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矢澤宰という詩人がいます。

1944年生まれ。小学校2年生で難病を発病。

入院した14歳の時から日記を書き始め、翌年から詩作も開始。

限られた自らの命の短さを知り、精一杯生きて、1966年、21歳で永眠。

翌1967年、病院等の有志により、遺稿詩集「光る砂漠」が出版。

1972年、萩原英彦氏がこの詩をもとに「光る砂漠」という非常に美しい合唱曲を残しています。その萩原英彦氏も2001年に永眠しました。

 

「矢澤宰の世界」というサイトでは、彼の生き様や、7年間の日記や詩に接することができます。

14歳から死の直前まで綴られた日記を読みました。

死の直前の最後の日記には、

私の命の真の目的は何であったか。生きることである。…

という言葉を残しています。

本来は手段である「自分探し」そのものが目的化してしまってる現代を見て、矢澤宰はなんと言うでしょうか?

日記全編を読んで胸がしめつけられる思いがするとともに、宗教や政治、ケネディ暗殺に対する洞察、恋愛感情に対する葛藤等を読むと、「人間は、短い期間でここまで成長し成熟できるものなのか!?」、と驚きます。

短く苦しいながらも、濃密な人生だったのでしょう。

 

矢澤宰の詩は鮮烈で洗練され美しいものです。

恐らく、彼の才能の産物ではなく、覚悟の産物なのでしょう。

 

ただ、矢澤宰の人生に接して、同情したり共感したりするのは、なんか、ちょっと違うかなぁ、という気がします。

どこか他人事であり、「かわいそう。でも、自分は別」、というかすかな傲慢さを感じてしまいます。

 

「矢澤宰自身は、実は自分自身なのだ」と気付くことが大切なのではないでしょうか?

 

考えてみれば、「限られた命」というのは、矢澤宰だけのことではありません。

必ず死が訪れる、全ての我々のことでもあります。

恐らくこれから100年後の2108年には、現在社会人になっている人は、自分やこのブログを読んでいる貴方も含めて、誰も生きていないでしょう。

お迎えが訪れるのは、もしかしたら50年後の2058年かもしれないし、30年後の2038年かもしれないし、または3年後の2011年かもしれません。あるいは今年2008年の可能性だってあります。

いつなのかは、現時点では誰も分かりません。

 

しかし、一つだけ確実に言えるのは、それはいつか確実に訪れる、ということ。

いつか確実に訪れるのが真実なのであれば、我々は矢澤宰のように覚悟をもって生きられない理由は何もない筈です。

矢澤宰の世界に接し、矢澤宰のような濃密な人生を生きられないのは、単なる言い訳に過ぎないのかもしれない、との思いをあらたにしました。

nagai

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永井孝尚

永井孝尚

オフィス永井代表。 著書「100円のコーラを1000円で売る方法」シリーズ(中経出版)、他。

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