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 昨日に引き続き力技でやった自由研究の結果をレポートしてみたい。

 オルタナティブ・ブログのブロガーのブログの継続率についてデータを取得し分析をしてみた。昨日書いたように2006年8月のアクティブブロガーは全体の64.5%の60人で、この60人の平均での継続月数は7.3ヶ月。ただオルタナティブ・ブログには毎月新人が加入するのでこの継続月数はあくまで目安にしかならない。
 次に継続率であるが、このブログが休止か継続中かという判断が難しい。CNETの読者ブログの場合は一定の期間の投稿がないとブログが閉鎖されてしまう制度があるようだが、オルタナティブ・ブログにはこの制度はない。ひとしきり悩んだのだが、先にあげたペルセウス社の調査にならってここでは最近2ヵ月間で更新をされていないブログを休止と定義することにした。途中投稿が無くても2006年7月と8月に1通でも投稿があれば継続中と判断するのである。Graph2

 これにもとづいて2006年7月までさかのぼって2ヵ月間更新のないものをピックアップすると、現在は21のブログが休止状態にあるということになる。したがってオルタナティブ・ブログの継続率は76.7%となる。(注:一度もエントリされていない3つのブログはここでは対象外とした)
 実名ブログの継続率として76.7%というのは相当高い。過去の経験からいって実名形式をとる社内ブログでの継続率は通常20%から40%で、自社がブログシステムを開発しているような会社でさえおよそ半数だと聞いている。以前にあるブロガーから、オルタナティブ・ブログのような公の場に実名が出た場合長期間休止をしていると恥ずかしいから頑張る、という話を聞いたことがあるがこんな要素も実名ブログでは社外ブログのほうが社内ブログより継続率が高いことに影響を与えているかもしれない。
 ちなみに「イザ!」のほうは開始後間もないという事で継続率は82.3%。もうちょっと実名ブログでのサンプルを増やして検証の必要がありそうだが、どなたかCNETの読者ブログや有名人ブログ集あたりのデータを使って「実名」と「匿名」の継続率の差などまで検証してもらいないだろうか。
 
 さて、せっかくなので休止になったブログについての傾向をもうちょっと調査してみた。先にあげた21のブログが休止までに要した月数の平均値は4.4か月、しかしながら内訳を表にまとめると図のようになりGraph2_1大半が2か月か3カ月で休止に至っている。こちらも私の経験上のユーザが新しいものに慣れたり飽きたりするのは大抵3カ月というものに合致して非常に納得感がある。
 

 これらの分析の過程である面白い傾向に気がついた。休止ではなく最初の中断までの月数とその後の復活度合いの関係である。ブロガーの中には時々投稿を中断した後しばらくして投稿を再開される方がいる。きっと本来業務との兼ね合いなどが影響しているのだと思うが、この最初の中断が開始翌月に来たブロガーの大半はその後復活するのである。1ヶ月だけで辞めてしまうとみっともないという感覚が働くのか?ところが開始後2ヵ月間経過して中断したブロガーは全員ともそのまま休止状態に入ってしまっている。先の1ヶ月で一休み後復活したブロガーはその後永く継続する傾向にあるのとまったく対照的である。

Graph3_1
 
 したがって今回のこのデータから、

社内での実名ブログの導入の際には事務局側で投稿数をウォッチしておき開始後3ヶ月目中盤に入ったら投稿の無くなったユーザになんらかのアプローチを施す。特に2ヶ月連続投稿後に投稿の無くなったブロガーに手厚くフォローすることで全体の継続率が改善する可能性は高い。

という仮説を導き出せそうだ。いつか実地でも試してみたい。

yoi

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吉川 日出行

吉川 日出行

みずほ情報総研勤務。情報共有や情報活用を主テーマにコンサルティングや新ビジネスモデルの開発に携わっている。

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