アジャイルに行こう!

プロジェクトファシリテーションの「ふりかえり」

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2004年くらいから、ソフトウェアプロジェクト現場の見える化手法を体系化し、「プロジェクトファシリテーション(PF)」と呼んで普及させる活動を行っています。これは、「アジャイル開発」にという手法が日本の管理者層に誤解されている現状も踏まえて、繰り返し型やウォーターフォールといった開発プロセスからは一旦離れ、日本の現場でできるコミュニケーションとモチベーションアップの手法を、プロセス改善活動の一環として提示したものです。プロジェクトマネジメントやプロセス改善、TPS、ファシリテーション、アジャイルなどさまざまな手法の混在となっていて、これを実践することで、3Kなどと言われているソフトウェア開発現場を、いきいきとした仕事場に変えたい、という思いの表現です。

この活動は、PFP(プロジェクト・ファシリテーション・プロジェクト)と呼ばれるオフラインのミーティング(東京、関西、九州)、雑誌記事(EM ZEROが最も有名)、そして、それぞれの会社の現場活動が中心で、とくに強い組織はなく、仲間、という意識でなりたっています。

さて、2008年12月、今年も押し迫ってきたので、「さて、これまで何回PFの講演やっただろう?」というカウントをしてみました。実はぼくのパソコンには、「セミナー」というフォルダーがあり、そこに、日付とセミナ名もしくは行った場所の名前のフォルダを作るようにしていて、ここを見ると公演回数が分かるのです。この中から、PF関連のものだけをリストアップしました。。。。

2004-12-09 オブジェクト倶楽部Xmas(リーン講演の実例部分を切り出し)
2005-01-28 OSC
2005-01-31 FITEA/Agile Process 合同合宿
2005-02-04 デブサミ
2005-03-10 富士通PST(PFという名前が初出)
2005-04-21 ULSystems
2005-04-27 PST
2005-05-19 富士通FIMAT
2005-06-21 JavaWorldDay
2005-06-29 オブジェクト倶楽部
2005-07-11 富士通大阪
2005-07-29 VANS
2005-08-04 九州「見える化」セミナー
2005-08-05 沖縄ITEP
2005-08-12 ITI
2005-08-30 SONY
2005-09-02 JPMF
2005-09-03 XP祭り
2005-10-11 PMConference
2005-10-15 フェニックス研究会
2005-11-02 KCCS
2005-11-22 富士通SSL
2005-11-24 ISトップフォーラム
2005-12-08 JavaFesta札幌
2005-12-08 PFU
2006-02-01 SORUN
2006-02-09 デブサミ
2006-02-16 NTTData
2006-02-17 稚内北星学園
2006-02-20 富士通社会基盤BG
2006-03-23 富士通FIMAT
2006-04-13 NIS PF
2006-05-08 PFP大阪
2006-05-22 NEC SWQC
2006-06-14 東芝ソリューション
2006-07-04 専修大学
2006-07-07 東芝SEPG
2006-07-10 NEC関西
2006-07-19 東レ
2006-07-20 富士通SSL
2006-07-26 CX
2006-07-27 富士通護国寺
2006-07-29 IPASEC
2006-07-31 NEC中部
2006-08-31 PMシンポジウム
2006-09-08 見える化福岡
2006-09-22 NECソフトウェア東北
2006-09-30 XP祭り関西
2006-10-16 NECソフトウェア九州
2006-10-19 日本UNIXユーザ
2006-11-09 富士通(TPSとAgile)
2006-11-22 NECソフト
2006-11-24 NSソリューション
2006-12-01 富士通長野
2006-12-05 QuaSTom
2007-01-17 NTTData
2007-02-01 Ricoh
2007-03-02 富士通VLSI
2007-03-20 福岡
2007-05-11 要求開発アライアンス
2007-05-15 関電
2007-06-14 NEC新潟
2007-07-12 企業研究会
2007-08-07 アジャイルプロセス協議会
2007-08-08 統計センター
2007-08-30 SWEST9
2007-10-16 日経コンピュータ
2007-11-19 ITI
2007-12-17 内閣府
2008-02-21 にいがた産業創造機構
2008-04-02 IBM
2008-05-30 富士通FIP
2008-06-13 中電CTI
2008-06-26 ITフロンティア
2008-07-10 日科技連
2008-07-24 JavaKueche沖縄
2008-08-01 パイオニア
2008-08-19 インテック
2008-08-28 東京エレクトロン
2008-09-09 富士通FIP
2008-09-10 SDNA
2008-09-11 東京エレクトロン札幌
2008-10-08 富士通SSL
2008-10-11 九州PFP
2008-11-05 トヨタ
2008-11-14 ITA
2008-11-26 JASPIC神戸
2008-11-26 三菱(尼崎)
2008-12-04 リコーソフト
2008-12-09 日立(戸塚)
2009-01-09 沖縄日立ネットワークシステムズ

現在、通算90回で、年明けに沖縄で行う回で91回目となります。おそらく、来年には100回に到達するでしょう。毎回内容はほぼ同じですが、ちょっとずつ、みなさんに送ってもらった現場の写真を足したりしながら分量を増やしています(最近ですと、佐賀県庁で行われているニコニコカレンダーとかんばん、朝会の例を、九州PFPで東泰史さんに頂いて追加しました)。

ちょっとふりかえってみます。

上記のタイムラインの前に、2004年の前半に「リーンソフトウェア開発」の講演を何度かやっています。その内容に、「自分の知っている事例」としてタスクかんばんやバーンダウン、ふりかえりや朝会の写真を入れはじめたのがPFの最初のきっかけです。それを、2004年冬のオブジェクト倶楽部のクリスマスイベントで、ソフトウェア開発の「見える化」として発表したのがPFの誕生となると思います(2004/12/09)。

Leansoftwareobjectclub Leansoftwareobjectclub2

そして、現場写真を中心に上記のぐるぐる回る全体像を入れました。この絵は、確か、角谷さんたちと何か雑誌の取材を受けたときに、初めて描いたホワイトボードに書いた絵を、清書したものだったと思います。バーンダウンの写真は、そのころ、「チームかくたに」と呼ばれていた、t-wada さんも入っていたチームで使われていたものです(おそらく日本最古のバーンダウン)。ただ、この段階では、PFという名前はまだ現れていません。

この後、はじめて「プロジェクトファシリテーション」という名前を、富士通PSTさんでの講演の中で使っています。2005年の3月には、ドキュメントも書き始めました。その第一弾が、「実践編:朝会ガイド」(PDF)です。2006年7月には、天野勝さんが、「実践編:ふりかえりガイド」(PDF)を追加してくれました。これは、現在もっともよくダウンロードされている冊子の1つです。レトロスペクティブズを「ふりかえり」と訳したのは天野さんで、国際ふりかえり学会もつくりました

この「プロジェクトファシリテーション」という名前は2005年に、懸田剛さん(KKD)と、東京から福井に向かうしらさぎ号の中のディスカッションで出たものだと記憶しています。このとき、はじめてPFというものの構成要素、全体像を二人でマインドマップにまとめたはずです(どこかにあるかも)。懸田さんには、いつもアイディアの「先端出し」を手伝ってもらっていて、この他にも、英語でかんばん記事を書くきっかけや、Agile2008でのマインドマップとユーザーストーリの融合などのアイディア出しも二人での議論が最初にあります。

その後、IBMの依田さんが、PFPという活動を作ってくれました。確か、IBMの社内論文を書こうとされたことがきっかけだったと聞いていますが、その後多くの方が参加してくれて、このアイディアを広めてくれています。さらに、現場でのリーダーとしての実践を岡島さんが本にまとめてくれたり(これはPFとは独立していますが、一緒に働いている仲間です)、くっしーさんが改善推進の視点でプロセス改善のやり方として導入してくれたり、大阪の前川さんや西河さんもPFの記事を雑誌等にたくさん書いてくれています。

とてもうれしい!この活動は、結局、みなさんと一緒に変えることを始める活動だったんだな、と感謝しています。

簡単にKPTでふりかえってみると、

  • Keep
    • 地道に講演活動を続けたこと。
    • たくさん信頼できる友人ができたこと。
    • Agile2008 で Gordon Pask Award を頂いたこと。
    • PFPを応援すること。
    • 資料を改定し続けること。
  • Problem
    • まだ日本語の本が書けていない
    • まだ英語の本が書けていない
  • Try
    • 本を書く!
    • 講演を100回までは続ける。
    • やっぱり、アジャイルを普及させる。日本の産業構造をなんとかする!

こんな感じでしょうか。。。。本は書きたいけれど、本を書くよりも、講演を聴いてもらった方がよく伝わると思っています。だから、ライブで届く範囲にエネルギーを使った方がいいような気がしています。

初心にかえると、ぼくはソフトウェア開発が好きです。ぼくがやりたいのは、

日本のエンジニアが、やりがいを持って、いきいきと仕事ができ、その技術や工夫が、お客様やユーザの喜びや感動につながるシステム開発 の現場を作りたい。

これにつきます。ちょっと大上段に振りかぶってえらそうになっていますが、これが企業のトップダウンでなく、現場から起こること。そして、企業を超えた横糸がコミュニティとして繋がること。これが2009年に起こしたい変化の1つです。

そして、もうはじまっている気がしています。。。。ということで、ちょっと早いですが、来年もがんばって行きたいと思っています。

上のリストの回に参加された覚えがあるかた、このブログにコメント頂けるとうれしいです。

Comment(6)

コメント

dekoboko

2006年2月のデブサミで、はじめてPFの講演会を聴講させて頂きました。
職場や仕事での閉塞感や行き詰まりに対するヒントを探していた中、「ザ・ファシリテータ」や、こちらのブログを知ったことがきっかけです。


PFという名前を与え、地道に広げる活動を続けてくださったことで、おそらく多くのエンジニアが感じていたであろう疑問、
「もっと楽しくやりがいを感じられるのではないか」「もっと顧客に喜んでもらえるモノづくりができるのではないか」
それらに、ひとつの道を拓いてくださったと思っています。
そして、自分独りきりではなく、他に同じ思いの同志がいると感じられることは、大きな力にもなりました。


100回講演、楽しみです。
これからも、新しい栄養をどんどん取り込み、細胞分裂して大きく成長していくことを応援しています。

くっしー

ご紹介ありがとうございます。
業界での活躍っぷりは平鍋さんに到底追いつけませんが、PFの普及はこれからも力を尽くしていきたいと思います。これからも一緒に世界を変えましょう!

Y6

上の回にはないですがコメントしたいのでします。本出たら絶対買います。僕は、平鍋さんの活躍を知ってこの業界に飛び込んだひよっこですが、自分のできる範囲でこの業界に貢献していきたいと思っています。

#100回といわず業界の森光子さんみたいになってください。

和田

もうすぐ100回とは素晴らしい!!
全国各地で何回も(オブラブを含めると10回以上)平鍋さんの講演を聞き、毎回勇気をもらっております。IT業界は確実に変わってきていると思います。ブレークスルーまで、たぶんもうすぐです。「お客様に良いものを提供し、やりがいを感じたい」というITエンジニアの誇りを信じて、今後も頑張っていきましょう!!

あまぴょん

レトロスペクティブズを「振り返り」としたのは、私だったかも。でも、「ふりかえり」とひらがなにしたのはKKDさんです。後ろ向きなネガティブな雰囲気を少しでも減らそうということから、漢字ではなくひらがなで記述しようというのが、KKDさんの想いでした。私はその想いをつないで今に至っています。

もにのに

いつだったか、田町にお邪魔したときに平鍋さん抜きで「この講演を本にしたいよね。」というお話をしました。
フル録画していつでも誰でも手にとって講演のエネルギーが伝わるような本にしたいです。
今、まさに欲しい一冊です。

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