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マーケティングとは? グローバル化とは? ライフワークとは? 一緒に考えてみましょう

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2006年10月6日 »

昨年8月に立ち上げた合唱団が、設立1年を迎えて団員40名を超える規模になりました。

数名のメンバーで始めた頃は、練習後に全員で集まり話し合いで全てを決めて進めていく方法でうまくいってました。

しかし、団員数が20名を超えた今年2月頃から全員集まるのが難しくなりました。そこで運営幹部を決めて団員から運営を委託されて運営するようになりました。

しばらくこれで回っていたのですが、団員数が40名を超えた8月頃からこの方法でも団員全員をまとめるのが難しくなってきました。そこで、団則を決めることにしました。

ということで、先週合唱団で総会を行い、団則を定めました。団則の前文で基本的な考え方や行動指針を示し、個別条文で最低限のルール(会計基準、入団・休団・退団規則、練習・演奏会参加規則、団則変更規則、等)を決めました。今後はこの団則を基本に、適宜判断しながら合唱団を運営していくことになります。

しかし、本当は団則はなくても、団員全員で価値観を共有して不文律でモノゴトが決まる方がよいのですよね。あまり規則は増やしたくないですし。

実際、他の合唱団にいた方の意見も聞きましたが、ここまでキッチリと団則を決めている合唱団はほとんどないようです。しかし人数が急増している現状では、理念を共有する意味でも必要だったのかな、と思っています。

ここ数週間、このようなことを考えていたのですが、大前研一氏が書いた記事「親王誕生フィーバーで見えた日本人のいい加減さ」で、ふと思うことがありました。

大前氏は、「わたしは元々、法令で定める天皇制度反対論者である。....天皇は法律の外に置かれる存在だといのうが『新・国富論』(講談社)以来のわたしの基本的な考えだ。」と断った上で、皇室典範の改正について意見を述べています。以下、引用します。

---以下、引用----

  • 「最終答申がまとめられ、国会で法律として通そうというときに、国会での議論の最中に一つのメモが入れられて、懐妊の一報が飛び込んできて」
  • 「急に議論が下火になり」
  • 「『どうも男子らしいぞ』という話が出てくると、今度は、議論が出せなくなった。」
  • 「それなのに親王さま誕生というニュースとともに、それまでの話がゼロになってしまう。その理由が、「たまたま親王さまが生まれたから」でいいのか。」
  • 「国民も、いつのまにか親王さまは継承順位3位というムードになっている。『これでよかった』と言っている国民がほとんどだ。懐妊のニュースが流れるまでは、「愛子さまが天皇になってなぜ悪い?」というのが国民の意見だっただろう。それが、いきなり「男子が生まれて、ああ、よかった」という雰囲気に流れている。」
  • 「こういうことが、政局の運営、政治の都合で平気で行なわれていいのだろうか。」
  • 「そうした場当たり主義的な展開がマスコミなども含めて普通に行なわれるのが、今の日本なのである。....まったく出たとこ勝負、ということである。」
  • 「この半年間を見て明らかになった日本の曖昧な体質、ムードだけで進んでいく体質は、どこかで修正する必要がある。」

---以上、引用----

皇室典範改正が見送られた当初、私も同じことを考えていましたが、最近は少し違う考え方もしています。

日本では、モノゴトがルールはなく、状況(=空気)で決められていきます。このように状況でモノゴトが決まる際には、この背後でハイコンテキスト・コミュニケーションが行われています。これは社会が空気を共有しているから出来ることです。

ルールでモノゴトが動く世界、言い換えればローコンテキスト・コミュニケーションの世界では、これがなかなか実現できません。多くの移民から構成された建国230年の若い国、米国はまさにその典型です。

状況でモノゴトが決まるということは、状況により柔軟に対応できる反面、首尾一貫性がなくコンセンサスを得るのにコストと時間が膨大にかかってしまいます。場合によっては、議論しているうちに時間切れ、ということもあります。

余力があれば、本来は状況に応じて判断できる方が柔軟性があり望ましいのかもしれません。しかし、世の中が急激に変化するようになった現代で、一貫性を持ってタイムリーに対応するためには、ある程度の最低限度のルールは必要です。

今回、団員の仲間と話しながら団則を制定する際に、「状況により判断でき」かつ「規則である程度決めておく」ことのバランスの重要性を感じました。

さて、大前氏は、

  • 「仮に、継承順位1位~4位の人たちに万が一のことがあったら、いったいどうするつもりなのか。」

とも言っています。

恐らくこのような状況に陥った場合、また日本社会は膨大な時間とコストをかけて議論が行われることなのでしょう。

これはいいことなのでしょうか?悪いことなのでしょうか?

ハイコンテキスト社会の日本では、一概に言うことは難しそうですが、個人的には緊急事態に対応するためにも、最低限の規則は作っておいた方がよいのではないかと思っています。

nagai

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永井孝尚

永井孝尚

オフィス永井代表。 著書「100円のコーラを1000円で売る方法」シリーズ(中経出版)、他。

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