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マーケティングとは? グローバル化とは? ライフワークとは? 一緒に考えてみましょう

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2011年12月25日 »

2011/12/23の日本経済新聞の記事「2012視点(1)新たなゲームの幕開け」で、カルロス・ゴーンさんのインタビュー記事が掲載されています。

日本のことをよく分かっている海外からのゴーンさんによる日本のよい点・これからの課題点のご指摘。参考になりましたのでご紹介させていただきます。

---(以下、引用)---

「震災の爪痕は大きかったが、回復も早かった。あれほどの被害にもかかわらず、日産の場合は9月末には再びフル生産できるまでになった。今回の復興を見て、なぜ日本が世界3位の経済大国なのか、私個人も納得できた気がする。人々は規律を守り、コミュニティー(共同体)のために献身的に努力する。お世辞ではなく、日本のパワーを世界に示したと思う」

(中略)

 ――ゲームに勝つには何が必要でしょう。
 「現場力や品質管理などに強みがある日本企業に必要なのは人材や考え方のダイバーシティ(多様性)だ。新市場を現地のパートナーと協力しながら開拓する。相手から学び、こちらも教える。成功体験に固執するのは良くない。日産のトップ100人のうち、日本人はおよそ60人で、残りは私をはじめ世界各地の出身者だ。組織のなかに多様性を定着させることが、日本企業や日本社会の課題ではないか」

---(以上、引用)---

現場や品質管理などの目標が与えられると圧倒的に強いのが日本。実行力はあります。

一方で課題は何をやるべきなのかを考えること。

ゴーンさんが「必要なのはダイバーシティ」「成功体験の固執しない」とおっしゃっているのは、過去の成功体験にこだわらずに、柔軟な発想ができる人材を組織の中に増やしていくことが必要である、との問題意識なのでしょう。

現在、日本が抱えてる問題の多くが、1950年代から1980年代の高度成長期の考え方の延長線上でやってきた点にあると思います。

しかし高度経済成長期からは状況は一変し、世の中はグローバル化し少子高齢化に進んでいます。

一部の先進国と多くの発展途上国(中産階級は数億人)という状況から、一部の成長停滞国と新興国(中産階級は30億人)になり、常に経済は拡大するという前提から、経済は縮小するという前提に変わっています。

一方で日本の社会全体は、いまだに高度経済成長期のパラダイムが至るところに残っているように思います。

過去の成功体験から脱却するための具体的な行動が、2012年にはいよいよ求められてくるのではないでしょうか?

 

 

nagai

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永井孝尚

永井孝尚

オフィス永井代表。 著書「100円のコーラを1000円で売る方法」シリーズ(中経出版)、他。

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