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昨日も書いたけど企業内でのSaaS(クラウド)利用が増えている。この変化の激しい時代には、システム導入までの時間を節約できるSaaS(クラウド)はとても便利だ。
しかしSaaSを初めとする外部クラウドの活用に踏み切るということはその業務の生殺与奪権を他社に譲り渡すと言う事だけは覚えておいた方が良い。具体的に言うと「すいません、Googleがメールサーバを止めているのでお問い合わせのメールを読めません。復旧してからにしてください」「大変申し訳ないのですがSFAのサーバが遅延していますので、今お客様のご注文をお受けすることはできません。他へ発注して下さい」という状態に陥りかねないということだ。システムサーバの委託先のSaaSベンダーだけでなくその間を繋ぐ通信事業者のトラブルだって想定される。
もちろんトラブルは自社運営でも起こりえる。しかし自社運営の時に比較してSaaS(クラウド)環境下でのトラブルは突然やってきて予測しづらい。また原因や回復見込みなどの情報もなかなか伝わってこない情報不足な状況にもなりやすい。
先般某組織のIT部門に新しく外部からやって来た人と話をしたときに「とにかくSaaSだ。すぐ使えるサービスは無いか?」と聞かれた。どうやら周りの人がSaaS(クラウド)を採用して、いきなり結果を出してさらにはマスコミにも取り上げてもらったのを横で見て、あわよくば2匹目のドジョウを、ということらしい。はっきり言って本末転倒だ。こういうのも誤った成果主義導入の弊害なのだろう。
話を元に戻すが、SaaS(クラウド)を使う企業は先に挙げたようなトラブルなどのリスクについて十分に検討するべきだ。他社に一部とはいえ業務の主立った部分を依存するからにはこうしたイザというときへの備えもきちんとやらないとだめだ。リスクを洗い出してBCP(事業継続計画)などに反映してさらにそれが本当に実行できるかのシミュレーションや訓練を繰り返す。
そういえば損害保険ジャパンがこの9月18日に大々的に大規模地震を想定してBCPの予行練習をするというニュースが月曜日に日経新聞に出ていた。既に五洋建設や鹿島建設が9月に入ってBCP訓練を実施している。素晴らしい。損害ジャパンと言えば先日のクラウドフォースの基調講演にIT部門の責任者が登壇するほどのSaaS活用先進企業だが、先進企業では単なるスピードアップや初期コスト削減にSaaSを使うだけでなくこうしてトータル的に取り組みを始めている。これから考える企業は手本にするべきだろう。
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