永井孝尚のMM21:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 永井孝尚のMM21

マーケティングとは? グローバル化とは? ライフワークとは? 一緒に考えてみましょう

« 2006年5月11日

2006年5月12日の投稿

2006年5月14日 »

今回も日経ネタですが、本日(5/12)の日本経済新聞朝刊の特集「消費をつかむ 人気商品は安くなる」で、人気機種で高スペックの商品が、あまり人気がなくスペックも低い商品よりも安くなっている現象が紹介されています。

例えば、液晶テレビでは、32型の価格が一部量販店で画面サイズの小さな26型を下回っています。「32型は26型の10倍売れる」という家電量販店のバイヤーの話も紹介されています。

ちょっとおかしな現象ですね。どうなっているのでしょうか?

この記事では、ネットにより消費者が価格情報に詳しくなったことを理由に上げています。

価格に関して、経済学でいう「情報の非対称性」がなくなったということです。

つまり、従来は供給者の方がより多くの情報を持っていて価格支配力があったのに対して、今は消費者も多くの情報を持ち最安値の店を知っているために、供給者の価格支配力がなくなった、ということです。

しかし、これだけの理由では、短期的に需要が高まると品薄状態が発生するのに、価格が安くなる状態を十分説明できていません。

ということで、以下は私の仮説です。

従来、このようなケースでは、短期間で見れば供給は一定のため品薄になるのでプレミアム価格がつきます。

この前提が変わったということではないでしょうか?

商品寿命が短くなっている現代では、欠品による機会損失の発生はビジネス的に非常にインパクトが大きいために、最小限に抑える必要があります。

そこで現在、多くのメーカーでは、需要変化に対し供給をダイナミックに変更できる体制を構築しつつあります。

これにより、人気商品が沢山売れてもオンデマンドで商品が供給されることにより品薄になるケースを回避できます。

需要供給曲線で言えば、供給曲線そのものを非常に短期間でオンデマンドに上下にシフトできるようになり、均衡点を定め均衡価格と均衡数量を実現できるようになった、ということです。

このように考えれば、人気商品が安くなるのは、まさに経済学の原則に合った現象である、ということになります。従来の前提との違いは、供給が需要を満たせない期間が非常に短くなっているという点です。

このためには生産を需要変化にダイナミックに対応できる必要がありますし、採算割れを起こすケースの場合は早めに察知し、場合によっては市場撤退の判断ができるような仕組みが必要になります。

ということで、生産・供給・販売・マーケティングのプロセス全体を繋げて、その上で全体で経営判断できる仕組み構築の必要性がますます高まってきています。

nagai

« 2006年5月11日

2006年5月12日の投稿

2006年5月14日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

永井孝尚

永井孝尚

オフィス永井代表。 著書「100円のコーラを1000円で売る方法」シリーズ(中経出版)、他。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
最近のトラックバック
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
mm21
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ