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このブログでも何回かご紹介しているように、市場調査で未来を予測するのは大変困難です。
現代では市場の変化がますます激しくなっているため、未来は現在の延長線上にはないためです。
そんな中で、未来を確実に予測できる数少ない要因があります。
それは人口動態です。
既に生まれている人達の年齢別人口分布は一定でほぼ変わりません。
生まれていきなり10歳とか20歳になることもなく、従って、急にある年代の人が増加するということもありません。
人口動態が変わる可能性があるとすれば、第二次大戦のようにある年代の層が戦死等で減少してしまうことですが、現代ではそのような要因は極めて少なくなっています。但し、疫病の流行で人口動態が変わる可能性はあるかもしれませんが。
ということで、国別の長期的な市場戦略を考える場合は、国別の人口動態情報は非常に重要なデータとなります。
例えば、一昨日(5/14)の日本経済新聞で、中国とインドの人口動態推計の記事が掲載されています。ここに掲載されている図を見ると、中国とインドの違いがよく分かります。
中国の人口ピラミッドは日本に近い形になっており、将来的には人口の伸びも止まり、日本同様の少子高齢化が20年遅れで急速に進むことがほぼ確実に予測できます。
従って例えば、日本で実績を挙げたシニア・ビジネスを中国版に焼き直し、巨大なシニア・ビジネス市場を日本企業で押さえる、というシナリオは現実性を持ってきます。
一方でインドはきれいなピラミッド型になっています。世界銀行によると、インドの人口は2025年には中国を抜き、2050年には16億5000万人を超え、なおピラミッド型の構成を維持するとのことです。
従って、インドをこれから数十年後も引き続き若い労働力を供給してくれる市場として捉えて、投資していくシナリオが考えられます。
世界の様々な国を、人口動態の観点で整理してみると、新しい視点が描けるのではないでしょうか?
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