アジャイル開発とスクラム ~顧客・技術・経営をつなぐ協調的ソフトウェア開発マネジメント(2) 構成について
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『アジャイル開発とスクラム
~顧客・技術・経営をつなぐ協調的ソフトウェア開発マネジメント~』
が発売されました。
先に開催された Scrum Gathering Tokyo 2013 で先行販売され、売り切れになったのはとても光栄です。きっと共著の野中郁次郎先生の深く、でも飾らない言葉が、ソフトウェア開発に取り組んでいる人たちにも届いたのだと思います。
さて、本書は、こんな3部構成になっています。
- 第一部: アジャイル開発、スクラムとは何か
- 第二部: アジャイル開発を実践する
- 第三部: アジャイル開発を考える
このような構成の意図を少し書こうと思います。
「アジャイルとは何か。なぜか。」→「実践する。」→「考える。」という順序にこの目次はなっています。この順序は書き始める最初から決めていました。アジャイルそのものが、実践と思考の同居にその本質があるからです。
- 第一部: アジャイル開発、スクラムとは何か
この部では、できるだけ現代のビジネス変化からの必然性として、アジャイルを自然な方法論として書き出すこと、そして写真を使ったプラクティスの解説に注力したつもりです。アジャイルを知らない人にも、実感をもってアジャイル、そしてスクラムを紹介したかったのです。
- 第二部: アジャイル開発を実践する
第二部は、実践記事とインタビューです。富士通の神部さん、楽天の藤原さん、リクルートの河野さん、にお願いして、実践記録を書いてもらいました。ここでも、できるだけ現実の開発の世界でアジャイルを実践している人たちがいるんだ、ということを実感として分かってもらえるように、と考えました。
さらに、実践している人には苦労がつきものです。この苦労を人間くさい形のままに、インタビューで引き出そうとしました。どんな手法も簡単に成功するものではありませんよね、ましてや、アジャイルなんて。
- 第三部: アジャイル開発を考える
そして、第三部。ここでは、これまでの部を含めて、そもそもアジャイルって何だろう?という疑問に、日本の企業経営論、経営哲学の中から答えたかった。そして、野中先生の知識創造のモデル、フラクタル組織(海兵隊)のモデル、実践知を重視したリーダーシップのあり方など、まだアジャイルがこれから考えていかないといけない、そして、日本が世界に誇れる部分に光を当てたかった。第二部の生々しい記事、それに、ジェフ・サザーランドのインタビューも含めて、野中先生の思考フレームの中で一度、それらを見直すことで、ぼくたちがこれから生み出すものへのヒントを得るために。
第三部については、必ず、英語版を出そうと思っています。きっと海外からも、この考え方に注目が集まるのではないか、と思う。
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