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2009年1月7日 » |
昨日はインターネットなどの一般というかマスの分野について書いたので今日は本業のエンタープライズ(企業内)でのナレッジマネジメントの分野の予想を書いてみる。
eラーニング再燃
ズバリ今年はeラーニングに再注目が集まるのではないかと思っている。世の中は再度不景気になりシステムをはじめとする設備投資は減少傾向にあるが、実は不景気な時には人材に注目が集まり企業内教育などが見直されることは多いのだ。不況で従業員の本業に費やす時間が余るからかも知れないがその分を使って改善だとか教育だとかに取り組み始める大企業は多い。
だから再度eラーニングツールのマーケットが活性化すると予想する。再度と書いたがeラーニングについては数年前に一度ブームが起きていくつかのベンチャーの勃興とともに市場が建ち上がったことがある。実はナレッジマネジメントの分野というのは既にある程度こなれてきていて、ここ最近本当に新しいコンセプトが出てくることはあまりなく、過去に出たコンセプトが数年おきに繰り返す傾向にある。この前の社内SNSなんてのは昔のフォーラム&掲示板ブームの再燃だし昨年までブームだったエンタープライズサーチは古くは検索エンジンと呼ばれ3回目のブームだ。前回のeラーニングブームから数年が経過したのでそろそろではないかと見ているのだ。
再燃といってももちろん前と同じ形ではない。当然今時の技術や背景にあわせてコンテンツのマルチメディア化や学習過程にソーシャル機能を取り込んだ新しいeラーニングが登場するだろう。
メールやイントラネットのSaaS化が始りそう
SFDC(セールスフォース・ドットコム)の努力によってSaaSモデルは日本の企業へもかなり浸透しはじめた。但し適用業務分野までみると未だにSaaS=CRMという構図だ。NetsuiteなどのERP系のSaaSも進出してきているしSFDCもPaaSとかForce.comとかいろんな事を言い出して頑張っているがはたしてSaaSモデルの採用はさらに増えるのだろうか。
これについては私はCRM以外の業務アプリケーションへの展開はもうちょっと先になると予想している。基幹系業務システムにSaaSモデルを採用するには、信頼性やリスクの可視化の面でまだまだクリアしないといけない事が多すぎるからだ。
但し、情報系と言われるメールやスケジュール等のグループウェアのほうは2009年以降にSaaSモデルが急激に進む可能性があると思う。そう思う理由をいくつか箇条書きであげておく。
- 不況期に入りグループウェアなどの情報系システムの再構築に巨額の投資を行う余裕はない企業には月々の経費で処理できるSaaSモデルは魅力的にうつる
- 特にメールシステムについては、24H365Dの稼働と運用が求められ、情報システム部門にとっての負担が大きくアウトソーシングによるコスト削減効果がある
- 時代の変化に対応するために部門分離、合併、統合などの組織の統廃合が高速に進みそうだが、SaaSモデルであれば組織改編後に直ぐにメールやイントラネットを利用できるし、従量課金なので変更も容易
- グループウェア機能(特にメール)については、長い年月をかけてツールの成熟化が進み、各社独自の仕様が求められる部分が小さくなり共通機能の共用利用で十分対応可能になった
- 今年の第一四半期にマイクロソフトがグループウェア系SaaSの受け皿として本命視される「Exchange Online」と「SharePoint Online」の日本での販売を開始する
- 日本において圧倒的なシェアを誇ってきたNotes/Dominoが多くの企業で改修期を迎えつつあるが、今更IBM独自のNotesアーキテクチャーを採用するメリットは低いし、単純バージョンアップでも高コストという問題がある
ソーシャルブームは企業内へも浸透するか
昨日書いたソーシャルブームだが、この流れは果たして企業内へはどうか。
私は企業内の場合はソーシャルブームは若干限定的になると思っている。少なくともコミュニケーション系のソーシャルが日本の企業内ヘ浸透するのはもう数年先だろう。理由の一つは先ほど述べたように社内SNSブーム自体がつい最近起きたものでしばらくは沈静化する傾向にあること、もう一つはソーシャルの信頼性の低さである。Wikpediaなど以前よりは信頼性を高めた例はあるが残念ながら今のソーシャルの信頼性では、より堅牢性を求められる企業内ユースには耐えられない。
但しコンテンツの評価や選別といったカテゴリーでは企業内にもソーシャル的機能は浸透していくものと思われる。たとえばソーシャルブックマークの持つコンテンツの評価的な考え方は、未だに情報洪水が治水できない企業内での優れた情報選別に効果的だ。実際についこの間まで企業がこぞって導入したエンタープライズサーチでも、単純なキーワードマッチだけでは欲しい情報に辿りつけないことが判った今、“皆がアクセスしている”“自分と似た人が良く検索結果として選んでいる“などのソーシャル的支援機能の実装期待は高まっている。以前提唱されたKnowWhoというコンセプトなどとあわせてコンテンツ評価にソーシャル要素を加味する新しいアルゴリズムが考案されることを期待している。
先ほどあげたeラーニングでも“以前に同じコースと学習した人からのアドバイス”や“皆が躓いたり興味を持つ単元などを集計して明確化する”といったソーシャル機能の実装は容易に想像できる。
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