« 2008年11月28日

2008年12月13日の投稿

2009年1月4日 »

2004年くらいから、ソフトウェアプロジェクト現場の見える化手法を体系化し、「プロジェクトファシリテーション(PF)」と呼んで普及させる活動を行っています。これは、「アジャイル開発」にという手法が日本の管理者層に誤解されている現状も踏まえて、繰り返し型やウォーターフォールといった開発プロセスからは一旦離れ、日本の現場でできるコミュニケーションとモチベーションアップの手法を、プロセス改善活動の一環として提示したものです。プロジェクトマネジメントやプロセス改善、TPS、ファシリテーション、アジャイルなどさまざまな手法の混在となっていて、これを実践することで、3Kなどと言われているソフトウェア開発現場を、いきいきとした仕事場に変えたい、という思いの表現です。

この活動は、PFP(プロジェクト・ファシリテーション・プロジェクト)と呼ばれるオフラインのミーティング(東京、関西、九州)、雑誌記事(EM ZEROが最も有名)、そして、それぞれの会社の現場活動が中心で、とくに強い組織はなく、仲間、という意識でなりたっています。

さて、2008年12月、今年も押し迫ってきたので、「さて、これまで何回PFの講演やっただろう?」というカウントをしてみました。実はぼくのパソコンには、「セミナー」というフォルダーがあり、そこに、日付とセミナ名もしくは行った場所の名前のフォルダを作るようにしていて、ここを見ると公演回数が分かるのです。この中から、PF関連のものだけをリストアップしました。。。。

2004-12-09 オブジェクト倶楽部Xmas(リーン講演の実例部分を切り出し)
2005-01-28 OSC
2005-01-31 FITEA/Agile Process 合同合宿
2005-02-04 デブサミ
2005-03-10 富士通PST(PFという名前が初出)
2005-04-21 ULSystems
2005-04-27 PST
2005-05-19 富士通FIMAT
2005-06-21 JavaWorldDay
2005-06-29 オブジェクト倶楽部
2005-07-11 富士通大阪
2005-07-29 VANS
2005-08-04 九州「見える化」セミナー
2005-08-05 沖縄ITEP
2005-08-12 ITI
2005-08-30 SONY
2005-09-02 JPMF
2005-09-03 XP祭り
2005-10-11 PMConference
2005-10-15 フェニックス研究会
2005-11-02 KCCS
2005-11-22 富士通SSL
2005-11-24 ISトップフォーラム
2005-12-08 JavaFesta札幌
2005-12-08 PFU
2006-02-01 SORUN
2006-02-09 デブサミ
2006-02-16 NTTData
2006-02-17 稚内北星学園
2006-02-20 富士通社会基盤BG
2006-03-23 富士通FIMAT
2006-04-13 NIS PF
2006-05-08 PFP大阪
2006-05-22 NEC SWQC
2006-06-14 東芝ソリューション
2006-07-04 専修大学
2006-07-07 東芝SEPG
2006-07-10 NEC関西
2006-07-19 東レ
2006-07-20 富士通SSL
2006-07-26 CX
2006-07-27 富士通護国寺
2006-07-29 IPASEC
2006-07-31 NEC中部
2006-08-31 PMシンポジウム
2006-09-08 見える化福岡
2006-09-22 NECソフトウェア東北
2006-09-30 XP祭り関西
2006-10-16 NECソフトウェア九州
2006-10-19 日本UNIXユーザ
2006-11-09 富士通(TPSとAgile)
2006-11-22 NECソフト
2006-11-24 NSソリューション
2006-12-01 富士通長野
2006-12-05 QuaSTom
2007-01-17 NTTData
2007-02-01 Ricoh
2007-03-02 富士通VLSI
2007-03-20 福岡
2007-05-11 要求開発アライアンス
2007-05-15 関電
2007-06-14 NEC新潟
2007-07-12 企業研究会
2007-08-07 アジャイルプロセス協議会
2007-08-08 統計センター
2007-08-30 SWEST9
2007-10-16 日経コンピュータ
2007-11-19 ITI
2007-12-17 内閣府
2008-02-21 にいがた産業創造機構
2008-04-02 IBM
2008-05-30 富士通FIP
2008-06-13 中電CTI
2008-06-26 ITフロンティア
2008-07-10 日科技連
2008-07-24 JavaKueche沖縄
2008-08-01 パイオニア
2008-08-19 インテック
2008-08-28 東京エレクトロン
2008-09-09 富士通FIP
2008-09-10 SDNA
2008-09-11 東京エレクトロン札幌
2008-10-08 富士通SSL
2008-10-11 九州PFP
2008-11-05 トヨタ
2008-11-14 ITA
2008-11-26 JASPIC神戸
2008-11-26 三菱(尼崎)
2008-12-04 リコーソフト
2008-12-09 日立(戸塚)
2009-01-09 沖縄日立ネットワークシステムズ

現在、通算90回で、年明けに沖縄で行う回で91回目となります。おそらく、来年には100回に到達するでしょう。毎回内容はほぼ同じですが、ちょっとずつ、みなさんに送ってもらった現場の写真を足したりしながら分量を増やしています(最近ですと、佐賀県庁で行われているニコニコカレンダーとかんばん、朝会の例を、九州PFPで東泰史さんに頂いて追加しました)。

ちょっとふりかえってみます。

上記のタイムラインの前に、2004年の前半に「リーンソフトウェア開発」の講演を何度かやっています。その内容に、「自分の知っている事例」としてタスクかんばんやバーンダウン、ふりかえりや朝会の写真を入れはじめたのがPFの最初のきっかけです。それを、2004年冬のオブジェクト倶楽部のクリスマスイベントで、ソフトウェア開発の「見える化」として発表したのがPFの誕生となると思います(2004/12/09)。

Leansoftwareobjectclub Leansoftwareobjectclub2

そして、現場写真を中心に上記のぐるぐる回る全体像を入れました。この絵は、確か、角谷さんたちと何か雑誌の取材を受けたときに、初めて描いたホワイトボードに書いた絵を、清書したものだったと思います。バーンダウンの写真は、そのころ、「チームかくたに」と呼ばれていた、t-wada さんも入っていたチームで使われていたものです(おそらく日本最古のバーンダウン)。ただ、この段階では、PFという名前はまだ現れていません。

この後、はじめて「プロジェクトファシリテーション」という名前を、富士通PSTさんでの講演の中で使っています。2005年の3月には、ドキュメントも書き始めました。その第一弾が、「実践編:朝会ガイド」(PDF)です。2006年7月には、天野勝さんが、「実践編:ふりかえりガイド」(PDF)を追加してくれました。これは、現在もっともよくダウンロードされている冊子の1つです。レトロスペクティブズを「ふりかえり」と訳したのは天野さんで、国際ふりかえり学会もつくりました。

この「プロジェクトファシリテーション」という名前は2005年に、懸田剛さん(KKD)と、東京から福井に向かうしらさぎ号の中のディスカッションで出たものだと記憶しています。このとき、はじめてPFというものの構成要素、全体像を二人でマインドマップにまとめたはずです(どこかにあるかも)。懸田さんには、いつもアイディアの「先端出し」を手伝ってもらっていて、この他にも、英語でかんばん記事を書くきっかけや、Agile2008でのマインドマップとユーザーストーリの融合などのアイディア出しも二人での議論が最初にあります。

その後、IBMの依田さんが、PFPという活動を作ってくれました。確か、IBMの社内論文を書こうとされたことがきっかけだったと聞いていますが、その後多くの方が参加してくれて、このアイディアを広めてくれています。さらに、現場でのリーダーとしての実践を岡島さんが本にまとめてくれたり(これはPFとは独立していますが、一緒に働いている仲間です)、くっしーさんが改善推進の視点でプロセス改善のやり方として導入してくれたり、大阪の前川さんや西河さんもPFの記事を雑誌等にたくさん書いてくれています。

とてもうれしい!この活動は、結局、みなさんと一緒に変えることを始める活動だったんだな、と感謝しています。

簡単にKPTでふりかえってみると、

  • Keep
    • 地道に講演活動を続けたこと。
    • たくさん信頼できる友人ができたこと。
    • Agile2008 で Gordon Pask Award を頂いたこと。
    • PFPを応援すること。
    • 資料を改定し続けること。
  • Problem
    • まだ日本語の本が書けていない
    • まだ英語の本が書けていない
  • Try
    • 本を書く!
    • 講演を100回までは続ける。
    • やっぱり、アジャイルを普及させる。日本の産業構造をなんとかする!

こんな感じでしょうか。。。。本は書きたいけれど、本を書くよりも、講演を聴いてもらった方がよく伝わると思っています。だから、ライブで届く範囲にエネルギーを使った方がいいような気がしています。

初心にかえると、ぼくはソフトウェア開発が好きです。ぼくがやりたいのは、

日本のエンジニアが、やりがいを持って、いきいきと仕事ができ、その技術や工夫が、お客様やユーザの喜びや感動につながるシステム開発 の現場を作りたい。

これにつきます。ちょっと大上段に振りかぶってえらそうになっていますが、これが企業のトップダウンでなく、現場から起こること。そして、企業を超えた横糸がコミュニティとして繋がること。これが2009年に起こしたい変化の1つです。

そして、もうはじまっている気がしています。。。。ということで、ちょっと早いですが、来年もがんばって行きたいと思っています。

上のリストの回に参加された覚えがあるかた、このブログにコメント頂けるとうれしいです。

平鍋

モデリング道場主催の、モデリングコンテストが行われました。今回は、「規定」と「フリー」の2部門でおこなわれ、規定部門では、「学校」を題材にモデルを競いました。内容は何でも可。ただし、伝えたいことがあり、その伝えたいことが伝わるモデルを評価しています。

以下でモデルが見れますので、鑑賞してみてください。コメントは、審査員のコメントです。

http://ec2-75-101-210-248.compute-1.amazonaws.com:9080/judeshare/

(デフォルトユーザでログインできます)

特に、規定での最優秀賞、「ろく」さんの「学校を通じて学べるもの」という作品。

http://ec2-75-101-210-248.compute-1.amazonaws.com:9080/judeshare/#diagram=44

この「親」、「教師」、「生徒」の三角形、それぞれが、「育てる」、「教える」、「成長する」、というメソッドをもっており、その真ん中に置かれた「生きる力」とそこへ向かう関連線をみてください。さらに、教師は生徒であり、親は教師でもある、という継承関係が。。。。深い作品です。

私はこれに一票をいれ、越前ガニを、商品として贈りました。おめでとうございます。>ろくさん。

このほかにも、興味深い作品がたくさんあります。フリーでも、「カレンダー」、「ポケモン」はじめ、「大阪人はあいてのことを自分と呼ぶ」という面白いモデルも出展されています。

どうぞ、ご鑑賞ください。なお、オブジェクト倶楽部忘年会にて、各モデルの好評と最優秀賞の表彰が行われました。

作品はぜひWebサイトで見て欲しいのですが、1つだけ画像を張っておきます。「フリー」部門の「ポケモン」です。

Photo

平鍋

« 2008年11月28日

2008年12月13日の投稿

2009年1月4日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

平鍋 健児

平鍋 健児

株式会社チェンジビジョン代表取締役社長、永和システムマネジメント副社長。
オブジェクト指向開発、UMLの勘所、アジャイルな開発手法の未来、マインドマップのソフトウェア開発での利用方法、プロジェクトファシリテーション(見える化)を語ります。現在、マインドマップとUMLの融合エディタ、astah*(アスター、旧JUDE)を開発中。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
最近のトラックバック
カレンダー
2013年4月
日 月 火 水 木 金 土
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
hiranabe
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ