« 2008年11月2日

2008年11月5日の投稿

2008年11月7日 »

「非機能要求グレード検討会」の検討結果が発表されました。2008年4月にこんなようなニュースが流れた事を覚えておいでの方もおられるかと思います。

非機能要求グレード検討会<http://www.nttdata.co.jp/nfr-grade/>のサイトを見てみると「公開成果物」という形でPDFファイルが公開されていました。なおPDFの閲覧には利用規約への同意が必要です。IDとパスワードが設定されていますが、原則として誰でも利用できるようです。詳細はリンク先をご確認下さい。

非機能要求(機能外要求)とは、上のITmediaのニュースから引用しますと

非機能要求とは、ユーザーの業務をシステム化する際に、その実現レベルに大きく影響する情報システムの応答速度などの性能や障害時の耐性など、システムの機能要求と比較すると従来は表しにくかったシステムの強度や品質を示すもの。

ということになります。私の実感からすると、お客様が「こうしたい」と考える要望に付随して、開発者側が考慮しなくてはならない点です。特に、お客様自身が気付いていなかったり、見えていなかったりということが多く、開発者側からすれば気を遣わなければならないポイントになります。

そこで発注側と受注側に共通したガイドラインがあることは大きな価値を持ちます。発注側は自分達がこれから構築しようというシステムに関係してきそうな項目を確認しておき、受注側もプロの目線から必要となる項目を確認しておくことが必要になるかと思います。ここ最近の景気動向ではグリーンITやDRPなどは発注側から言い出さなくては受注者側が強く勧めずらいように思いますし、受注側からすれば応答性能や運用時間帯などは最初の打ち合わせから固まってくれていると話が早く進んでありがたく感じるのではないでしょうか。

なお、こちらに関する話はオルタナティブブログでも森崎さんが既に取り上げていらっしゃいます。森崎さんのブログにこのようにある通り、

曖昧になりがちな非機能要求を計測可能な指標とすることは事前合意やスムーズな開発に必要になる。しかしながら指標による検討が難しいのが現実だろう。

森崎修司の「どうやってはかるの?」 > 非機能要求をはかる - JUAS「非機能要求仕様定義ガイドライン」 - : ITmedia オルタナティブ・ブログ <http://blogs.itmedia.co.jp/morisaki/2008/08/juas-f5e2.html>

「応答性に配慮してシステムを構築いたします」や「CO2の排出量削減につながる第一歩としての役割を果たすものとして機器選定を行ないます」などと仕様書に記述するだけに留めては意味がありません。SLAなど文書の形で構築前に合意形成を行なうに留まらず、更に言えば構築した半年や1年後になってから「この性能要求は余裕がありすぎたね」や「可用性の見通しが甘かったね」と受発注双方で振り返り、その次の構築に活用することが大切であると思います。

yohei

« 2008年11月2日

2008年11月5日の投稿

2008年11月7日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

山口 陽平

山口 陽平

国内SIerに勤務。現在の担当業務は資金決済法対応を中心とした資金移動業者や前払式支払手段発行者向けの態勢整備コンサルティング。松坂世代。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
yohei
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ