永井孝尚のMM21:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 永井孝尚のMM21

マーケティングとは? グローバル化とは? ライフワークとは? 一緒に考えてみましょう

« 2010年4月4日

2010年4月5日の投稿

2010年4月6日 »

日本経済新聞は日曜日に書評を数ページに渡って紹介しています。

4/4(日)の書評特集「今を読み解く」のタイトルは「電子書籍が変える読書」。

米国でiPadが発売され、日本でも発売間近になり、電子書籍の本も目立ち始めてきました。

そんな中で、4冊の電子書籍関連本を紹介しています。

■石川幸憲著『キンドルの衝撃』(毎日新聞社)

冒頭のエピソードが興味深く思います。

---(以下、記事より引用)---

日本より一足先に電子書籍の普及が始まったアメリカのレポートである。「まえがき」にあるエピソードがショッキングだ。著者が知人宅を訪ねたときのこと。典型的な中流、リベラル、インテリである彼女の室内に、本や新聞が見あたらない。「最近、本を読んでいないの?」と聞くと、にっこり笑ってキンドルを指差したというのである。

---(以上、記事より引用)---

改めて自分の家にある本棚を見てみると、これが全部なくなることはなかなか想像できません。

しかし一方で、本と比べて使い勝手が格段によいKindleを触っていると、出先に何冊も重い本を持っていくよりも、1000冊以上入るKindleを1つもって出かける方がずっと楽だな、と実感します。

このようなことが積み重なった結果、もしかしたら10年後にはこのエピソードのようなシーンもよくある場面になるのかもしれません。

■前田塁の評論集『紙の本が亡(ほろ)びるとき?』(青土社)

以下はまったく同感です。

---(以下、記事より引用)---

本の電子化とは、たんにキンドルやiPadが紙の本にとってかわる、ということを意味するのではない。本の読み方が変わり、本の書かれ方が変わり、本そのものが変わっていくのである。

---(以上、記事より引用)---

「紙のメディア」という制約に基づく本の流通構造は、書籍のビジネス構造の基本的な部分に関わっています。

既にこのブログや他の方々が述べているような本の仕組みが大きな変化の多くは、この流通構造が電子化されることに起因して起こります。

それは、ある人には紙在庫リスクの消滅、ある人には参入障壁の消滅、といった形を取ったりするのでしょう。

■角川歴彦著『クラウド時代と〈クール革命〉』(角川oneテーマ21)

「出版文化だけでなく、情報産業全体、あるいは文化全般も電子化によって激変すると予言」としています。

例えば、今までなかなか本を出せなかったビジネスマンが、電子書籍で本を出せるようになるのは大きな変化だと思います。

しかし、意外としがらみを持っているビジネスマンも多いのが事実です。

例えば、色々な事情で実名ブログを書けない人達もいます。このような立場の人達は、電子書籍で出版の前に、乗り越えなければいけない障壁があるように思います。

電子書籍でも、変わる部分と変わらない部分があるということなのではないかと思います。

■港千尋著『書物の変』(せりか書房)

以下、記事からの引用です。

---(以下、記事より引用)---

書物がその誕生以来、常に変化し続けてきたことを指摘している。たとえばコピー機の普及が、書物のありかたをどう変えたか。「活字文化」というが、活字はとっくに印刷現場から姿を消している。ところが最近は活字の魅力に注目する人びとも現われている。

---(以上、記事より引用)---

確かに、電子書籍は今までの多くの変化の中の1つでしょう。

一方で、古いモノも見直されることもあります。

改めて、全体の大きな情報メディアの流れの中で、電子書籍がどのような位置付けなのかを考えていく必要があるのかもしれません。

nagai

« 2010年4月4日

2010年4月5日の投稿

2010年4月6日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

永井孝尚

永井孝尚

オフィス永井代表。 著書「100円のコーラを1000円で売る方法」シリーズ(中経出版)、他。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
最近のトラックバック
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
mm21
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ