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戦略、プロモ、広報など実務から見たマーケティングをお話します

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2006年10月29日 »

昨日の午前中にNHKを見ているときに、気になることがありましたので、書きたいと思います。NHKはあまり見ないのですが、昨日は「この人この世界、だから失敗は起こる、失敗は伝わらない」という題名の番組で、時間帯、表題、そしてドキュメンタリ風の内容なので、多分再放送だと思います。

いくつかの企業で、大きな問題が起きたことに関して、自社内、そして社外での同様の失敗が発生したことを、教訓として何故活かせなかったかという切り口での番組です。

いくつか、心に残る言葉がありました。その中でも、「失敗の教訓は、(その教訓を)欲しいと思う人にしか伝わらない」、「ちょっとした(環境や状況の)違いで、(他者の失敗は)自分には関係無いことだと思う」という言葉はかなり真実を突いていると思います。日比谷線脱線事故を振り返ってのドキュメンタリーの部分だったはずですが、既に報告されていて注意が回ってきていた同様の事故に関して、東京メトロ(当時はまだ社名は違いましたっけ?)が、何の反応も対策も採ることが出来なかった状況を振り返って、原因を端的に指し示しています。

人間なのか、組織なのかは微妙なところですが、他者の失敗に関しての情報を聞いた場合に、「失敗が発生した状況が如何に自分たちと違うか」または「自分たちは似たような環境でも、ここが異なるので失敗が起きない」ということを探し出し、その結果で自分たちの現状を正当化します。しかし、失敗が起こる環境は、100%同一でなくても、数十パーセントの類似で発生するのです。

一方で、他者の成功に関しては、「成功している状況が如何に自分たちと酷似しているか」、場合によっては「成功した事例よりも、自分たちが如何に成功しやすい環境にあるか」を探し出し始めます。しかし、不思議なことに成功の事例の場合には、100%同一の環境や状態でも何故か同一の結果は生まれないのです。

情報を共有したとしても、その結果を活かすためには、情報の性質によって共有された情報を知識として昇華するための、基本的な思考方法を体得していることが必要なのではと思います。情報システム主導、または机上の理論で構築されるナレッジウェアや情報共有のための環境は、この部分に関して深く模索をしているわけではありませんし、多くの企業では情報を使う側のリテラシーに関しては無頓着に感じられます。せっかくの知識や情報の共有のための仕組みを機能させるためには、「失敗は学ばれない」、「成功は課題に解釈される」という使う側の心理を是正することが必要なのではと感じます。

つるた

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鶴田 裕史

鶴田 裕史

(株)プライアルトス代表。IBM、サン、アクセンチュアでの経験を基にIT業界向けマーケティング支援を提供。専門は事業戦略

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