« 2008年8月12日

2008年8月16日の投稿

2008年8月19日 »

 夏休みと言うことで、はてブの人気エントリーや注目のエントリーの傾向が多少変化しているなぁと思ったら、案の定また「お前ら、ブクマして勉強した気になりたいだけなんだろ?」というはてブ衆愚論が出てきた。それへの反応として「SBMの大衆化をどのように考えるか」等も提起され、小林さんも「見ただけで学んだ気分」はブクマに限った話ではないのでは。」で参戦(?)されて一部でそれなりに話題になっている。

 はてブ衆愚論については、私もちょうど2年前に一度取り上げた。私が書いたときで既に2回目か3回目のはてブ衆愚論ブームの時で、その後も春夏冬の休暇シーズンには定期的にこの「はてブがつまらなく(使えなく)なった」という意見が登場する、さながらネットの風物詩のようだ。

 さてはてブがつまらなくなったという意見の場合、たいていその対象は個別のブックマークではなく、はてなブックマークのトップページの最近の人気エントリー(ホッテントリー)や注目のエントリーがつまらなくなったということを意味している。ソーシャルブックマークサービスが一般的になってユーザ数が増え裾野も増えた結果、とっさに数名からブックマークされる記事や沢山のブックマークを集める記事の偏りも変化した。これに対して文句を言っているようだ。

 ソーシャルブックマークはユーザがブックマークする行動を投票行動とみなし、それを使ってインターネット上の膨大なニュースやブログの記事から重要なものや注目すべきものを焙り出すツールである。しかしユーザーが多数になってくるとどうしてもこの投票による趣味嗜好が一般的なものに偏ってくる。私も昔にとある会社で、社員が日頃よく見ているURLを調査して共有したら社員が興味を持っている分野が可視化されて役立つだろう、と思って調べたら、上位はスポーツニュースや芸能ニュースばっかりだったという笑えない経験があったりもする。

 こうしたつまらない(使えない)と思う原因をもうちょっと掘り下げてみたい。

  1. 自分の趣味嗜好と合わない興味の範囲外の記事が上がってくる
  2. 自分の知識レベルからすると低いと感じる記事が上がってくる
  3. 自分は読んだことのある記事や既に知っている内容が上がってくる

 はてブを始めとするソーシャルブックマークサービスではシステム上ではユーザを分け隔て無く全て平等に扱っている。ベテランも初心者も文系も理系も体育会系も均しく1票である。皆に平等な権利を与えるのが集合知活用の成功のための原則の一つではあるが、このために趣味嗜好の違う人達の投票結果を見せつけられたり、ベテランが初心者に引っ張られたりする。
 これを回避するためには同じ興味を持っている人だけで投票を集計したり、アーリーアダブターやイノベーターといった特定の層だけをグルーピングする方法が考えられる。実際に最近でFavgrやECナビのBuzzurl Plusのようにブックマークをグループ単位に管理できるサービスも出てきており、こうしたニーズに応えようとはしている。

 ただ、こうした新しいブックマークサービスを使って特定テーマだけはそちらに登録するというような使い分けは既にメインブックマークサービスを使いこなしている層にとっては負担増だしそもそもめんどくさい。それに自分の情報を蓄えるポケットはひとつに纏めるという原則からも外れてしまう。はてなブックマークのユーザである私からしても、なんとかはてな内のサービスで完結して解決してもらいたいと思ってしまう。ということで、これらの件についての分析と改善案検討をブレスト的にやってみた。

 前置きが非常に長くなってしまったが先ほどあげた原因の一つ目の「1.自分の趣味嗜好と合わない興味の範囲外の記事が上がってくる」については、はてなグループ単位での注目のエントリーを集計すれば良いと思う。はてなには、既にはてなグループというサービスがありニコニコ動画やRubyといった特定のテーマや趣味嗜好を同じくするユーザのグループ化が出来ている。このはてなグループ単位で最近の人気エントリーや注目のエントリーの集計を行い3人ないし5人がブックマークしたエントリーをグループ内で表示するようにすれば、そこにはそれぞれのグループの趣味嗜好に偏向したエントリーが並ぶだろう。グループを上手く定義して参加承認制にすれば、アーリーアダブターやイノベーターといった特定の層だけの注目のエントリーも創れる可能性がある。

 ただ、誰がアーリーアダブターやイノベーターなのかといった定義や、個々人に取っての参考になる先人というのは異なるので、やはり「2.自分の知識レベルからすると低いと感じる記事が上がってくる」や「3.自分は読んだことのある記事や既に知っている内容が上がってくる」といった不満を根本的に解決するには別の改善策も必要だ。

 こちらは現在のはてなブックマークのお気に入りの機能を拡張のアイデアを考えられる。現在のお気に入りの機能では自分が参考にしたいブックマーカが登録したエントリーが単純に羅列されその際のブックマーク数も全体での数が表示されるだけである。
 ここに、各自がお気に入りに入れたユーザ内だけで集計して3人ないし5人に達したエントリーを表示する機能を追加したらどうか。各個人がそれぞれに思うアルファブロガーや有名ブックマーカーだけを集計できるようになるので満足度は上がると思う。

 あと、「3.自分は読んだことのある記事や既に知っている内容が上がってくる」については、各利用ユーザーが既にブックマークしたエントリーについては人気エントリーや注目のエントリーの表示対象から外せるオプションを加えると良いかもしれない。

 

 ここに書いた改善策は全てはてなのサブセット機能なので、ブックマークの登録者側としては従来の作業は何も変える必要はなく2度手間を要さない。あくまで取得したデータを見せる際の工夫である。この方式であれば負担を増やさずにメリットを拡大できる。ただ、システムへの負荷やレスポンス対策面での負担はそれなりに大きそうではあるが。

 最後に、いつもこうした文句が出る際の背景になっている「どうしてこんなエントリーがホッテントリーに入って自分のブログのエントリーはホッテントリーに入れないのか」という妬みについては、いくらこうした施策を施しても解決は不可能だ。
 そういう妬みは、ネット社会的には何も生まないし意味もないので無視すれば良いのだとは思う。ただあえて解決策を言うなら、そういう妬みが自分の中に生まれた人には、その日は酒を飲んで早寝するに限るとでもアドバイスしていくしかないのかなぁ。

 さて、こういうアイデアはここで書くだけでは効果がないので、あとで整理してはてなアイデアに書くことにしたい。なんとなく既に提案済みのような気もするが...

yoi

« 2008年8月12日

2008年8月16日の投稿

2008年8月19日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP


プロフィール

吉川 日出行

吉川 日出行

みずほ情報総研勤務。情報共有や情報活用を主テーマにコンサルティングや新ビジネスモデルの開発に携わっている。

詳しいプロフィール

カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
knowledge
カテゴリー

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


Special

- PR -
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ