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マーケティングとは? グローバル化とは? ライフワークとは? 一緒に考えてみましょう

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2007年6月8日の投稿

2007年6月10日 »

日本女子大と日本大学の調査によると、「死んだ人間が生き返ることがありますか」という質問に対して、小学生の3割は「ある」と答えたそうです。

「死」というものが実感できないためでしょうか? 考えさせられる結果ですね。

私が「死」を初めて実感したのは、3歳の時に家で飼っていた、大のお気に入りだったジュウシマツが死に、冷たく固くなり動かなくなった時でした。

家の庭にお墓を作って埋めながら、「生き物は死んだら元に戻らない」ということを実感しました。

生きていると色々なことがあります。

理不尽な目にあったり、苦しかったり、悩んだり、....。

一方で、楽しいことも沢山あります。

しかし、楽しいと思うか、苦しいと思うかは、自分の気持ちの問題です。

理不尽な目にあったり苦しかったりする状況は、見方を変えると、自分を鍛える修練の場と考えることも出来ます。

でも、一度死んでしまったら、このようなこともできないのです。

そしてその日は、残念ながら必ずやってきます。

過去の全ての人達は、一人残らず、その日を迎えています。

ゲームのように、「スイッチを押すと、生き返ってやり直せる」ということは、残念ながら絶対ありません。

そして、その日はいつやってくるかわかりません。

明日かもしれません。

もし明日、その日がやってくると思えば、私達は、今日という日をよりよく生きようとするのではないでしょうか?

もし30日後だったら....同じく今日から30日間、よりよく生きようとするでしょう。

1年後だったら....30年後だったら....。

実は本質は何も変わっていないように思います。

それであれば、今日という日をよりよく生きたいものです。

今をよりよく生きるためには、死を意識することは、必要なのではないでしょうか?

nagai

日刊工業新聞の連載「リスク管理」では、様々なリスクを分析していますが、6月6日は「都市化と長時間通勤」がテーマでした。

---(以下、引用)---

●長時間勤務と日本特有の長時間労働で、働く女性に家事や育児の労働の負担が重くのしかかり、少子化や家庭崩壊を生むリスクがある

●また、「夕食」ならぬ「夜食」しか食べられない男性をもつ家庭では、夫婦のすれ違いによる不和や離婚のリスクがある

●国土交通省の大都市交通センサスによると東京圏では片道90分以上を要する通勤・通学者の割合は20%近い。NHK国民生活時間調査をみても、東京圏は地方圏よりも平均30分程度長い。

●週に50時間以上労働する割合は、フランス5.7%、スウェーデン1.9%等ヨーロッパ諸国が5%前後に止まっているのに対して、日本では28.1% (国際労働機関(ILO)の国際比較調査2004年より)

●午後6時までに帰宅している男性の割合がスウェーデンでは70.9%に対して日本では6.8%。午後8時以降の帰宅が6割以上。(2005年の内閣府調査結果)

●都市の外延化傾向は変わらないが、新線の開通、相互乗り入れなどにより通勤の長時間化には歯止めが出てきた。また、フレックス制などの採用により、空いた時間での通勤が可能になっている。

●往復の通勤時間を労働持間に充当できる環境(走るビジネス列車など)の提供が望まれるとともに、企業も裁量労働制の導入などを行い、長時間通勤と生活の調和を図り、豊かな家庭生活を再構築する努力や工夫を支援すべきだろう

---(以上、引用)---

数字で比較すると、東京圏の通勤時間の長さと、日本の長時間労働の様子が改めてよく分かります。

「午後6時までに帰宅している男性は70%」というスェーデンの家庭環境、日本とは全く違う状況なのでしょうね。

長い通勤時間を活用して仕事を行えるようにする提案。現在の満員電車では難しい課題ですが、より幅広いフレックスタイム導入と技術の組み合わせを行うことで対応可能なのではないでしょうか? 在宅勤務も、長時間通勤が社会リスクになっている日本でこそ必要性が高いのではないかと思います。

一方で、ますます厳しくなる競争環境の中、行うべきこととやらないことを明確に決め、フォーカスを絞り、しっかりとした企業戦略を立てることが、最終的には企業の競争力維持と豊かな家庭環境構築の両立に繋がってくると思います。

これらの解決策を社会全体で進めるためには、「長時間労働と長時間勤務は、社会全体で見ると大きなリスクである」「豊かな家庭環境の構築が企業の競争力向上に繋がる」という社会的なコンセンサスが広がる必要があるのではないでしょうか?


キーワード記事*

通勤時間労働時間

nagai

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オフィス永井代表。 著書「100円のコーラを1000円で売る方法」シリーズ(中経出版)、他。

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