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辻さんのエントリーに触発されて。

プロフェッショナルの条件は、ルールを守ることだと思う。結果を残すことも大事なことだが、ルールを破っていては、事業の社会性自身が問われることになる。

 まったくもって、その通りだと思います。ルールすら守れないのに、プロも何もあったもんではないですよねぇ。

 そして、プロフェッショナルのルールの基本中の基本は、時間を守ることだと考えています。「いついつ迄に提出」という書類は期日を守る、出勤時間はいわずもがな、会議開始時間は守るべきだし、特に終了時間も守る。会議の途中で発散するのもいいけれど、終わりまでにアウトプットを出すためには、いつまでに発散は収束させて、といったことが必要です。

 僕の友人から、以前NPOの会議で僕が怒ったことを今でも言われるのですが(苦笑)、もう実作業に入らないといけないフェーズでも発散したがるメンバーがいたことを憶えています。

 一般的に、企業の会議で発散することは少ないかも知れませんが、アウトプットのない会議をする企業もたまにあるようです。
 吉越浩一郎さんは「CEO仕事術」の中で、ブレインストーミングは不要と仰有っていますが、僕はそんなことはないと考えています。ただし、必要最低限のメンバーで、おしりを決めて行なうのであれば、という条件付きですが。

 以前、ある球団の方とお話しした際に「うちは体育系のせいか、15分前には会議室に集まっている」ということをお伺いしました。体育系でなくても、ちゃんと資料も頭の中も準備できていることは重要だな、と感じたのを憶えています。

kumaboo

 前職で、新卒の研修を引き受けた際に上長から指示を受けた研修内容のことです。例えば、100円の売上から80円のコストを引くと20円残る。自分たちの収入は、この20円でやり繰りするしかない、というシンプルな話です。
 しかし、現実は残念ながらこの原理を理解していない人がいるように感じます。つまり、20円しかないのに「僕は30円くらい頑張ったので30円ください」みたいなことです。実際にはもう少し複雑な計算になるのだとは思いますが、シンプルに考えるとそういうことです。

 仮にある会社で、年商10億円だったとします。社員は30人で平均年収500万円。仕入れ販売の商売なので、仕入れ原価が8億円。つまり粗利が2億円です。年間で人件費が30人×500万円=1億5000万円。残り5000万円の中には、家賃、水道光熱費その他維持費が必要なわけです。細かくいうと、まだ社員の通勤交通費が含まれていませんし、営業交通費だって必要です。そう考えると、たぶんこの会社は赤字です。
 こういう、いたってシンプルな計算を理解していない、いやたぶん、理解したくない人がいるんだと思います。
「俺は頑張ったんだから、そんなことを言っても収入を増やしたい」
 現実は現実です。売上の10億円を増やすか、仕入れ原価の8億円を減らすか、社員を減らして同じ売上を保つか、しかないわけです。

 僕はこの研修は、まず給与明細書の読み方から始めました。給与明細書の各項目を理解するところから始めれば、新入社員も興味を持って覚えることができるかな、と思ったからなんですが。

 大きな金額で計算すると勘違いしがちなのかも知れませんが、100円ー80円といった少額でシンプルな計算に落とすと、現実を理解しやすいのかも知れません。

kumaboo

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プロフィール

大木 豊成

大木 豊成

スマートフォン法人導入コンサルティングのイシン株式会社 代表取締役。
著書に、iPad on Business、ソフトバンク流『超』速断の仕事術、ファシリテーターの道具箱(共著)がある。

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