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便りのないのは良い便りと言われます。英語でも「No news is good news」という表現があるそうです。運用を担当していると、サーバからの正常運転を示す便りがないときは何かが起きていることを意味します。

serverAAA report
process xxxx -> work
process yyyy -> work
CPU **%, memory **%, DISK **%
no problem

システムの運用では、ハードやソフトが正常に運転していることを伝えるためのメールを定期的に運用担当者の携帯などに送信する事があります。障害などが発生すると、正常運転メールが送られてきません。メールが届かない時は、「今日は何か不定期な作業があったかな」とか「ひょっとしたら携帯電話のネットワークが死んでるのかな、いや、さっき友達からメール来たな」などの不安な気持ちになります。

そうこうしていると、「●●で××が発生しました」という障害通知メールが届いたりして、慌しく対応することになります。会社にいるときならばサーバ室に行くだけで済むのですが、大変なのは休日です。休日出勤をすること自体よりも、振替休日を取るためにスケジュールを調整したり、メーカー窓口などの関係各所に連絡を取るのが大変だったりします。

嫌なのは、平日に休暇をいただいている時に障害メールを受け取った場合です。念のために会社に連絡を入れようか、いや、必要ならば会社から連絡が来るだろう、でも自分の休暇を邪魔しないために気を遣っていてくれるのだろうか。それで無理に解決しようとして傷口が広がっていたらどうしよう、ああどうしようどうしよう。ということで休みの日でも自分から積極的に会社に連絡を入れてしまうという心配性な人も少なくないのではないでしょうか。

運転状況を知らせるメール以外に、休暇を取った人に向けてその日の業務内容をメールすることがあります。「今日は●●と△△を行いました。他に変わったことはありませんでした」というようなメールは、もらいたいという人と、もらいたくないという人に好みが分かれるようです。

もらう派の意見

  • もらったほうが安心して休暇を過ごすことができる。
  • 他メンバーが慣れぬフォロー作業を代行で行う場合、余計に傷口が広がるかもしれない。それなら自分から指示を出したい。
  • 仕事LOVE。休みの日も仕事の事を考えていたい。

もらいたくない派の意見

  • 休み中に仕事の事を考えたくない。
  • 特に「今じゃなくて良いから、休暇明けに対応してね」と宣告されると最悪。
  • 家族から非難の目で見られる。

「便りのないのは良い便り」という言葉は、便りが来なくて心配している人に対して安心させるために使うことが多いです。私は便りがないと心配してしまうほうですので、便りをいただけると安心して休暇を過ごすことができます。皆さんはどちら派でしょうか。

yohei

パナソニックのLet'snoteの新製品が発表されました。Let'snoteすごく欲しいです。旧モデルのお下がりで良いから誰か私に譲って下さい。

世界にむけてLet's Begin!──国内中心から海外へ拡大するLet'snote
ついにファンレス断念──“Santa Rosa”を全面採用したLet'snote新モデル発表
“T”の存在意義をどこに見出すか──松下電器産業「Let'snote LIGHT CF-T7」

さて、このLet'snoteシリーズの人気のひとつに丈夫さがあります。設計段階で76センチの高さからの落下試験を繰り返して耐久性をテストするそうです。この76cmの落下試験はThinkPadでも行われているものです。なぜ76cmなのでしょうか。結論から言うと、真相には近づいたのですがはっきりした事はわかりませんでした。

JIS規格を調べてみました。以前もJISについて紹介(お風呂のカビを抑制する洗面器)しましたが、今回は耐久試験の規定です。 JISの検索サイトはこちらにあります。なお、PDFで作成された規格書には直接リンクが張れません。ですので、規格書を読んでみたいと思われた方は各自検索下さい。

JISには試験方法について定めた規格書がたくさんあります。その中に、『環境試験方法-電気・電子-自然落下試験方法』というのがあります。タイトルからしていかにも関係ありそうです。『JISC60068-2-32』で検索して中身を見てみましょう。そうすると、『厳しさ』という項目のところで、落下の高さを25mm,50mm,100mm,250mm,500mm,750mm,1000mmから選ぶように記述がありました。ここに注記で

IEC68-2-32では750mmは規定していないが、我が国の実情を考慮し、この値を追加規定した。

とあります。我が国の落下試験の実情にはなかなかシビアなものがあるのでしょうか。よほど750mmが大切だったようです。なお、IECとは国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission)の略称です。このJISの落下試験についての規格では、他に落下試験を行うための装置の設計ですとか、落下させる回数、ならびに受け止める床の材質なども定められています。

JIS規格に出てくる750mmというのは、Let'snoteの76cm=760mmと10mm違うんですよね。760mmというのはちょうどオフィス机くらいの高さです。検索してみると、JISには机に関する規格がいくつか見つかりました。

”机”で検索した結果

JISS1010 事務用机の寸法
JISS1015 講義室用連結机・いすの寸法
JISS1016 講義室用連結机・いす
JISS1021 学校用家具-教室用机・いす
JISS1031 オフィス用机・テーブル
JISS1061 家庭用学習机


これによると、事務用机の高さは700mmまたは670mmが良いようです。これでは少し低いですね。他のものを探してみると、学校用家具の規格で最も高さが高い机は身長180cmに対応する6号という机で、これが760mmでした。オフィスでの使用を想定して、机から少し持ち上げたところで落としたという場面を想定するならば、700mm+50mmで750mmの規格通りで問題ないはずです。そう考えると、この6号机の規格がLet'snoteの落下試験の76cmという数字に影響しているのかもしれません。

こういった製品のテストをやるときは、何をどこまでやったら良いのか判断に困る事があります。例えばiPod touchの落下テストをやるとして、Gパンのポケットから落としたとしたら75cmくらいだろうな、胸元で操作していたら110cmくらいだろうな、と色々なケースを考えていく事は大変ですし、どういった試験を実施したのかを説明するのも大変です。そういったときにJISのような規格で定められた試験があると便利です。例えばJIS-xxxx合格品と言われた場合、どの程度の品質なのかを予想するができるからです。

なお、以前にJISに関するエントリを投稿した際には「すごく品質の良いものを追求するとJIS規格を守っていられない事もある」というようなコメントをいただきました。同様に、日本では規格に合格していても海外では合格しないという事例もあるでしょう。例えば日本のトイレットペーパーの幅は114mmに統一されていますが、これはアメリカのトイレットペーパーの規格である4.5インチを日本に持ち込んだからと言われています。メートル法であるヨーロッパでは100mmが主流です。他にもペットボトルですとか、コンセント、携帯電話やテレビなどは統一されていない規格の代表例です。

規格と言えば紹介したいのがMIL-STDです。「ミルスペック」や「ミル規格」と言われる規格の1つであり、軍隊の過酷な環境で使用するために厳しい規格を定めたものです。MIL-STDについて定めたDefense Supply Center, Columbusのサイトはこちらですが、JAVAアプレットを使用していて無駄に重いです。日本のJISのサイトもPDFへのpermanentリンクが張れない等の不便さがありますが、何か恨みでもあるのでしょうか。

さてLet'snoteの姉妹シリーズであるtoughbookシリーズには『MIL-STD-810F』という耐衝撃・耐振動性能の規格に準拠している製品があります。その頑丈っぷりはITmediaさんでも

海の男のIT事情「マリン仕様TOUGHBOOK編」
真の「全天候型」TOUGHBOOKが誕生した

などで紹介されました。(私はITmediaでこのシリーズ記事が一番好きです。)それにしても塩水にもへっちゃらな電子機器というのはすごいですね。昔、建設現場で父が『現場監督』という名前のカメラを使っていたことを思い出しました。生コンクリートに落としても水で洗えば使えるという頑丈さにびっくりしました。

そういうわけで、どなたかLet'snoteを2007冬モデルに買い換える気になった方は、余ったやつを僕に下さい。

(# コメント欄でご指摘いただきましたが、本気でおねだりしているわけじゃありません。それくらい魅力的という意味です。)

yohei

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山口 陽平

山口 陽平

国内SIerに勤務。現在の担当業務は資金決済法対応を中心とした資金移動業者や前払式支払手段発行者向けの態勢整備コンサルティング。松坂世代。

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