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マーケティングとは? グローバル化とは? ライフワークとは? 一緒に考えてみましょう

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2008年1月22日の投稿

2008年1月23日 »

「日本は世界で最も進んだ省エネ先進国。他国が追従できないダントツのこの分野で、日本は世界に貢献できる」と思っている人は多いと思います。

私自身もこのように信じていました。

しかし、世の中一般に言われていることが本当に真実なのか、改めて事実に基づいてよく考えてみることは重要です。

最近の日本経済新聞・社説では、日本の省エネ大国論に対する疑問を何回か取り上げています。

昨日(1/21)の社説でも、下記のような指摘がありました。

---(以下、引用)---

世界に冠たる省エネ大国、省エネ技術ナンバーワンなどと、半ば枕ことばのように使われ、日本の産業が世界一の環境技術や効率を達成しているようにいわれているが、その前提は確かなのだろうか。

結論から言うと、1970, 80年代は日本は他の先進国を圧倒する省エネ大国だったが、その後エネルギー需給がゆるんだことで省エネの手もゆるんだのか、炭素税や気候変動税を導入した欧州勢に追いつかれつつある。生産量当たりのエネルギー消費では、鉄鋼などでは英独仏にすでに抜かれ、製紙ではドイツに大きく水をあけられている。

日本が国内総生産当たりの二酸化炭素排出量が世界最少のレベルにあるのは、他の先進国に比べて排出が1/3程度と少ない家庭と、極めて効率的な運輸部門のたまものである。手狭な住宅と満員電車と温暖な気候のなせる業ともいえなくもない。

---(以下、引用)---

さらに、1月3日の日本経済新聞の記事「単位当たりCO2削減、日本、ペース鈍る、内閣府分析、独などに見劣り」では、政府の調査結果として、上記を数字で裏付けています。

---(以下、引用)---

日本のCO2の排出削減ペースが世界的に見て緩やかなことが内閣府の分析で分かった。

世界の主要国について、物価水準を調整した購買力平価ベースのGDPを算出。このGDP百万ドルに対するCO2の排出量を75年から2004年まで内閣府が算出した。

.....75年の排出量は日本が539トン、米国は1061トン、ドイツは843トン。2004年までに日本は31%減らしたものの、米国は48%、ドイツは54%削減した。

この結果、2004年の百万ドル当たりのCO2排出量は日本が371トン、ドイツが387トンでほぼ同じ水準になっている。....日本は85年に400トンを下回ってから削減のスピードは上がっていない。

日本はCO2など温暖化ガスの総排出量が、京都議定書における削減目標の基準年である1990年度と比べて2006年度は6.4%増えた。国内の経済界では「日本の排出量は1990年と比べ増えているが、使用効率は高く一単位当たりの排出量は少ない」との主張が一般的。だが、使用効率で海外の先進国が並び始めている。

....内閣府の分析で削減が頭打ちの先進国は日本だけ。政府は新エネルギーの普及など抜本的な対策を迫られる。

---(以上、引用)-----

マスコミでは、よく「米国や中国の排出量と比較して日本の省エネが進んでいる」という論調が見受けられます。

しかし、日本がここ20年間なかなか進捗しない間に、ドイツ等のヨーロッパ諸国は急速にキャッチアップしているのですね。

一方で、1月13日の日本経済新聞「中外時評 世界に通じぬご都合主義―内向き環境大国は影薄く」では、さらに踏み込んだ指摘を行っています。

---(以下、引用)---

地球温暖化防止の国際交渉は、ことし胸突き八丁にさしかかる。....この分野で日本の存在感が限りなく希薄なのも確かだ。

日本経団連は政府による枠の設定を拒否し、排出権取引にも反対し、自主行動計画を主張する。しかし、業界団体ごとに基準のはっきりしない目標がつくられていく様は、政府による枠の設定よりずっと不透明で不合理に映る。「日本的な談合ですか」。海外の環境NPOの観察はけっこう鋭い。

京都議定書は米国の離脱を承知の上で、国権の最高機関たる国会が衆参両院で、満場一致で批准承認した。それを行政庁が、欠陥品だの安政以来の不平等条約だのとおとしめ、立ち枯れを望むということは、国の統治にかかわる大問題ともいえる。変わらないための内向きのご都合主義的言い訳は、日本の国際的信用をもおとしめている。

---(以上、引用)-----

日本の中小企業が持つ環境技術には、環境ビジネスに力を入れる米GEが「宝の山だ」と言う程ですし、日本の自動車メーカーも燃料電池自動車を開発する等、技術競争を先導しています。

産業部門の最大の排出源である製鉄所でも、2030年を実用化目標として、CO2のかわりに水を排出する水素還元という画期的な製法を開発中です。

どうも、それぞれ企業が頑張って開発している要素技術は素晴らしい一方で、英国が1997年にアイディアを練った環境税や排出権取引の仕組みを考え出したり、国や世界全体でレベルで全体最適化するような大きな構想を作るのは、うまくいっていないようです。

1997年の京都議定書で、日本は「2000年には温室効果ガスの排出量を1990年と同レベルに抑え、さらに2008年から2012年の間に1990年から6%削減する」と公約しましたが、達成は危ぶまれています。

それどころか、記事にもあるように、最近になって「そもそも1990年時点で日本は世界で最先端の省エネを達成していたので、この約束自体フェアでない」という意見も出始めている状況です。

一旦、国として合意済のことを、今になって「あれはおかしい」と言うこと自体、何か変な動きになっているように思えてなりません。

 

慢心は失敗の大きな原因になります。

まずは厳しい現実を素直に受け入れ、リアルな状況を客観的に観察できないと、感情論や空気で非論理的にモノゴトが決められるようになります。

これは過去、日本が破綻したパターンでもあります。

 

現在、日本が環境技術でトップ・グループにいることは間違いないことだと思います。

しかし総合力で考えると、必ずしもダントツな省エネ大国ではなく、各国もそれぞれ真剣に取り組んでおり、既に並ばれているのだ、ということを、まずは我々国民全体が認識する必要があるのではないでしょうか?

nagai

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永井孝尚

オフィス永井代表。 著書「100円のコーラを1000円で売る方法」シリーズ(中経出版)、他。

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