永井孝尚のMM21:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 永井孝尚のMM21

マーケティングとは? グローバル化とは? ライフワークとは? 一緒に考えてみましょう

« 2011年12月11日

2011年12月12日の投稿

2011年12月13日 »

一般的に、物量で劣る兵に対し、物量で勝る兵の方が、戦では強いと言われています。

しかし、2011/12/11の日本経済新聞の記事「イノベーション 成功の法則(3)「欠乏」「不足」が新機軸生む」で、改良し尽くされていると思われていたエンジン技術を非常に少人数のエンジニア陣で見直し、非ハイブリッド車ながらリッター30Kmを実現したマツダの低燃費エンジンの例が紹介されています。

---(以下、引用)---

なぜ人員や予算の潤沢な巨大企業ではなく、マツダのような中堅メーカーからイノベーションが生まれたのか。開発を指揮した人見光夫・執行役員パワートレイン開発本部長は「人が足りなかったからこそ突破口が見つかった」と逆説めいた言葉を口にする。

2000年代の初頭、技術者の多くは当時筆頭株主だった米フォード・モーターとの共同開発案件にかり出され、エンジンの独自開発に携わる人数はわずか20~30人にまで減少した。これは自動車開発の常識からすれば非常な少人数。例えば、某大手メーカーはハイブリッド機構の開発だけでも千人近いエンジニアを投入しているといわれる。

「たった数十人の組織ではあれもこれもできない。一方で欧州などで厳しい燃費規制が導入されるのは必至の情勢。エンジンの基本に立ち返って、一から考え直すことにした」と人見氏は振り返る。

注目したのは、圧縮比と呼ばれる基本要素の一つ。ガソリンエンジンの場合、圧縮比を高めれば燃費が良くなるのは分かっていたが、逆にノッキングと呼ばれる不具合が生じる。開発陣は燃焼効率を改善することで、この二律背反を克服し、展望を開いた。人見氏は「リッター40キロのエンジンも射程圏内。頂上からみれば、エンジン技術は五合目の段階。飛躍の余地はまだまだ大きい」という。

---(以上、引用)---

10日程前に、『「人が減ると、本当は不要だった仕事が見えてくる」という自分の体験』でも書かせていただいたとおり、人が減ることで、本質的なことに集中せざるを得なくなります。

マツダの低燃費エンジンの場合は、エンジンの基本に立ち返って、圧縮比に注目して燃費効率改善に集中し、このイノベーションを実現した、ということのようです。

寡兵で大軍と同じ戦いを行えば、必ず破れます。

寡兵で大軍に伍するためには、このように選択と集中が必要ということですね。

記事は、以下のように締めくくっています。

---(以下、引用)---

幸か不幸か今の日本は「不足」や「欠乏」にこと欠かない。冬場と夏場は電力が不足気味になり、少子高齢化で労働力も徐々に減っていく。だが、不足はイノベーションの母でもある。「不足」「欠乏」に独創的に立ち向かうところから、新たな出発が始まるだろう。

---(以上、引用)---

「課題がイノベーションを生む」ということを考えると、「課題先進国・日本」は、まさにイノベーションのネタの宝庫です。

視点を変えて掘り起こしてみると、実は様々な可能性が私たちの身近に眠っているのではないか、と記事を拝読して感じました。

 

 

nagai

« 2011年12月11日

2011年12月12日の投稿

2011年12月13日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

永井孝尚

永井孝尚

オフィス永井代表。 著書「100円のコーラを1000円で売る方法」シリーズ(中経出版)、他。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
最近のトラックバック
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
mm21
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ