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先般Interop New York 2006における基調講演での発言として『「Wikiのビジネス利用は課題山積」──Wiki関係者が指摘 』というのが報道された。この中ではエンタープライズWikiについてかなり否定的な意見が出ていた。ネット上のWikiでは、書き込みをする貢献者が500人に1人であるので、企業内という人口の少ないところで機能しないという趣旨のようだ。
知人のひとりにある開発プロジェクトでWikiを使って情報共有を行った者がいたので、さっそく意見を聞いてみ。彼によるとやはりユーザインターフェースが特殊で敷居が高いこと、プロジェクト管理に利用するにはファイルの共有や作業工程管理面が弱いことが欠点で、あまり活用は進まなかったということである。ただし貢献者の割合はプロジェクトメンバー全員とまではいかないがそれなりの割合であったという。会議などの打ち合わせ結果のメモ書きや顧客とのQ&Aの記録など備忘録的には効果があったとも聞いた。このように企業内利用特にプロジェクト内での場合、メンバー自体が同じ釜の飯を食う仲間でもあり目的が明確でなおかつ利用にメリットがあれば貢献者の割合を相当数までは上げる事は可能だと予測する。
日本国内でエンタープライズWikiを手がけるベンダーや構築事例はまだ少ないが、以前に私が聞いた事例では、企業内の“用語集”をWikiで構築したものがある。慣れてしまうと気がつかなくなるが、企業内には案外と専門用語や特殊用語が多いものである。これに加えてその企業が属する業界用語もある。これらをWikiを使って皆で登録・編集して共有しようというのである。まさに社内版ウィキペディアである。この事例では用語集を新入社員・中途社員の教育用として作ったそうだが、語彙が増えれば中堅社員以上でも使えるし、各用語の説明ページの下部にマニュアルや規定集へのリンクを書き込めば、業務プロセスへ組み込まれてさらに活用されると思われる。
気になる用語のメンテナンスは、新入社員にそのままやらせれば良いのではないだろうか?1年かけて仕事を覚えていく間に各自に追記をさせることを仕事のひとつにしてしまえば、貢献者問題も解決できそうだ。
ちなみに、スラッシュドットジャパンに類似の書き込みがあり、各種の意見が寄せられておりこちらも面白い。特に目に留まったのは以下の書き込み
Wikiがだめなところを、Blogにすると時系列掲示板として機能するんでそこそこ繁栄するんです。
なるほど!
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