足や内容の理解不足ということもありませんでした。

ですので永井さんの二日酔い、マリコさんのサプライズ、岩永さんの土壇場での尺変更のようにコンディションが悪かったというわけではありません。しかし早口だったこと、聞き手は「これから」マーケティングについて学び始めるということ、そもそも授業だから聞きに来てるわけで自分の話に興味を持ってくれているわけでないこと、10年たった今思い出しても失敗したところがすぐに10以上思いつきます。舞い上がってしまったんですね。緊張して固くなったのでなくて「ハイ」になってしまったというやつだと思います。思い出すだに辛いです。あと聞いてくれた人ごめんなさい。

それはさておき、リアルコムの竹内さんと以前お話した際にこんなことを聞きました。

「飛行機のライセンス取るときって、飛行中に教官が『ブチ』ってエンジン切るんだよね」

本当になにかあれば教官が回復してくれるにせよ、上空何千メートルでエンジンが切れたら緊張すると思います。シュミレータでも教科書でも操作の訓練はできると思いますが、自分と教官の命を賭けて実際にやってみること、それが重要なのではないかと思います。

同じように山梨大学医学部附属病院のサイトにある「病院の使命」でもこのようなことが掲げられています。

大学病院は、将来の医療を担う医療人を養成する役割があります。
患者さん方にご協力をお願いいたします。
臨床教育の充実は患者さんの治療につながります。

山梨大学医学部附属病院 病院の使命 <http://www.hosp.yamanashi.ac.jp/outline/shimei/index.html>

誰もが研修医よりもベテランの医師に診てもらいたいと思うことでしょう。しかしベテランの医師も昔は研修医だったわけで、若い頃は注射針がうまく刺せないとか手術で危ない思いをしたという人もいるのではないかと思います。痛い思いや苦しい思いをするかもしれませんが、研修医さんの将来の活躍を思って協力することが大切ですね。

ビジネスの現場でも同じことが言えると思います。社内や外部研修などでいくらプレゼンテーションの練習をしても、本番でのセッティングが変わることは少なくないですし、プレッシャーの度合いも違います。なによりプレゼンテーションは聞いている人の雰囲気が非常に重要です。自分の人事権を握る人であったり、自分の提案を買う決定権を持つような人にプレゼンする場合と、自分の知り合いにやるのとではやはり勝手が違うと言えるでしょう。

もし自分が聞き手だった場合、未熟なプレゼンを聞いてどう感じるだろうか、と考えてみました。それが「不慣れ」なものなら意地悪して楽しむかもしれません。それが「未熟」すなわち、まだ表に出すのが早いのに連れてきたとか、基本的な準備不足だったりすれば怒るかもしれません。しかし「不慣れ」を怒るのはビジネスマンとして失格ではないかと思います。(愛のムチはあげるかもしれませんが)自分だって昔はそうだったじゃないか、自然とそう思える素敵なおっさんになれるようにこのブログに書いて残しておこうと思いました。若手は最前線で成長します。勝つことも重要ですが、負けることのほうが学ぶことが多いかもしれません。この不景気で若手に冒険させる余裕は少ないかもしれません。負けさせるなどとんでもないかもしれません。しかしそこで若手を守りすぎるのもまた失うものがあるように思います。

yohei

« 2010年1月28日

2010年1月29日の投稿

2010年2月1日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

山口 陽平

山口 陽平

国内SIerに勤務。現在の担当業務は資金決済法対応を中心とした資金移動業者や前払式支払手段発行者向けの態勢整備コンサルティング。松坂世代。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
yohei
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ