パナソニックのLet'snoteの新製品が発表されました。Let'snoteすごく欲しいです。旧モデルのお下がりで良いから誰か私に譲って下さい。

世界にむけてLet's Begin!──国内中心から海外へ拡大するLet'snote
ついにファンレス断念──“Santa Rosa”を全面採用したLet'snote新モデル発表
“T”の存在意義をどこに見出すか──松下電器産業「Let'snote LIGHT CF-T7」

さて、このLet'snoteシリーズの人気のひとつに丈夫さがあります。設計段階で76センチの高さからの落下試験を繰り返して耐久性をテストするそうです。この76cmの落下試験はThinkPadでも行われているものです。なぜ76cmなのでしょうか。結論から言うと、真相には近づいたのですがはっきりした事はわかりませんでした。

JIS規格を調べてみました。以前もJISについて紹介(お風呂のカビを抑制する洗面器)しましたが、今回は耐久試験の規定です。 JISの検索サイトはこちらにあります。なお、PDFで作成された規格書には直接リンクが張れません。ですので、規格書を読んでみたいと思われた方は各自検索下さい。

JISには試験方法について定めた規格書がたくさんあります。その中に、『環境試験方法-電気・電子-自然落下試験方法』というのがあります。タイトルからしていかにも関係ありそうです。『JISC60068-2-32』で検索して中身を見てみましょう。そうすると、『厳しさ』という項目のところで、落下の高さを25mm,50mm,100mm,250mm,500mm,750mm,1000mmから選ぶように記述がありました。ここに注記で

IEC68-2-32では750mmは規定していないが、我が国の実情を考慮し、この値を追加規定した。

とあります。我が国の落下試験の実情にはなかなかシビアなものがあるのでしょうか。よほど750mmが大切だったようです。なお、IECとは国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission)の略称です。このJISの落下試験についての規格では、他に落下試験を行うための装置の設計ですとか、落下させる回数、ならびに受け止める床の材質なども定められています。

JIS規格に出てくる750mmというのは、Let'snoteの76cm=760mmと10mm違うんですよね。760mmというのはちょうどオフィス机くらいの高さです。検索してみると、JISには机に関する規格がいくつか見つかりました。

”机”で検索した結果

JISS1010 事務用机の寸法
JISS1015 講義室用連結机・いすの寸法
JISS1016 講義室用連結机・いす
JISS1021 学校用家具-教室用机・いす
JISS1031 オフィス用机・テーブル
JISS1061 家庭用学習机


これによると、事務用机の高さは700mmまたは670mmが良いようです。これでは少し低いですね。他のものを探してみると、学校用家具の規格で最も高さが高い机は身長180cmに対応する6号という机で、これが760mmでした。オフィスでの使用を想定して、机から少し持ち上げたところで落としたという場面を想定するならば、700mm+50mmで750mmの規格通りで問題ないはずです。そう考えると、この6号机の規格がLet'snoteの落下試験の76cmという数字に影響しているのかもしれません。

こういった製品のテストをやるときは、何をどこまでやったら良いのか判断に困る事があります。例えばiPod touchの落下テストをやるとして、Gパンのポケットから落としたとしたら75cmくらいだろうな、胸元で操作していたら110cmくらいだろうな、と色々なケースを考えていく事は大変ですし、どういった試験を実施したのかを説明するのも大変です。そういったときにJISのような規格で定められた試験があると便利です。例えばJIS-xxxx合格品と言われた場合、どの程度の品質なのかを予想するができるからです。

なお、以前にJISに関するエントリを投稿した際には「すごく品質の良いものを追求するとJIS規格を守っていられない事もある」というようなコメントをいただきました。同様に、日本では規格に合格していても海外では合格しないという事例もあるでしょう。例えば日本のトイレットペーパーの幅は114mmに統一されていますが、これはアメリカのトイレットペーパーの規格である4.5インチを日本に持ち込んだからと言われています。メートル法であるヨーロッパでは100mmが主流です。他にもペットボトルですとか、コンセント、携帯電話やテレビなどは統一されていない規格の代表例です。

規格と言えば紹介したいのがMIL-STDです。「ミルスペック」や「ミル規格」と言われる規格の1つであり、軍隊の過酷な環境で使用するために厳しい規格を定めたものです。MIL-STDについて定めたDefense Supply Center, Columbusのサイトはこちらですが、JAVAアプレットを使用していて無駄に重いです。日本のJISのサイトもPDFへのpermanentリンクが張れない等の不便さがありますが、何か恨みでもあるのでしょうか。

さてLet'snoteの姉妹シリーズであるtoughbookシリーズには『MIL-STD-810F』という耐衝撃・耐振動性能の規格に準拠している製品があります。その頑丈っぷりはITmediaさんでも

海の男のIT事情「マリン仕様TOUGHBOOK編」
真の「全天候型」TOUGHBOOKが誕生した

などで紹介されました。(私はITmediaでこのシリーズ記事が一番好きです。)それにしても塩水にもへっちゃらな電子機器というのはすごいですね。昔、建設現場で父が『現場監督』という名前のカメラを使っていたことを思い出しました。生コンクリートに落としても水で洗えば使えるという頑丈さにびっくりしました。

そういうわけで、どなたかLet'snoteを2007冬モデルに買い換える気になった方は、余ったやつを僕に下さい。

(# コメント欄でご指摘いただきましたが、本気でおねだりしているわけじゃありません。それくらい魅力的という意味です。)

yohei

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コメント
坂本多聞 2007/09/29 08:20

山口さん、おはようございます。多聞です。
2.5フィートが76.2cmなので、「2.5フィートから落としても大丈夫」って説明したいからなんじゃないでしょうか?
タフブックについてこんな記事がありました。
http://www.gizmag.com/go/7392/
Toughbook is certified to the MIL-STD-810F standard, tested to withstand drops of up to 2.5 feet on all six sides.
ぴったり76cmだと2mm足りませんが、日本市場向けには四捨五入して丸めて説明しているのかもしれません。そして前の30cmは1フィートだったとか。

gdgd 2007/09/29 09:44

> 旧モデルのお下がりで良いから誰か私に譲って下さい。
メディアでこんなことしゃあしゃあと書く人の浅ましさは見ていて不快。氏ねばいいのに

mmasuda 2007/09/29 11:05

ヒント: 入札仕様書

yohei 2007/09/29 11:33

坂本さん、コメントありがとうございます。
フィート換算というのは盲点でした。2.5フィートという目安の由来は何でしょうね。旧JIS規格ではアメリカの机の規格に従って74cmの高さが標準だったそうなので、それをフィート換算した時に区切りのよいところが2.5フィートだったのかもしれません。
|
gdgdさん、コメントありがとうございます。
それくらい欲しいっていう意味のネタだったんですが、不快な思いをさせてしまってすみませんでした。万一あげますっていう方がおられても受け取るつもりはありませんのでご安心下さい。
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mmasudaさん、コメントありがとうございます。
日本TOUGHBOOKユーザ会のサイト拝見しました。TOUGHBOOKの堅牢性は私の普段の生活では必要としないレベルなのですが、どこか惹きつけられるものがあります。こういった性能を定めた調達仕様書を作るときの「何センチから落とした時にも壊れないでいて欲しいか」という基準は、どのように調査して決定するんでしょうね。機会があれば調べてみたいと思います。


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