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まだ買っていないのですが、私の初デジタル一眼レフはキヤノンになりそうです。 

という熱いエントリも読み、紹介されているビジネスメディア誠の記事も読み、色々と自分の好みなど考えていたら「やっぱニコンっすよねぇ」という気持ちになっていました。たぶん何事もなければD90を買っていたと思います。ここ何週間かその方向でレンズ選びなどしていました。今の生活スタイルからして遠いものを撮ることはなさそうです。室内で子供を撮ることも多いでしょうから、ベタな選択ですが標準ズーム1本と小さくて軽めの明るい単焦点を1本かな、と色々妄想を繰り広げていました。標準ズームはできたら18mmじゃなくて16mm始まりがいいらしい、でもちょっと予算を、などなど「買う前に色々考えている時が一番楽しい」という言い伝えそのものの時間を送っていたところです。

ただプロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーである某オルタナブロガーの方がキヤノンのEOS-1Dsを持っているほどのキヤノン派ということもあり、もしキヤノンにしたら何かのときに相談に乗ってもらえるかもしれなくて心強いなーと思っていました。記憶を頼りに「私のカメラ、現在十三代目」のエントリを探してて読んでみると……。

ふむふむ。学生時代にはニコンも使ってらっしゃったようで。確かこちらの某ブロガーの方は個人サイトで宮嶋茂樹さんをリスペクトしていらっしゃったので余計にキヤノン贔屓なのかもしれません。自分も不肖宮嶋が好きなのですが、今までデジタル、フィルム通して一度も一眼レフを使ったこともないのにミーハーだけでEOS-1系は買えません。価格的に。そういえば不肖宮嶋はイラクかアフガン以来、デジカメに転向したせいで現地から写真を電送しなくてはならなくなり(フィルム時代は撮るだけで良かった)、忙しくなったとぼやいていましたっけ。

さてそれでも何となくニコンに気持ちが傾きつつあったのですが、上の13台のうちに聞き覚えのあるカメラがありました。キヤノンF-1です。自分は1980年生まれということで、父が生まれたばかりの自分を撮りまくっていたというか、私が撮られまくっていたのがF-1でした。あとA-1もあったと思います。F-1の何バージョンだったかは知りません。一時期はそれらで何かの大会でトロフィーをもらったり雑誌に載ったりはしていたようなのですが、建設業勤務ということでバブルの絶頂期にとても忙しくなりカメラを手にする暇がなくなったようです。

そうこうしているうちに姉も兄も自分もレンズから逃げ回る年齢になり、父もすっかり写真を撮らなくなったのでした。家の暗室は物置となり、現像関係の機器は嫁に出され、冷蔵庫のポケットからはフィルムが消えて代わりに食べ物が並ぶようになりました。しかしその頃からの風習で今では夫婦二人暮らしとなったうちの実家には台所の冷蔵庫と別に1人暮らし用の冷蔵庫が稼働しています。

確かA-1は比較的早い段階で写真仲間にもらわれていったのですが、F-1はまた使う日が来るかもしれないし、という理由で20年くらい実家で死蔵されていました。 その後知り合いの誰かが家に来た時にF-1の話になり久々に人前に出たのですが、まったくメンテナンスされていなかったはずのF-1のシャッターが動いたのでびびった記憶があります。そしてもらわれていきました。F-1はその後しばらくして海水に浸かってしまったと連絡がありました。それ以前からの不調もあったようで、それにてお役御免となったようです。ちょっと残念に思いますが、最後にフィルム何十本分か日の目を見られて良かったんじゃないかと。

小さい時には父がフィルムを交換するときに「シャッター切りたい」と言ってバシバシと写真を撮る真似だけさせてくれました。さすがにフィルム入りでは撮らせてもらえませんでしたが。シャッター音よりも巻き上げレバーの機械的な感触がすごく気持ち良かったような記憶があります。

というわけで前置きが長くなったのですがFDマウントのレンズが4本ほど実家にあるようなのです。さっき電話で確認しました。ジュラルミンのごっついカメラバッグというかカメラケースというか、あれの中なのでたぶん生きているとのことです。 多少のカビなら父が何とかできたはず、というか以前に掃除しているのを見てレンズって分解できるのかよ!と思った記憶が。フードもいくらかはあったような気がします。あと自分がどれほど活用できるかわかりませんが確かフィルターもあったはずです。(自分は色弱なので色的な効果は違いがわからないでしょうが。)あまりにコンディションが良くてもったいなかったら中古のF-1を探してきて父にプレゼントするとか。(もうやらない、と言ってましたが)

ともかくそれらが生きてたら少し事情が変わります。ただでさえ価格面ではニコンのほうが高くて難点を感じていたところにキヤノンだと程度は微妙ながらレンズが4本ついてくるようなのです。1,2本ならいざ知らず4本となると少し事情が……。魚眼、標準ズーム、単焦点2本だそうです。それぞれ何ミリかは父の記憶が頼りでない上に、自分の知識がAPS-Cですら何ミリが標準画角だっけ、と思い出したり検索したりというレベルですので、そのへんは父に調べておいてもらおうかというところです。

変換アダプタで暗くなるとかマニュアル操作しないといけないとか重いとかどうやって使えるところまで持っていくかとかクリアすべきハードルは高そうですが、何より父のレンズを復活できるかどうか、という楽しみが一番大きいです。あと近所の量販店で見たレンズはどれも数字がすました感じで印刷してあって味気ないのですが、昔のレンズは文字を掘って白い塗料を流し込んだような感じが無骨でかっこいいな、と。戦争映画に出てくる銃はそんな感じですよね。写らなくてもいいから手元に置いておきたいところです。

父にデジタルかフィルムかで一眼レフをプレゼントしようか、という話も何度か出たのですが、もうカメラにはあまり興味ないようですし、おもちゃ作りという第2の人生が軌道に乗って時間的にも厳しいようです。となるとお値打ちなEOS Kiss Digital X2を自分が買って、深い眠りについたレンズにもう一度光を通してあげようかな、という気持ちになってくるじゃないですか。ひとまず安くて取り回しに便利な単焦点の35mmくらいは買って基本的なところから練習しないといけないですけれども。

コンピュータの発達により、光学分野でもこの十数年ですさまじい進歩があったと言います。計算尺とか電卓とかで必死こいて計算してたものが一瞬で何万倍、何億倍もの計算ができるようになるんですからそりゃ18-250mmというレンズも出たりするもんです。眼鏡のレンズだって薄く軽くなりました。「それ以前」のレンズにどれほどの能力と価値があるでしょうか。しかも撮るのは今からカメラを始めようかという自分です。性能的な比較では撮る前から勝負がついてるようなものですが、父と自分にとってはアダプタ買って無理してでも撮る価値がある、おもしろい写真が撮れるんじゃないかと思っています。この眠さが山口家らしい、とか(笑)

うちみたいに団塊ジュニアに子供が生まれて一眼レフ買うためにカメラが好きだった父親に相談、というところは多いでしょうから、キヤノンは「お父さんのレンズを復活」できるアダプターにも力を入れて売る路線で気持ちに訴えていったらどうでしょうか。あ、「だから最初からニコンにしとけばよかったのに」って逆襲されちゃうかもしれません。キムタクで「親子三代、Fマウント」みたいなCM作るとか。あーやっぱニコンにしようかな(笑)

yohei

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山口 陽平

山口 陽平

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