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 週刊エコノミストの1/20号に宮田加久子先生の「学者が斬る/ネット社会で高まる「クチコミ効果」」という面白そうな記事が載っていたので入手して読んでみた。

 ネット時代のクチコミに関してスノーボールサンプリング法で調査をした結果として、消費者を情報環境から3類型に分けていた。それによるとネット経由の情報接触が中心でマスコミ接触が低いネット駆動型は35%でその逆のマス広告接触が主体の受動型の29%を上回っている。最近既存の広告メディアの不調が伝えられているがそれを裏付けるような数字だ。この受動型の人は新聞広告やインターネット広告で得た情報を他人に積極的に伝えるのにテレビ広告で得た情報は伝えていない可能性も提示されているが、すると一時期流行ったテレビとネットの連携による「後で検索」よりは新聞紙面の「詳しくはネットで」のほうが効果が高いということになるのだろうか。

 この記事で一番面白かったのは、ネットで積極的に情報発信を行い他人への影響力を持つリーダーにもタイプがあるという話。特定の商品・サービスの分野に限定した商品知識が豊かで他の消費者が購買するように説得するという影響力がある「オピニオンリーダー」と特定の商品・サービスに特化せずに多様な領域に関心を持って積極的に情報発信を行う「市場の達人」に分けられ、「市場の達人」は商品・サービスの購買自体はそれほど積極的ではなく単に情報を積極的に人に伝えることを楽しむらしい。そして全体の1割ほどの「オピニオンリーダー」と「市場の達人」の両方の特性を持つ人もいるとのこと。

 「市場の達人」はマーケットメイブンの日本語訳とのことだ。メイブンは知っていたが「市場の達人」は聞き慣れない言葉だったので早速ググってみると池田謙一先生の記事にたどり着いた。そこでは「オピニオンリーダー」と「市場の達人」の違いについて以下のように述べられている。

 オピニオンリーダーは、情報の使い方が狭くて、自分で使ってみたり、試してみて、確信を持たないと人に薦めない人たちです。自分の発言に責任を持っていて、自分がいいと思わないと情報を人に流さない。人から聞かれたら教えるけれども、聞かれるまで待っているタイプです。ところが、市場の達人は、「おもしろい」「こんな商品が出ている」「こんなうわさを聞いた」ということを極端に言えば無責任に人にしゃべる。その彼らの情報源は何かといったら、マスコミを活用していることが多い。

 なるほど、私が日々巡回するブロゴスフィアやTwitterには情報発信を積極的に行う人がいっぱいいるけど、「オピニオンリーダー」と「市場の達人」に分けて見ないといけないのか。頭に浮かぶ各人をそれぞれどっちなのだろうかとか考えてみた(笑)

 さらにここに読売ADリポートには

 オピニオンリーダーは、パーソナリティーなのか、置かれた場所によって決まるのかということが最近、研究者の間では話題になっています。結論から言うと、置かれた場所によってオピニオンリーダーは決まる。自分の位置を集団の外側と内側の間に置いている人にいろいろな情報が集まり、そういう人が集団に対しては新しい情報を伝えたり、推奨する立場に置かれ、リーダーになる。今は、そう考えられています。

 というちょっと衝撃的な話も載っていた。ソーシャルメディアなどのネット上の場を使ってマーケティングを行う場合によく影響力のあるオピニオンリーダーをいかに集めるかがポイントだとか言われるが、既に名前の売れたアルファブロガーを呼んできて記事を書かせるような集める発想ではなく育てる意識を強く持つ必要があるということか。

 最近ソーシャルメディアの活用法についてよく考えるのだが、池田先生はおかれる場所と書かれているがオピニオンリーダーになりやすい場作りや雰囲気作りについても一度じっくり考えてみたい。宮田先生の記事によると池田先生との共著である「ネットが変える消費者行動」にもっと詳しい調査結果や解説があるらしい。さっそく購入して読んでみたいと思う。

yoi

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吉川 日出行

吉川 日出行

みずほ情報総研勤務。情報共有や情報活用を主テーマにコンサルティングや新ビジネスモデルの開発に携わっている。

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