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 先日知り合いの営業担当があるセミナーの案内文をメールで配布した時の話。

 この営業担当はベテランだったので自然とその相手の知り合いというのは、情報システム部の部長さんクラスが多かったらしい。この案内メールに対して結構返事は来たそうである。しかしその返事のほとんどは「その日は都合が悪いのです」「その時間には会議が入っていて・・・」というものだったそうな。で、これを読んでその営業担当は「なにも部長さん本人に出席してくれと言っているわけではないだから、メールを部下にフォワードして紹介してくれよ~」と嘆いていた。

 せっかくなのでと部長職を直接宛先にしたことが裏目に出たということで、次回からは「どなたか部内でこの分野に興味のある部下の方へご紹介ください」との一文を付け加えることにするそうだ。

 先日のENIGMA VARIATIONSの「情報共有で共有されるもの」というエントリーでは

特定の人間しか「知らない」情報ほど、それを知る人たちにとっては情報共有を「している」ことにつながらないか

という一節があり、この瞬間には情報共有できていないとは感じないとされる。そしてその後の

共有の境界線の内側にいると思っていた自分や相手が、実は外側だったと知ることによる落胆

が情報共有できていないという意識につながるのでは、とある。冒頭のような事件の根っこは案外こういうところかもしれない。

自分は知った、そしてそれにはあまり興味が無い、だから捨てる。

という行動パターン。でも最後の捨てる前に、その情報は自分の周りの人にとっても価値のないものなのか一瞬だけでも考えてみたら、その組織の情報共有はもっと進むかもしれない。コミュニケーション風土なんて案外こうしたちょっとした心がけで変わるように思う。

yoi

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吉川 日出行

吉川 日出行

みずほ情報総研勤務。情報共有や情報活用を主テーマにコンサルティングや新ビジネスモデルの開発に携わっている。

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