オルタナティブ・ブログ > 森崎修司の「どうやってはかるの?」 >

計測できそうでできない多くのこと。エンピリカル(実証的)アプローチで。

非機能要求をはかる - JUAS「非機能要求仕様定義ガイドライン」 -

»

曖昧になりがちな非機能要求を計測可能な指標とすることは事前合意やスムーズな開発に必要になる。しかしながら指標による検討が難しいのが現実だろう。社団法人日本情報システム・ユーザー協会による「非機能要求仕様定義ガイドライン」は参考になるのではないだろうか。230項目にまとめてあるそうだ。

ITproのサイトに紹介記事(非機能要求は検証できなければ意味がない)がある。参考になるかもしれない。原本にはまだあたっていないが、同記事をみると、ISOで定義されている品質特性に加え、「障害抑制性(障害発生防止や拡大防止策)」「効果性(費用とシステム投資効果)」のような項目がある。精読していないので早とちりしてしまっている可能性もあるが、最近の情報システムに求められている項目が追加されているのではないだろうか。指標の説明として、数式や解釈方法のほか開発のどの工程で定義・検証されるべきかも記述されているそうだ。

要求の定量化は難しいだけに、まとまったボリュームでガイドラインを出すことの価値は大きいと思う。ソフトウェアタグ(ここで書いた)との関連も深いように思う。最初は、事前合意のための参考指標となることが期待されるが、なかにはSLAや責任分解点として利用できるなど契約となり得る指標もあると思う。指標による責任分解が有効になれば、専門に特化した分業化や効率的なインテグレーションが実現できるのではないだろうか。

Comment(0)