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 先週の水曜日に東京ビックサイトで開催されていたワイヤレスジャパン2008に行ってきたのだが、そこでゲームベンチャーの芸者東京エンターテインメントが出品していた「電脳フィギュア ARis」を見ることができた。

 「電脳フィギュア ARis」とは、バーチャルなフィギュアを現実世界に登場させる、世界初の一般向け拡張現実(Augmented Reality)エンタメソフトウェアだそうだ。詳しくはITmediaのこのニュースこの動画を視てほしい。

 当日ブースにいた女性の解説によると電脳フィギュアの技術ではキューブの縁の黒い線をカメラで認識しているそうだ。正6面体の各辺を視て地平線(?)を判断しているらしいと解説されたので、早速キューブを持ち上げると確かに座ったメイドさんがそのまま宙に浮き上がったし、キューブを傾けるとメイドさんもそのまま傾いた。

 キャラクターは現在のこの女の子だけかという質問には、基本セットで提供されるのはキューブと操作用の棒2本と基本ソフトウェアだけで、キャラデータや衣装データはダウンロード方式で提供する予定なので、将来的には衣装やキャラは増えるはずですよ、ということ{動きはどっちに入るのかは聞き忘れた}発売はゲームショウの頃を目指しているがちょっと遅れるかもしれない、価格は1万円以下で話題を呼べばもっと下げることも考えているということだ。
 しかしこの電脳フィギュア、今回のデモを見る限りでは、今のところ動きが単純、操作棒のタッチの判定が甘くて頭と胸とお尻を使い分けられない、台詞が少ないという課題はあるものの、キャラや衣装等を後々DLC化できるとなると結構ウケるのではないかと思った。ビジネスモデルとしてDLCで回収できるなら基本セットのほうは安く抑えて数量を出して話題を呼んであとから回収という選択肢は充分ありそうだし。

 以前だとこういう萌え系のグッズを購入しても、自分だけあるいは友人何人かに見せびらかして終わりだったが、最近ではこうしたグッズを使って面白いネタを作成してそれをニコニコ動画で発表する(例:タグ検索「リボルテック」の結果)という出口ができて市場は拡大したと思うのだ。こういう新技術も現時点ではたんなるインターフェースといえばそれまでなので、こういう遊びというか楽しみとしての出口が出来たのは大きい。

 以前日経エレクトロニクスの記者さんとの打ち合わせをしていて、昨今の新技術や新市場におけるユーザ層やコンセプトの変化について話題になったことがある。昔は新しい技術やメディアが出てくると、まずはエロコンテンツが出てそれが中心になって牽引していった。(例えば初期のインターネットでのエロサイトだとか衛星放送でのアダルトチャンネルのことらしい)
 ところが、最近では、“エロ”ではなく“萌え”が新メディアと新市場をひっぱっていく原動力になっているという仮説だ。

 確かにここ最近のゲームの世界などでは、より“萌える”ために様々なアイデアが次々と提唱されてユーザの厳しい目によって淘汰されていっているし、そこには新技術も惜しげもなく投入されているようにみえる。この流れは既にネットやパソコン、ゲームといった世界を飛び出して、痛ンブラー痛車(萌車)なんてところにも滲み出してきた。痛ンブラーのためにわざわざタンブラーを購入し台紙に絵を印刷するという行為はその分の追加消費を生み出しているし、痛車(萌車)への改造のために数十万円を投資するなんて人口減に喘ぐ自動車業界にとって貴重な新顧客層とまでいうとちょっと言い過ぎか...

 “エロ”ではなく“萌え”が新技術と新市場を牽引する時代になってきているのは確かなようだ。

 

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yoi

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吉川 日出行

吉川 日出行

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