« 2009年11月22日

2009年11月23日の投稿

2009年11月24日 »

 妹尾さんのデフレに関する私的考察を拝読して、最近のデフレといわれる時期について考えました。というか、ここ最近気になっていたんですが。
 ジーンズが1,000円未満。これだけでも、十分にデフレの要因だと感じます。売っている会社がどうこうという話ではなく。だって、少なくとも技術革新ではないですよね。人件費の安い国で作っているだけです。
 僕は2,980円のジーンズを持っていますが、正直言って穿き心地がよくない。ジーンズというものは、長く穿いていると身体にフィットしてくるのですが、そのジーンズはそうならない。つまり、たとえばリーバイスとか、エドウィンといったジーンズとは違うわけです。ユーザー視点ですけど。
 バーゲンはあるべきだし、スーパーの特売や目玉商品はうれしいことですが、いつでもその値段になってしまうと、そのお店や会社で働く人たちの人件費を下げざるを得ない。

 その昔、とあるディスカウントショップ(になるのかな?)の社長が「自分がゴルフに行くと、社員が真似をするから行かない」と仰有っていて、とても違和感を覚えたことがありました。なぜ社員がゴルフに行くといけないのか、は説明されていませんでしたが。

 菅さんがデフレを認めたということは、対策フェーズに入るべきだという宣言とも考えられます。自動車が、電化製品が、といった「木」から見るのではなく「森」を見て考えていただきたい。そう感じた今日この頃です。

kumaboo

 天地人という大河ドラマが終わりました。あまり見ていなかったのですが、最終回は最初から最後まで見ました。その中で直江兼続が石田三成の遺言を受けた話がありました。それは「義」です。

 大義名分という言葉がありますが、何をもって「義」とするのか。今日(こんにち)において、「義」はどんどん揺らいでいるように感じます。
 一年ほど前から日本経済にリーマンショックの影響がおとづれ、大義と称していろいろな契約形態の人たちが職を失いました。ここ最近の話題は、事業仕分けです。この中にも、本当に中止していいものか、と議論され続けているものもあります。スーパーコンピューターもそのひとつ。

 僕が20代の頃にお世話になった方が仰有っていた言葉が印象的でした。

「正義っていうけれど、正義と正義がぶつかったらどうなるのか」

 確かに、正義と正義がぶつかることは往々にしてありますよね。どちらも、私利私欲だけではないこと。それは、正義と正義とぶつかりなのかもしれません。その当時、その方が仰有った言葉で、とても違和感を感じた言葉。

「勝った方が正義なんだよ」

 若造だった僕は、「勝った方が正義」であるなら、負けたほうはどうなるのか、と違和感を感じたものでした。
 今でも違和感を感じる面はあるものの、具体的な反論を持ち合わせていないのも事実です。違和感を感じたから、「それはおかしいと思う」と議論になったのも懐かしい話ですが、具体的に名案を持ち合わせているわけでもないのに、すぐに反論していたのは僕の悪いところだったのだと、今になって反省しています。

 「義」とはなにか。実は、そのときすぐに答えが出ないものなのかも知れません。どんなときにも、お互いをいたわり合いながら生きる。そういう生き方も必要なのではないか。兼続の最期を見ていて、そう感じた今日この頃です。

kumaboo

« 2009年11月22日

2009年11月23日の投稿

2009年11月24日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

大木 豊成

大木 豊成

スマートフォン法人導入コンサルティングのイシン株式会社 代表取締役。
著書に、iPad on Business、ソフトバンク流『超』速断の仕事術、ファシリテーターの道具箱(共著)がある。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
tooki
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ