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 MSN毎日新聞ニュースに、「センター試験:リスニング機器、性能劣るのを承知で採用」という記事が掲載されていました。

 採用されたプレーヤーの音声圧縮法は世代遅れで、競合入札の方式は、最近の標準的な圧縮法で音楽の再生も可能で音質は優れている、と書かれています。標準的ということは、ATRACと比べてのAACということでしょうか。競合のほうはデジカメのメモリに流用可能ということなので、SDあたりですかね。

 また、記事によれば、採用されたプレーヤーの見積価格が2600円と、私の予想額の1000円程度を大きく上回るものだったのはちょっとびっくり。なお、3年契約なので、もう1年はメモリースティックロムの採用、ということになりそうです。

 この件については1月下旬にアエラの取材を受け、2月5日号の「リスニング不具合 ICプレーヤーの製造元」にわたしのコメントが掲載されています。お読みになったかたもいらっしゃるかもしれません。1ページものなので、コメントの多くは省かれていますが、ライターさんとのやり取りでこちらのコメントとして最終的に用意したものを、ここで掲載しておきます(貧乏性なのでもったいないため)。

● 分解した理由は、「技術的な興味からですね。ICプレーヤーは1年前だと1万円近い高級品。それが50万人という受験生に一度に配布されるわけですから、その中身がどういう構造になっているのか、そのコストと機能をどうやって実現しているのかに興味を持ちました。それと、これだけの台数のICプレーヤーをいったいどこが受注したのか、ということも」。

初代では基板にミツミという文字があったのでミツミ製か、メモリースティックが採用されていることから、その推進役であるソニーかな、と思いました。価格はメモリカードが付属しないので、1000円というところですかね。いまは999円のMP3プレーヤー(イヤフォンつき、メモリカードなし)というのがあるので。

● 中身を見た感想は、「メモリースティックロムを使っているところが非常にユニーク。メモリースティックとはソニーが規格を作ったメモリーカードで、しかもROMなので書き込みができない読み取り専用メモリです。またメモリースティックの中にあるデータはこのプレーヤー以外では読めないようになっています。改ざんや流出を防ぐためでしょう」

● さらに今年のセンター試験で使われたICプレーヤーも某所から入手。「外見は2006年モデルと比較してほとんど変化がないのですが、中身の心臓部である基板は2006年が2枚だったのに対して、今回は1枚。基板のサイズも小さくなっています。構造がシンプルになって、おそらく故障の可能性も減った、といった進化がうかがえます」

● 今年のセンター試験では、英語リスニング試験でトラブルがあり、「再開テスト」をおこなった人は、381人(今日現在の集計)。ICレコーダーの不具合率は0.07%程度と推測される「不具合の比率は通常のMP3プレーヤーと比べてかなり低いのではないでしょうか。しかし、不具合が起きない電子機器というのは存在しないので、必ず不良が起きるということを前提とした救済措置、対応をあらかじめ組み込んでおくべきなのだと思います」

● 個別のICプレーヤーを導入したことについて「受験会場のスピーカーはノイズが出たり、受験生の座る場所によって聞きづらい場所もある。そう考えると、個別のICプレーヤーは、今の状況ではもっとも正しい選択だと思います」。

● ただし、「正味30分のリスニングテストなのに、機械の説明時間が30分プラスされていた。2日目のテストをひかえた1日目で、その30分はけっこうな負担。便利な機械かもしれないが、ここまでして導入するべきか疑問がある」という受験生(本年度)の声があることは問題と考える。「(入試センターは)ICレコーダーの性能さえ完全にしておけば十分、と考えているのでは。ICプレーヤーは、いわば受験生という『お客さん』に有償で購入していただいている商品。となると、お客さん(ユーザー)が試験会場で使ったときに不満を抱かないよう、十分に注意することが必要です。一般の電化製品のユーザーサポートに当たる現場の試験官たちの、簡潔にわかりやすく取り扱いを説明できるスキルも必要になってくるでしょう」

● ICレコーダーは「各電機メーカーに、機能などのご提案をいただき、機能、価格ともに適切なものを採用しました」(入試センター)とのこと。「技術の専門家というより、家電製品やコンピュータなどの使い勝手に詳しい専門家などの意見をもっと聞くべきでしょう。また、『商品』であると考えれば、ICレコーダーは使いたくないという人には、たとえばスピーカーを使った別室を用意するなど、選択の余地を与えることも必要かもしれません」

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koya

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松尾 公也

松尾 公也

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PC Magazine、PC WEEK、MacUserなどを経て、IT業界の裏道を歩みつつ現在に至る。

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