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戦略、プロモ、広報など実務から見たマーケティングをお話します

« 2007年6月8日

2007年6月9日の投稿

2007年6月10日 »

工業デザイナーである奥山清行さんの著書「フェラーリと鉄瓶」をかなり前に購入していたのですが、本日一日で読み上げました。

前半は、イタリア時代のお話を、ドイツなどいろいろな国での生活との対比で面白く書いてありましたので、比較文化論を読むようにさっと読んでしまいました。しかし、その内容は単に文化を比較しているだけでなく、実際にイタリアの街で生活をしている中で、日本で面白おかしくかかれているようなイタリア文化ではなく、その現実とそのような文化が培われた「何故」を洞察を持って書かれています。

後半は、主にフェラーリ時代の仕事を通じての工業デザイナーという仕事、さらには仕事を進めていくための奥山さん自身の考え方が書かれています。特に、デザイナーという仕事の肩書きから誤解を受ける仕事の内容を正して、工業デザイナーは「ディレクター」としての仕事であり、通常デザインの仕事の中心と考えられるいわゆる「絵」は手段であると捉えています。デザインされた絵を中心として、それぞれのパーツや構造などを司る専門家が集い、互いに矛盾する意見や専門知識をぶつけ合い、その中で全体を決めていくディレクターとしての仕事がデザイナーの職分であるということです。

システム構築の世界でいうとプロジェクトマネジャーにあたる仕事ではないでしょうか。そう考えると、その後に続く

「たいていのクルマは、よく見るとどこかでデザインが破綻しているのです。何人かの人間で手分けしてデザインしたりすると、それが如実になります」

という言葉も、非常に納得できますし、

「シンプルに見えるものの作りがシンプルであるかというと、決してそんなことはありません。ものすごく複雑なものを、整理してつじつま合わせをして、いろいろなところまで気を配って作ると、最後にはすごくシンプルに見えるものです」

という言葉も、プロジェクトに望むときの一つの教訓になります。

そして若干ですが、フェラーリのロイヤリティ・マーケティングにも触れていますが、こちらも参考になります。量的にも質的にも、重厚さは感じませんが、非常に役に立つ内容が詰まっていると感じた一冊でした。是非ご一読ください。

つるた

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鶴田 裕史

鶴田 裕史

(株)プライアルトス代表。IBM、サン、アクセンチュアでの経験を基にIT業界向けマーケティング支援を提供。専門は事業戦略

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