永井孝尚のMM21:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 永井孝尚のMM21

マーケティングとは? グローバル化とは? ライフワークとは? 一緒に考えてみましょう

« 2008年2月21日

2008年2月25日の投稿

2008年2月26日 »

ここ数ヶ月間の日本経済新聞の社説は、地球温暖化に対する日本の取り組みに対して様々な提言を行っています。具体的な論拠に基づいて論じているので、説得力があります。

本日(2/25)の社説「低炭素社会への道-サミットへ向け日本の理念と政策を」では、ここ10年間日本で流布され続けていながら世界で通用しない「神話」を紹介しています。以下、要約しながら引用します。

---(以下、引用)---

■神話:京都議定書が日本にとって著しく不利だという根拠のないネガティブキャンペーン。安政以来の不平等条約、省エネが進んだ日本は乾いたタオルでもう絞れない、旧東欧を統合したEUは排出削減余地が大きく日本は不利、世界の排出量の40%をしめる米中が義務を負っていないから実効性がない……。

■事実1:京都議定書の親条約、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)は産業革命以来の累積排出量や現在の国民一人当たりの排出量を勘案し先進国と途上国は「共通だが差異ある責任」を果たすと決めている。京都議定書はその第一歩。全員参加の前の「お試し期間」として、まずは先進国が責任を果たす枠組みだから中国は義務を課されていない。それは日本を含む世界が合意したこと。米国は国益を理由に離脱。

■事実2:EU 8%/米国7%/日本6%という京都議定書の割り当ては本当に日本に不利なのか?6%のうち日本は森林が吸収する分として3.8%を認められ、海外での削減協力で1.6%まかなう。日本社会の実質削減目標はわずか0.6%。ドイツに認められた森林吸収はたった0.4%。省エネ大国を自称する日本に世界はちゃんと配慮している。

■事実3:日本がGDP当たりのCO2排出量が世界一低いのは家庭と運輸部門の排出が他の先進国より抜きんでて低いから。温暖な気候に加え、狭い家と国土が排出源単位を抑制している。オイルショック直後は文字通り世界一の省エネを誇っていた産業部門も、少し緩んだのか今は必ずしも世界一ではない。排出権取引を導入し、自然エネルギーの買い取り制度を強化したドイツは森林吸収分がわずか0.4%でも1990年比で20%近い排出削減を実現、経済成長も減速させていない。メルケル首相はこれで国際社会の信頼を得、昨年のハイリゲンダム・サミットで米国の交渉復帰と中印の参加を取り付けた。

---(以上、引用)---

日本の中で一方的にマスコミの情報に接していると、事実が見えにくくなり、比較的容易に事実を見誤ってしまいます。

このような時こそ、全体の空気に流されずに警鐘を鳴らし続けるマスコミの存在は貴重です。

また、我々も事実を積み重ねた情報に基づいて判断するようにありたいものです。

nagai

« 2008年2月21日

2008年2月25日の投稿

2008年2月26日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

永井孝尚

永井孝尚

オフィス永井代表。 著書「100円のコーラを1000円で売る方法」シリーズ(中経出版)、他。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
最近のトラックバック
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
mm21
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ