中村昭典の、気ままな数値解析:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 中村昭典の、気ままな数値解析

○人、○%、○億円…メディアにあふれる「数値」から、世の中のことをちょっと考えてみましょう

 先日、母が使っているCDラジカセが故障しました。ある日突然、CDが回転しなくなってしまったようです。週に1・2回、掃除しながら演歌を聞くというのが、ささやかな母の楽しみでしたので、早速修理に出すことにしたわけです。元々、そのCDラジカセは、近隣の家電量販店の格安セール品で、7,800円で購入したものでした。音にうるさい輩でもないし、国産大手メーカー品だし、ピンクでかわいいし、これで十分とばかりに買ったのが、1年と3ヶ月ほど前のこと。メーカー保証期間は切れていましたが、ショップ独自の延長保証制度が適用されている期間でしたので、もちろん無料修理だと思っていました。ところが、、、です。

 量販店から電話で「修理代が9,000円かかります。購入価格が7,800円でしたので、差額の【1,200円】を負担いただければ修理できます」とのこと。保証規定には、たしかに「修理額の上限は購入価格まで」と記載があります。高額でもないし、母も早く修理から戻ってきて欲しいという顔をしていましたので、早速修理をお願いすることにしました。でもね。よくよく考えてみると、これでいいのか、という気もします。

 【1,200円】が高額と文句を言っているのではなく、また修理代金の上限が購入価格というショップの延長保証規定に不満があるというのでもなく、そもそもなぜ、購入価格7,800円<修理代金9,000円なのか、ちょっと疑問というか、不満というか、しっくりしないものを感じるのです。

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 今回壊れたのは、CDの音を拾うピックアップという部品。修理内容は「ピックアップ交換」。9,000円の内訳詳細は詳細に聞いたわけではありませんが、ショップによると、部品代+技術料との説明でした。技術料というのは、いわゆる修理担当技術者の人件費ですね。そりゃメーカーだって修理部門の人件費は必要でしょう。通常これはどのメーカーでも4,000円~5,000くらいではないでしょうか。とすると、部品代は4,000~5,000円くらいとなり、これもおそらく適切な価格だと思われます。なるほどね、そんなもんかな。いや、でも、冷静に考えてみると、“CDラジカセの一部分”であるCDピックアップが壊れ、その修理代金が、“CDラジカセそのもの”の購入価格よりも高いというのは、どうなんでしょうか。

 私の場合は、運良く延長保証の対象となったので、差額【1,200円】ですんだわけですが、そうでない場合、すなはちメーカー保証が切れた状態で修理に出したとした場合、修理代全額の9,000円を請求されることになります。そこで、気持ちよく「お願いします」と言えたでしょうか。「買った価格よりも高くなるくらいなら、新品を買い直した方がいい」と思うのが普通ではないかと。そうなると、(CD以外はまだまだ使える)CDラジカセを廃棄して、新たなCDラジカセを買うことになります。「そんな環境に悪いことできない」なーんて格好つけて言えるような人間ではありませんが、廃棄するには、さすがに気が引けます。だからと言って、環境を守るために、購入価格よりも高い修理代を支払うという気にはなれません(ごめんなさい)。

 いろんなケースがありますので一概には言えませんが、今回のケースに限って考えてみた場合、ショップが主張していることに間違いはないと思いますし、メーカーも修理に対応する人件費がかかることは間違いない。でも私の「購入価格よりも高い修理代を払う気にはなれない」という意見が間違っているとも思えない・・・。対応してくれたSHOPの店員さんに、私の正直な気持ちをお話してみたら、「うーん、確かにその通りですよねぇ…約5秒の沈黙…今は売値を下げないと買ってもらえない世の中ですから…わたしたちも苦しいんですよ」。たしかに、人件費が何よりも高いという世の中ですから、誰が悪いというわけではないんでしょうが。うーん、そうか、世の中のせいか…結論がない話でごめんなさい。。。

中村昭典

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コメント
mohno 2008/04/14 23:33

工場で機械に大量生産させている製品よりも、個別の人件費がかかる修理の方が値段が高くなってしまうのは、あまり不思議なことでもないと思いますが、

> 延長保証制度

って、そういうものなんですね。
しばらく前までは、割高感を感じつつも修理代を払っていたことはありましたが、修理後の性能が目に見えて落ちているように感じることが続いた時期があり、それ以降は無理をしなくなりました。
電気製品は、消耗品なのだなあと感じることが多い今日この頃です。

中村昭典 2008/04/15 13:13

大野さま、コメントありがとうございます。
理屈では私も判っているつもりなのですが、どうしても“部品ひとつ交換するだけで”という気持ちになってしまうわけで。おっしゃる通り、電気製品は今や消耗品と割り切れば、モヤモヤは解消されるのかもしれません。
子どものころ、壊れた電化製品を、”捨てるくらいなら”と、親に頼んでもらっては、分解修理に挑戦した記憶があります。もちろん多くの場合はガラクタを増やしただけでしたが。たまに点かなかったランプが点灯するとか、回転しなかったものが回転し始めるとか、何とか使えるものに直せたりすると、それはもう鼻高々でした。そうやって覚えたことがたくさんあったような気がします。今では自分の子どもに話しても尊敬すらされない武勇伝でございます(笑)。


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プロフィール

中村昭典

中村昭典

元リクルート・就職情報誌編集長。現在は大学でキャリア支援領域の教育研究者。
「一人でも多くの人に、働く楽しさを伝える」をテーマに、いろいろ試行錯誤する日々です。
趣味は海山畑で食材を調達すること、カフェで一人ボーっとしながら人間観察すること

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