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マーケティングとは? グローバル化とは? ライフワークとは? 一緒に考えてみましょう

« 2008年12月28日

2009年1月10日の投稿

2009年1月12日 »

ちょっと遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。今年も当ブログをよろしくお願いいたします。

年末から新年にかけて、色々な本を読んでいます。

その中の一つ。ブランド戦略の第一人者であるデービッド・アーカーが書いた"Spanning Silos: The New CMO Imperative"

タイトルを意訳すると「サイロを橋渡しせよ 新しいCMOの規範」といった感じです。

農産物を貯蔵する倉庫のことを「サイロ」と言います。よく北海道や米国の農村で見かけますね。

部門単位で人材やマネージメントを組織に閉じ込めて、他の組織と協業する意欲に乏しい部門縦割り組織を、「サイロ」という言葉で比喩することがよくあります。

この本では、「CMO(最高マーケティング責任者)の新しい役割は、全社的な視点でサイロ構造を打破し、橋渡しをすることである」と定義し、なぜ多くの企業でCMOが縦割り組織の橋渡しができないのか、橋渡しするためには何をすればよいのか、ということを、全世界40社のCMOにインタビューした結果をもとにまとめています。

このデービッド・アーカーのインタビュー記事で、この本のことを知り、興味を持ちました。

ただ残念ながら、邦訳版はまだ出ていません。

英語の本はどうも苦手で、日本語の本と比べて読むのがかなり遅くなってしまうので、買うのを躊躇していました。

しかし現在私が抱えていて解決したいと思っている問題意識にまさにピッタリです。

いかに部門同士で協業を深め、お客様に対する会社全体の価値を最大化するか、ということは、私がマーケティングの仕事を始めてから10年間、常に大きなテーマでした。

そこで、何らかのヒントが得られればと考え、購入してみました。

清水の舞台から飛び降りる覚悟(お金と言うよりも、読む時間的投資の観点で)で購入しましたが、読んでみると非常に具体的で参考になります。

それぞれの文章で書いてあることが自分の経験や現在抱えている問題に当てはまり、「それでは自分のケースでどのようにすればよいか」と考えながら読み進めることができます。対話的な読書というのはこのようなことを言うのでしょうね。この本と出会ってよかったと思います。

現在は全体の1/4程度を読んだところですが、参考になった点を意訳しながらまとめてみます。(尚、上記引用記事で既に紹介されている部分は割愛します)

---(以下、引用)----

■(p.34より)CMOの役割(引用記事に記述)を決定づける組織的要因は下記である

・CEOのコミットメントがあるか?
・マーケテイング部門の人材が優れているか?
・事業ビジョンが明確か?
・組織として危機感を持っているか?
・CMOに変革推進者の役割を与えているか?

■(p.52-55より) インテルのCEOであったアンディ・グローブは、ブランド戦略の大切さを本質的に理解していた。1990年代前半、ブランド・ストラテジストであるデニス・カーターと一緒に"Intel Inside"のキャンペーンを立ち上げた。この事例でCMOは「企業戦略のキャプテン」の役割を演じ、サイロである各部門が戦略を実行した。CEOの力なしでは、このようなブランドの成功事例は生まれ得なかった。

CMOがCEOの支援を得るためには、下記が必要。

・マーケティングを事業戦略の推進役として再構成する
・成果のメジャーメントを定める。具体的には、顧客の観点で強力なサイロ横断的な市場トラッキング・データを整備し、現在のマーケテイングプログラムを改善するための必要な実験的プログラムを開発する
・積極的にCレベルの経営層との同盟を図る
・マーケティング戦略やブランドビジョン策定にあたって、CEOの関与を図る

■(p.56-57より) 影響力を行使するにあたって最強の源は、顧客に関する知識である。セグメンテーション・スタディ、民族・地域的な研究、満足度調査、トラッキングデータ等、を整備して信頼を育んでいく。顧客に関する系統的な知識を蓄積することが極めて重要である。

■(p.62より)CMOの最優先項目の一つは、サイロ組織の責任者と対話し問題点について傾聴し学ぶこと。その際にサイロ組織の事業と全社マーケティングの関連づけることが必要である。もう一つの最優先項目は、個人的な関係を築くことである。実際、GoogleのCMOも「サイロの問題に対応するためには個人的な関係確立がカギ」と述べている。

■(p.64-67より) マーケティング・スタッフに必要なスキルは、

(1)下記のような知識

・マーケティングの方法論に関する知識
・ブランドに関する知識
・市場に関する知識
・製品・サービス・技術に関する知識
・組織に関する知識

(2)協業志向であること。特にサイロ志向組織の場合は重要

(3)説得力があること

(4)変革推進者であること

(5)多様な文化を受け入れられること

---(以上、引用)------

一つ一つは、経験などを通じて既に断片的に知識として持っているものではありますが、このように構造的に説明されるととても納得できます。

企業の中にある営業・技術・開発・サービス等の様々な組織の中で、事業戦略の観点で組織全体を横断的にまとめて統合するのはマーケティングにしかできません。

企業の競争力が、製品単体で提供できる価値から、企業全体がお客様に提供できる価値へと大きくシフトしている現代、マーケティングに求められる役割は大きいと思いますし、本書で提言されている内容は極めて大きい意義があると思います。

今後も折を見て本書の内容をフィードバックさせていただきます。

nagai

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永井孝尚

永井孝尚

オフィス永井代表。 著書「100円のコーラを1000円で売る方法」シリーズ(中経出版)、他。

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