永井孝尚のMM21:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 永井孝尚のMM21

マーケティングとは? グローバル化とは? ライフワークとは? 一緒に考えてみましょう

« 2007年1月31日

2007年2月1日の投稿

2007年2月2日 »

Harvard Business Review 2007年2月号では「戦略論の原点」という特集を組んでいます。

この中で、大前研一氏の「競争は戦略の目的ではない」という論文が掲載されています。1988年の論文ですが、Harvard Business Review本誌に掲載され、今まで邦訳されていなかったそうで、日本語で世の中に出るのは初めてだそうです。

20年近く前の論文ですが、今読んでも説得力があります。以下、引用します。

「ライバルに勝つ」という目標は、行動方針や業績評価指標を設定するうえでは説得力がある。しかし、その考え方がそもそも間違っているのである。

....ライバルに勝つことだけに血眼になると、戦略は相手の出方次第でくるくる変わることになる。

....相手の一挙手一投足に反応する行動様式が常態化していく。

確かに競争の激しい市場では、常に競争相手の動きが気になります。しかし、戦略の軸足を競争相手に置くと、戦略は状況によりクルクル変わってしまう訳で、首尾一貫性を失う可能性もあります。

戦略プランニングにおいて競合他社の存在を考慮するのは当たり前だが、必ずしも最優先事項ではない。まず考えるべきは「顧客ニーズ」である。

....戦略は顧客第一主義に基づいて立案されなければならない。そして、ライバルを相手にその成否を試すのだ。ライバルに対抗する戦略を全面的に否定するわけではないが、それだけでは受け身になる。ライバルとの勝負は、戦略を立案した後で考えればよい。最優先すべきは、顧客価値を創出する戦略なのだ。

この点は重要な指摘だと思います。バリュー・プロポジションも、このような視点で考えていくと、わかりやすいかもしれません。

また、マイケル・ポーターも、「競争の戦略」で「既存企業同士のポジション争い」だけでなく、他に4つの要因「サプライヤーの交渉力」「顧客の交渉力」「新規参入の脅威」「代替製品や代替サービスの脅威」を考えるべし、と述べています。

ライバルばかり見ていると、自分を見失ってしまう危険性があります。

当たり前のことですが、ライバルのことよりも、お客様に対して我々は何が出来るか、まず最初に考えるようにしたいものです。

nagai

« 2007年1月31日

2007年2月1日の投稿

2007年2月2日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

永井孝尚

永井孝尚

オフィス永井代表。 著書「100円のコーラを1000円で売る方法」シリーズ(中経出版)、他。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
最近のトラックバック
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
mm21
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ