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戦略、プロモ、広報など実務から見たマーケティングをお話します

« 2006年10月5日

2006年10月6日の投稿

2006年10月7日 »

企業からコンサルティングをお願いするとき、そして事業会社からコンサルティング業に移ったときに直面する大きなギャップがあります。それは、事業会社の現実と、コンサルティングの限界です。

以前、ウィルコムの八剣社長にお目にかかったときに「事業会社は矛盾だらけだから、論理的に考えても矛盾を許容できることが必要なんだよ」といった主旨のことをおっしゃっていました。コンサルティングファームから業務支援でサポートに来ていた人に関するお話をしていたときだと思いますが、これは名言だなと感じましたし、今でもたまに引用させていただいています。

つまり、コンサルティング業は、論理的な結論に基づいてリコメンデーションを行うことが仕事であり、特に戦略系になればなるほどその傾向が強くなります。しかし、実際の事業会社では、論理的な結論は理解できても事業や組織を運営していく上での矛盾が内在しているため、不完全燃焼を起こします。特に優秀で論理思考の可能な中間管理職は、論理的な結論と現実の矛盾に対して敏感で、自社の攻撃に走りがちです。

また、事業会社からコンサルティング会社に移ったときも、逆に同じことが発生します。特に事業会社でも自社の管理やリーダー的存在だった場合には、矛盾自体を暗黙のうちに自身の考えの中に吸収していますので、今度はあまりに整然とした論理的帰結に対して反論ができず、また納得もできなくなります。

(不思議なことに、逆のケース、つまりコンサルティング会社から事業会社に移るときは、ギャップが比較的小さいようです。実際の経験者のお話では、事業会社の人間が論理的思考をする人を立ててしまい、ある程度の考えや意見を吟味せずに通してしまうことも、その要因のひとつのようです。)

一見して、論理的に正しい考えに従うことが正解で、企業活動は正常化するとも感じますが、すべての論理は現状という前提そして変化の範囲というキャップをもとに構築されます。やはり革新的な動き、今までにない考えは、矛盾をはらみつつも、事業会社のような環境に身おいている人中心に生まれてくるものではないかと思います。

予断ですが、マッキンゼーの中途採用では、コンサルティング業からの出身は採用せずに、事業会社の人間を中心に採用しています(今でも多分おんなじだと思いますが)。矛盾を理解・体得した人に、論理的な整理を教える、その結果実効性のある戦略と戦術の構築が可能になる。それがマッキンゼーが多くの経営者を輩出している根源ではないかとも考えています。

「論理をもって矛盾を楽しむ」、そんな知識と経験の基盤、そして心の余裕、そういったものが今の経営者には不足していると思います。私もお客さまに接するときは、「論理をもって矛盾を楽しむ」そんな考えていってみたいと思います

つるた

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鶴田 裕史

鶴田 裕史

(株)プライアルトス代表。IBM、サン、アクセンチュアでの経験を基にIT業界向けマーケティング支援を提供。専門は事業戦略

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